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病院・老健の施設建設費、平方メートル単価は上昇傾向/福祉医療機構

福祉医療機構では毎年度、同機構のデータを用い、ユニット型特別養護老人ホーム、保育所、病院、介護老人保健施設における建設費などについて取りまとめており、この度2016年度の状況について取りまとめた結果を公表した。

医療施設の平方メートル単価は、前年度に引き続き上昇傾向にあり、16年度の平方メートル単価は、病院が346千円(前年度比45千円増)、介護老人保健施設が291千円(同比22千円増)だった。定員1人当たりの建設費は、医療施設では増加の傾向にあったが、いずれの施設においても依然として高い水準にあることに変わりなく、病院は17,468千円、介護老人保健施設は13,477千円だった。

建設費高騰の要因の1つに東日本大震災の復興需要があったが、東北における建築着工床面積は減少傾向にあり、東北の建設費は平均を下回った。一方、首都圏を中心に20年開催のオリンピック・パラリンピックに向けた工事や再開発による建設需要は依然として高いことから、16年度の建設費が上昇したと考えられる。

病院および老健における平方メートル単価は2011年度を底に、以降上昇を続け16年度は上昇後最も高い数値となった。これには、建設費の水準が高い首都圏のサンプルが増加しており、このことが全体平均を押し上げたと考えられている。

事業者の施設整備の負担は以前に比べて増していることが推察。さらに、老健以外の施設では1人当たり面積が減少傾向にあるにも関わらず、1人当たり建設費は上昇傾向にあったことから、面積のコントロールによるトータルコストの抑制には限界があり、また、質の担保を図る点からも困難だといえる。

高齢者や子どもの減少による将来的な需要低下に備える点から、用途の変更などにも柔軟に対応できるような施設整備の視点も、今後ますます必要となることが考えられる。

 

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