厚生労働省は、2025年度時点で介護職員が約33.7万人足りなくなるとの推計を発表した。必要職員数は約244.7万人。これに対して、今後人材確保に取り組まなかった場合、約211万人にとどまる。また、必要な人数に対して実際に何人が働いているかを示す充足率は、20年度の94.2%から25年度は86.2%に下がる。
推計は全国の市町村の介護サービス見込み量に基づき算出。16年度時点の職員数は約190万人で、団塊の世代がすべて75歳以上になる25年度までに新たに約54.7万人確保する必要がある。厚生労働省は職員給与を引き上げるなどしてきたが、慢性的な人手不足は続く見通しだ。
25年度に推計される充足率を都道府県別に見ると、最も低いのは福島と千葉の74.1%で、京都の79.3%が続いた。最も高いのは山梨の96.6%。主に都市部での不足が目立つ他、福島では東日本大震災による長期の避難生活の影響から、介護需要が高まることが予想される。
厚労省はこれまで、介護職員の平均給与を1人当たり月5.7万円相当積み増しており、19年10月の消費税増税分の一部もさらなる給与アップに充てる方針。また、外国人材の活用に加え、介護ロボットの導入による負担軽減に努める。