2019年度より医療機関を受診する75歳以上の後期高齢者の窓口負担を1割から2割に引き上げる案について、政府・与党は20年度以降に先送りする方針を固めた。19年10月に予定している消費税率10%への引き上げを考慮。21年度までの間で引き続き検討する見通しとなった。
政府は6月に閣議決定する経済財政運営の基本指針「骨太の方針」に、新たな財政健全化計画を盛り込む予定で、75歳以上の窓口負担引き上げについても、こうした方向性を示す。
政府は現在、社会保障改革の工程表で、18年度中に75歳以上の窓口負担の在り方について結論を得ることを明記。70~74歳については14年度から段階的に2割に引き上げており、18年度中に完了する。財務省は、74歳から75歳になっても2割負担に据え置くとともに、すでに75歳以上の高齢者は段階的に引き上げる案を示している。
ただ、政府内には消費税増税と「同年度に医療負担引き上げを一緒に行うのは不可能だ」との意見が強い。さらに来年夏に控える参院選への影響も必至とみられる。
このため政府は75歳以上に関し、今年度中の結論取りまとめを行わず、新たに策定する財政健全化計画では、「団塊の世代」が後期高齢者になり始める22年度より前に結論を得るとした検討課題に位置付ける方向。今後、与党内の議論を踏まえて正式決定する。