政府は、65歳以上の高齢者人口がピークを迎える2040年度時点の社会保障給付費が最大190兆円に達するとの試算結果を経済財政諮問会議にて公表。高齢者の年金・医療・介護費用が大幅に伸びるのが原因で、18年度(121兆3000億円)の約1.6倍に膨らむことになる。試算は、現状レベルの経済成長に基づく「ベースラインケース」を想定し、医療・介護費の適正化で生じる入院患者数減少などの予測データも織り込んだ。
必要とされる財源を確保するには、税金や社会保険料の大幅な引き上げが避けられず、政府は消費税増税を含む「給付と負担」の見直しに向けた議論を加速させたい考えだ。
40年度時点の社会保障費の分野別の内訳は、年金が18年度の約1.3倍となる73兆2,000億円、医療が約1.7倍の66兆7,000億円、介護は約2.4倍の25兆8,000億円。一方、子ども・子育ては約1.7倍13兆1,000億円、生活保護などは約1.4倍の9兆4,000億円。全体に占める金額が最も大きいのは年金で、伸び率は介護がトップだった。
社会保障費を賄う公費は最大で18年度の約1.7倍となる80兆3000億円、保険料は最大で約1.5倍の107兆円がそれぞれ必要と見込まれる。このほか、年金の積立金なども充当する。
また、団塊の世代がすべて75歳以上になる25年度時点の試算も行われ、社会保障費は全体で18年度の約1.2倍の140兆円程度となる見通しが示された。