大和ハウス工業株式会社

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CASE12

医療施設

神野病院

所在地:
兵庫県姫路市
構造:
鉄骨造
延床面積:
4,018m2
竣工:
2016年8月
用途:
一般病床(103床)

開設より約50年。現在では「整形外科医が24時間365日常駐する病院」として、周辺市町からも救急の患者様が搬送される病院として広く知られている神野病院様。
時代ごとに求められてきた医療ニーズに応えるべく、その都度、施設改善を図ってこられましたが、2013年の改正耐震改修促進法の施行を受け、建物自体が抱えていた根本的な問題を解決すべく、病院の建て替え計画をご決断されました。

計画のポイント

POINT 12つの敷地を機能的に融合させた施設計画

敷地面積や容積率を考慮しながらも、病院運営に求められる医療の提供と管理業務、さらに地域柄必要とされる駐車スペースという、それぞれの課題を解決するため、道路を挟んで隣接する2つの敷地を活用。機能の異なる2棟の建物と、来院者にとって利便性の高い駐車スペースを効果的に配置しました。

道路を挟んだ2つの敷地に建てられた新病院と職員棟。

POINT 2旧病院の問題を一掃し、医療の効率化を実現

旧病院の4フロア4病棟を、新病院では2フロア2病棟に構成。看護業務の効率化が実現。さらに、1階の外来部門は、職員スペースを中央に配置し、両サイドに整形外科と内科の診療・処置・検査スペースを配しました。こうすることで、職員動線も効率化。待合スペースも診療科目ごとに設置しています。また、3つの手術室は1フロアにまとめ、将来の医療進歩に対応できるように広い手術室空間を確保しました。これらにより、効率的な手術室運営が可能になり、大幅な手術件数増加が期待されます。

動線を考慮し、外来部門の中央部に配置した職員スペース。

POINT 3職員のモチベーション向上につながる職員棟

生活道路を挟んだ隣地に建てられた職員棟には、更衣室・職員食堂・会議室・託児所・事務室・管理職室などを配置。また、病棟と同一建物でないことから、患者様の目線を気にすることなく、ON・OFF の切り替えや職員相互のコミュニケーション深化もできることから、快適な職場づくりにもつながっています。

病院棟の南側の敷地に駐車場とともに建設した職員棟。シンプルなデザインの2階建ての建物です。

お客様の声

施設面の課題を解消し
業務の効率化と快適性を実現する新病院

医療法人社団 仁和会 神野病院
理事長 井上 圭介様(左)
理事・院長 日髙 康博様(右)

私たち医療法人社団 仁和会は、「心やすらぐ医療」をモットーに、1964年の開院以来、各世代の地域の皆様信頼される医療の提供に努めて参りました。特に、当院の中心である整形外科では、年間1,200件あまりの手術件数に対応しています。整形外科の研修指定病院でもあるため、毎日多くの救急の患者様が搬送されてきますが、可能な限り即日の手術に対応。内科においても、より低いリスクで早く回復していただけるよう、周術期の管理や慢性疾患のコントロールなど、協力体制を整えています。
現経営陣の私たちにとって、病院の建て替えは初めての経験でした。ですから、建設地の選定とともに頭を悩ませたのは「どこに建築を依頼するか」ということ。コスト面や工期など、経験がないだけに不安要素は少なくありませんでした。インターネットで情報収集し、数社へ打診したのですが、なかでも大和ハウス工業さんに興味を抱いたのは、特に資金調達の面。当法人はいままで、いわゆる「無借金経営」を続けてきており、資金調達においても漠然とした不安を抱いていたからです。同社が積極的に取り組まれている医療施設の“開発特化型ファンド”について、詳しく知りたいと思ったのがきっかけとなりました。結果的に、銀行融資を活用しましたが、建築コストに関するさまざまな不安や疑問に対し、親身になって対応していただいたのには感謝しています。

約50年の間に増改築を繰り返してきたため、いつしか患者様にとっても職員にとっても「使い勝手や居心地の良くない病院」となっていた建物を、すべてにおいて改善したいという思いが、今回ようやく実現しました。
病院機能については、「整形外科手術」「リハビリテーション」「外来(整形外科・内科)」「一般病床(103床)」それぞれが、5階建ての建物に効率よく配置することができ、患者様の快適性はもちろんのこと、職員の業務効率化に大きく貢献しています。また、旧病院が南北の向きに建っていたのに対し、新病院は東西配置となっています。屋内への採光の様子が大きく変わり、眺望も改善し、入院患者様から好評をいただいています。
今回、屋上へ設けたリハビリテーションガーデンも、旧病院にはなかった新たな試みであり、当院のリハビリ機能の強化につながっていくことを期待しています。職員棟についても、病院内とは異なる雰囲気の中で業務や休息の時間が過ごせ、各部門の職員から好評を博しています。
施設の一新を機に、当院では、「24時間対応型の整形外科」と「地域に寄り添う内科」という特徴をさらに充実・発展させていかねばならないと考えています。そのために必要なのは、市内外の医療機関との連携をさらに深めていくこと。病棟の快適性向上や施設の充実を受け、ご紹介いただくケースも徐々に増加しています将来的には、一般病棟の一部を回復期リハビリテーション病棟へ転換することも視野に入れ、体制強化等を図っていきたいと考えています。

病室を東西面に配置することで、病室の向きによる日当たりの差が少なくなっています。なお、朝日と夕日の直射日光は遮光カーテンによって低減させています。

病室を東西面に配置することで、病室の向きによる日当たりの差が少なくなっています。なお、朝日と夕日の直射日光は遮光カーテンによって低減させています。

ナースステーションは、病棟の中央部に配置。安心・安全に配慮した見守りを可能としています。

術後間もない患者様の様子を、経過観察できるよう、一部の個室はガラス張りになっています。

各機器が機能的かつ効率的に配置された2階のリハビリテーションルーム。旧病院に比べ、スペースもかなり広めにとられています。

各機器が機能的かつ効率的に配置された2階のリハビリテーションルーム。旧病院に比べ、スペースもかなり広めにとられています。

屋上を活用して配置したリハビリテーションガーデンにより、さらに機能強化を図ることができました。

屋上を活用して配置したリハビリテーションガーデンにより、さらに機能強化を図ることができました。

1フロアに集約された整形外科の3つの手術室。将来のロボット手術、ナビゲーション手術にも対応できる広い空間を確保しました。

1フロアに集約された整形外科の3つの手術室。将来のロボット手術、ナビゲーション手術にも対応できる広い空間を確保しました。

1フロアに集約された整形外科の3つの手術室。将来のロボット手術、ナビゲーション手術にも対応できる広い空間を確保しました。

建物の西側にあたる内科の待合スペース。明るく、外の風景も楽しめることから、待ち時間に対する問い合わせも少なくなりました。

吹き抜けにより、開放感ある明るい空間となった受付スペース。

明るい食堂談話スペースは、患者様からも人気で、絶えず多くの方で賑わっています。

館内のサインや照明一つひとつにこだわりを持ち、デザイン性の高いものを採用。施設らしさを抑え、来院者の安らぎを提供しています。

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