きれいな緑色の芝生の庭に寝転んで空を見上げてみたい!そんな憧れはあるけど、芝生は管理が大変そう…と思っていませんか?コツをつかんでお手入れをすれば、芝生は美しくみずみずしく育ち、わが家の庭の景観をぐんと引き立ててくれます。
今回は天然芝との付き合い方をご紹介します。
【1】芝生の良さを教えて!
お子さまが安心・安全に遊べます
芝生の上を裸足で歩くと、最初はチクチク感じるかもしれませんが、いつの間にか気持ち良くなって走り回れるようになります。コンクリートなどに比べて転んだ時の痛みが軽減され、けがをしにくいのも芝生のメリットです。
庭の楽しみ方が広がります
ガーデンチェアを出して読書をしたり、友人たちを呼んでバーベキューをしたり。テントを張ってキャンプ気分を味わうこともできます。芝生は庭のさまざまな楽しみを運んでくれるでしょう。(※人工芝は火気厳禁なので、バーベキューは天然芝に限られます)
環境を整える効果があります
庭に芝生を張ると太陽光の照り返しが減り、夏の暑さが和らぎます。また夕方に水をまくことで、温度が下がり、涼しくなります。
さらに、CO2の吸収固定、土壌中のカドミウムの除去、排ガスの吸収など、環境を浄化するさまざまな力も備えています。それらを吸収しても、刈ることですぐ除去し、リフレッシュできるのもうれしいですね。
【2】芝生ってどんな植物?
牧場や放牧地で牛や馬、ヤギ、ヒツジなどの家畜が食べていた草が芝のルーツです。家畜はいつも地上部の草を食べるため、普通の植物は繁殖できません。ところが、地面や地中で成長できる「ほふく茎」をもつ芝は生き残ります。次第に普通の植物は淘汰され、背の低い芝が絨毯のように密集して生えている状態になり、この状態を「芝生」と呼ぶようになりました。
庭に取り入れることで暮らしの楽しみが広がることはもちろん、家の周りの温度を下げて夏の暑さを和らげるという機能的な面からも人気を呼び、「芝生」は広く普及していきました。
【3】芝生はどんなお手入れが必要なの?
─ お手入れのスケジュール ─
① 水やり
芝生はとっても水が好き。土の中までたっぷりと染み込ませるのがコツです。芝生の様子や天候を見ながら、適度な水分量に調節しましょう。
まく水の量は、芝生1m2あたり10~20リットルが目安です。一般的なホース(13mm管)で蛇口を全開にして約1分間散水する量に相当します。
水やりの頻度と時間帯
【春】晴天が4~5日続いたらまく。
【夏】晴天が2~3日続いたらまく。夕方まくと、家の周囲の気温が下がって涼しくなります。
【秋・冬】月1~2回程度。夕方にまくと朝方凍結の危険があるので、午前中に。
〈注意〉軒下など水がかかりにくい場所には、しっかり水をまきましょう。
② 刈り込み
刈り込みは美しくイキイキした芝生を育てるのに欠かせない作業です。刈り込むほど目が詰まり、美しい芝に育ちます。同時に、土の中ではしっかり根が張って、雑草が生えにくくなる効果も。季節や生育状況を見て、適切に刈り込みましょう。
刈り込みの頻度
【4・5・10月】月に1回。【6~9月】月に2回以上。【11~3月】刈り込みは不要。
使用する道具
芝刈り機 … 電動タイプと手動タイプがあります。
芝生バリカン … 手軽にお手入れができ、便利です。
芝生ばさみ … 壁際・塀際などに残った長い芝をカットします。
刈り込み方のコツ
- 1 春・秋は2~3cm、夏は2cmに刈る
- 2 芝刈り機の故障を防ぐため、芝生内の石を取り除き、乾いた状態で刈る
- 3 刈りムラがないよう、刈る向きを毎回変える
〈注意〉5~6cmほどに伸びたタイミングで刈り込みます。伸ばし過ぎないように日々チェックしましょう。伸ばし過ぎた場合、急に短く刈ると枯れてしまうことも。数回に分けて刈りましょう。
③ 雑草取り・病害虫対策
芝生の美しさを損なう雑草は、放置するとどんどん増えてしまいます。目についたらすぐ、除草フォークを使って根こそぎ抜きましょう。健康で美しい芝のため、害虫や病気にも注意が必要です。
雑草取り
一年生の雑草はその年のうちに枯れますが、種からまた芽が出るので、実をつける前に抜きましょう。多年生の雑草は、根を残すとまたそこから生えてきます。手作業での駆除が困難なものは、除草剤の使用も検討しましょう。
害虫と対策
シバツトガ、スジキリヨトウ、コガネムシ(スジコガネ)は芝生の三大害虫と言われています。それぞれの専用薬剤は、ホームセンターなどで販売されています。
【シバツトガ】幼虫が芝生の新芽を食べたり、芝生を枯らしたりします。カルホス乳剤、ダイアジノン乳剤を使用します。
【スジキリヨトウ】夜に活動し、幼虫が芝生の葉や根を食べてしまいます。ダイアジノン乳剤、デュプテレクス乳剤を使用します。
【コガネムシ】幼虫が根を食べます。成虫は芝生に穴をあけて卵を産みます。カルホス乳剤、スミチオン乳剤を使用します。
病気と対策
【葉腐病】芝が赤褐色~茶褐色に変色します。中心部が裸地化することも。
【カーブラリア葉枯病】黒褐色のパッチが生じ、中心部が枯れてしまうことも。
④ メンテナンス
芝生がずっと元気でいられるように、さまざまなメンテナンス方法をご紹介します。病気の予防にもなるとても大事な作業です。
肥料の施し方
芝生が伸びる4~8月頃に普通化成肥料を30~50g/1m2(一握り程度)与えましょう。窒素・リン酸・カリウムをバランスよく与えるのが基本です。肥料やりの後は水をたっぷり(夏場は夕方に)やりましょう。
目土入れ
芝生に凸凹ができた時、凹んだ部分を剥がし、土を入れて平らにする作業です。凹みが小さければ、芝生の上からふるいで凹み全体に土をかける「目土かけ」をしましょう。ただし、葉が埋まってしまうと光合成ができず枯れてしまうので、土のかけすぎには注意しましょう。
エアレーション(穴あけ作業)
成長するにつれ根が混み合ったり、踏まれて土が固くなったりすることで、通気性が悪くなり、芝生が弱ってきます。ローンスパイクで穴をあけ、土に空気を入れて芝生を元気に維持しましょう。
サッチかき
枯れた芝を「サッチ」といいます。放置するとカビやキノコの発生源になるので、レーキや熊手などで取り除きましょう。
追い張り
芝生が部分的に黄色く変色した場合は、必要な広さの芝生を買い、変色部分と同じ大きさに切って張ります。目土と水をやり、上から軽く踏みます。
※芝生は生き物であり、地域におけるその年の寒暖・降雨量・日照などの自然条件や土壌・植栽場所などにより、適切なお手入れにもかかわらず枯れてしまう場合があります。お手入れの時期や方法なども環境の変化により、ここに記載した手順・内容では対応できない場合があります。
Enjoy Garden life!
愛情をもってこまめにお手入れすれば、芝生はきっと元気を保って庭の景色を彩ってくれるはず。
ご家族で役割分担しながら取り組んでみませんか。
※掲載の情報は2018年3月現在のものです。
ダイワハウスの分譲地「セキュレア」では、「裸足になれる場所がある、暮らし」をコンセプトに、丈夫な品種の芝生「ハダシバフ」を提案している物件もあります。