健康保険組合連合会(健保連)は、大企業の従業員と家族が加入する健保組合の2018年度予算に関する集計結果を発表。平均の保険料率は9.215%と11年連続で増え、過去最高を更新した。これは、高齢者医療費に充てる拠出金が高止まりし、料率を引き上げる組合が相次いだためで、この傾向は今後も続く見通しとされ、現役世代の負担増は避けられそうにない。
集計は、回答のあった1372組合のデータを基に、全1389組合の推計値を算出。経常収入は前年度比2.1%増の8兆2,195億円。雇用状況の改善で、被保険者が約23万3600人増えたことが要因とみられる。支出はほぼ横ばいの8兆3,576億円。うち41.8%を占めたのが高齢者医療などの拠出金で3兆4,925億円となった。前年度から1.2%減ったものの高齢者の増加に伴い、高止まり傾向となっている。経常赤字は1381億円を見込んだ。
各健保のうち赤字になったのは、全体の62.3%に当たる866組合。保険料率が中小企業社員らで構成する「協会けんぽ」の平均料率は10.0%以上となり、自前で運営する必要が薄れ、解散が危ぶまれる健保は313組合だった。
こうした結果を受け、健保連は「国民皆保険制度が持たなくなる」とし、高齢者の医療費の窓口負担引き上げなどを含む抜本改革を政府に求めた。