各都道府県が2025年の医療提供体制を示す「地域医療構想」で、全国の入院ベッド(病床)数が2013年の約134万床から11.6%減少すると推計していることが分かった。現場の医療ニーズに合わない病床を是正するためで、慢性疾患を抱える高齢の入院患者についても在宅医療への切り替えを促すこととなる。
推計結果によると、25年時点の必要病床は全国で計119万779床(13年比15万6118床減)。41道府県で病床を約1~35%削減する必要がある。削減率が最も大きいのは鹿児島県で34.9%。一方、首都圏の埼玉、千葉、東京、神奈川の4都県と大阪府、沖縄県は増床する。病床機能別の医療構想をみると、高度急性期と急性期、慢性期を減らし、回復期を増やす自治体が多い。
また、入院に代わって高齢者を支える在宅医療の25年時点の必要量も推計。介護サービスを含む在宅医療を受ける患者数は計約177万人で、13年より約60万人増える見込みとなった。
各都道府県は今後、病院や医師会、市町村などと協議に入る。病床削減は、医療費削減を目指す国の意向に沿ったものだが、病院経営者や高齢者らの反発が予想される。