ウォークインクローゼットに必要な広さって決まりがあるの？

新築時に人気の高いウォークインクローゼットですが、収納力を考えると何帖くらい必要だと思いますか？

もちろん広ければ収納力もアップしますが、ウォークインクローゼットを広くして部屋が狭くなっては本末転倒。家全体のバランスを考える必要があります。今回は、Team-xevoの一級建築士・富田綾子が、ウォークインクローゼットの広さを決めるポイントについてお答えします。

■ ウォークインクローゼットが人気な理由

ウォークインクローゼットが人気の理由は、家の中で片付かないナンバーワンが「衣類」だからではないでしょうか。１箇所に衣類を収納しきれず、収納場所が点在することもしばしば。おかげで、自分がどんな洋服を持っていたか忘れてしまい、毎シーズン同じような洋服を買ってしまう、なんて経験ありませんか？そこで、衣類の収納で心掛けたいのが「一括管理」。そして、一括管理に便利な収納がウォークインクローゼットというわけです。

■ 衣類の収納方法はたった２種類

一括管理と合わせて考えたいのが収納方法です。衣類の収納方法は、「かける」「たたむ」のたった２種類。そして、収納方法がラクなのはどちら？と質問すると、多くの方が「かける」収納だと答えます。なので、ウォークインクローゼットを設けるときは収納方法がラクな、「かける」を意識した空間をつくりましょう。

■ ウォークインクローゼットのポイント①　空間を使い切ります！

今回のテーマはウォークインクローゼットの広さですが、広さを気にされる方よりウォークインクローゼットが「あればいい」という方が多い感があります（広さまで気にされる方は収納意識が高い方です！）。確かに、使用する前にウォークインクローゼットが使いやすいかどうかなんて分かりにくいかもしれません。でも、ウォークインインクローゼットがあればいいというわけではありません。ウォークインクローゼットに限らずですが、空間は「使い切る」ことが大切です。

■ ウォークインクローゼットのポイント②　かける収納を増やします

では、収納空間が使い切れているかチェックしてみましょう。

まず、「枕棚」（ハンガーパイプ上の棚）。正直手が届きにくいので、日頃使わないものを積み上げたままにしていませんか？積み上げただけなので取り出しにくく、使い勝手が悪いとお感じではないでしょうか。

次はハンガーパイプです。収納がラクなハンガーパイプに洋服をかけすぎて、いざという時洋服が取り出しにくくなっていませんか？ハンガーパイプにかけた洋服の下は、洋服の丈がバラバラで無駄な空間がありませんか？

それが、いわゆる「空間を使いこなせてない」状況なのです。

そこで、収納方法がラクな「かける」を意識した収納空間を提案したいと思います。通常の収納はハンガーパイプが１本ですが、ダイワハウスでは枕棚を無くし、ハンガーパイプを上下２段にして「かける」収納を多くしたクローゼットを提案しています。

■ ウォークインクローゼットのポイント③　衣替えは簡単に。日頃の習慣を見直してみよう

「かける」収納を増やすことで、空間を使い切ることができます。でも、上段のハンガーパイプは位置が高くて使いこなせない、と思う方もいらっしゃると思います。そこで、上段のハンガーパイプを生かした「面倒な衣替え」の対策を提案します。少し届きにくい上段をオフシーズン、使い勝手のよい下段をオンシーズン用として使います。衣替えは、季節の変わり目に上下段の洋服を掛けかえるだけ。オールシーズンの洋服を管理できるので、よけいな洋服の買い足しも防げます。また、最近はオールシーズン着ることができる素材も増えてきたので、実は、衣替えが不要な洋服もありますよね。

■ ウォークインクローゼットのポイント④　実はウォークインクローゼットが無くても大丈夫！

もうお気づきだと思いますが、空間を使いこなせばウォークインクローゼットでなくても衣類の収納はきっちりできます。そのポイントは「かける」収納。ウォークインクローゼットであれ、普通のクローゼットであれ、ポイントは「かける」を意識して空間を使い切ることです。加えて、ハンガーパイプの位置が動かせると、より使い勝手がよい空間になります。例えば、ワンピースが流行すると長いモノを収納する場所が多く必要になります。洋服の丈に合わせてハンガーパイプの位置が変更できれば、無駄なスペースを作らず空間を使いきることができます。


いかがでしたでしょうか。ウォークインクローゼットは広さも大切ですが、空間を使い切ることがポイントでした。今のお住まいにウォークインクローゼットがなくても、空間を使いこなせば収納量が確保できそうですね。

次回は、引き続き富田綾子が「それでもウォークインクローゼットにするメリット」をお答えします。