2012年度に病気やけがの治療で医療機関に支払われた国民医療費が、前年度比1.6%増の39兆2117億円だったと、厚生労働省が発表した。1人当たりの国民医療費は1.9%増の30万7500円で、いずれも6年連続で過去最高を更新した。高齢化が進んだためと同省では見ている。
65歳以上の高齢者の国民医療費は22兆860億円に上り、全体の56.3%で、1人当たりでは71万7200円。65歳未満では17万7100円で、約4倍の開きがある。
疾病別では、高血圧症など「循環器系の疾患」が5兆7973億円で最も多く、がんなどの「新生物」が3兆8120億円、リウマチなど「筋骨格系と結合組織の疾患」が2兆1647億円、肺炎などの「呼吸器系の疾患」が2兆1507億円と続く。
国民医療費が賄われている財源別では、保険料が19兆1203億円で全体の半分。国と地方自治体の公費が15兆1459億円、患者負担は4兆6619億円だった。