「ママだけどガールだもん♪おしゃれも子育ても楽しんでいこうよ」
―― そんなコンセプトで今どきの新米ママにスポットを当てた新感覚の雑誌『mamagirl』。
2012年の創刊から編集長を務め大ヒットを飛ばし、
現在はWEB編集長兼・ブランドディレクターとして活躍する馬場 麻子さんに、
mamagirl的な理想のリラックス空間を聞いてみました。
ママが笑顔なら、家族も笑顔に
――「mamagirl」の創刊のきっかけは?
女性に人気の有名人の出産ブームがきっかけです。「結婚して出産してもおしゃれを楽しみたい、ファッションも楽しみたい」と考える女性が増えてきました。でも子育て中の女性向け雑誌は、いわゆる育児雑誌や主婦向けの家事雑誌が中心で、ほかにはセレブママ向けがあるだけでした。実用的な情報だけでは気分は上がらないし、高価すぎるアイテムにはなかなか手が届きません。
そこで情報感度の高い中間層のママに向けたライフスタイル誌を考案したのです。当初は臨時増刊でしたが、第1号から大きな反響があり、季刊誌として独立創刊することになりました。
馬場麻子 / mamagirl WEB編集長兼・ブランドディレクター 2004年「Popteen」編集長に就任。益若つばさ、押切もえ、ローラ、鈴木奈々などの人気読者モデルを輩出。 2012年「mamagirl」創刊に伴い編集長に就任。ママになってもトレンドやオシャレに関心が高く、いつまでも可愛くいたい、そんな新ジャンル「ママ女子」のコミュニティをつくりあげた。
間接照明やスタンドの光、床・壁の木質感でやわらかさを演出した主寝室。屋根形状を生かした勾配天井が空間に楽しい変化をつくると同時に枕元の天井高が低めに抑えられることで独特の籠り感が生まれ、安眠を促す。
(ダイワハウス「青葉の森展示場」千葉市)
―― mamagirl世代が家に求めるリラックス空間とは?
読者は0歳児からの子育てをしているママが中心。正直、なかなか心からリラックスできる時間が取れない時期ですよね(笑)。私自身もそうでしたが、子どもがお昼寝中や夜、眠ったあとの時間をフルに活かしています。
くつろぐために求めるのは、天井が高くて明るく開放感があるリビングですね。ただし、単にソファのセットとテレビが置かれているというリビングではなく、家族や自分が気分に合わせて自由に使えるいろいろなコーナーが大きな空間に集まっている、という感じが好き。家族は常に一緒にいて、同じことをしなければいけない、とは考えていません。
今、私の子どもは小学校低学年で読者の子どもに比べると大きいのですが、協力しつつ、互いのやりたいことを尊重するというスタイルで過ごしています。それができるリビングだとリラックスできますね。
―― リビング以外でmamagirl読者に人気のリラックス空間はありますか?
テラスやバルコニーかな。お友達を呼んでバーベキューをしたりお茶を飲んだり。夏なら子どものプール遊びもできる。そんなアウトドア空間を楽しむのがトレンドです。その場合、リビングやダイニングとフラットにつながっていると使いやすい。部屋の中と外がひとつになった広い空間ができますからね。
―― 家事のしやすさはママにとって必須の存在ですよね?
その通り!時短はママの重要ワード。時間をうまく使いこなさないと、仕事や家事、育児をしながらさらに、おしゃれを楽しむことはできません。たとえばフェイスパックをする10分間で掃除機を掛けるとか(笑)。通勤中にレシピサイトで献立を決め、ネットショップでトレンド服を買い、ポイントまでGETして。泣けるほど時間のやりくりしていますよ。
だから、家事まわりは本当にやりやすくしたくて、キッチンに食洗機は必須。洗濯の動線も大事。洗って、干して、取り込んで、アイロンを掛ける一連の行動が家の中をあちこち移動せずに一カ所でできるのが理想です。だから専用のユーティリティスペースがお風呂や洗面の近くにあるといいですね。
それに機能的でありつつ、生活感は出したくない。水まわりは特にホテルライクなすっきりとしたコーディネートがお気に入りです。
〈上〉寝室の外に設けた広いバルコニー。「朝、ここでコーヒーを飲むのもいい!」と馬場さん。外部空間を連続させると使い勝手のいいスペースが生まれ、家で過ごす時間が充実するだけでなく、室内にも畳数以上の広がりが生まれる。
(ダイワハウス「西展示場」宇都宮市)
〈下〉洗ったものを干し、たたんで、必要なものにはアイロン掛けるという一連の作業ができる「ファミリーユーティリティ」があると時短につながる。馬場さんも「ほしいスペース。洗濯物をどこかに持っていって畳むのは面倒だから」と気に入った様子。
(ダイワハウス「青葉の森展示場」千葉市)
〈上〉ダイワハウスのカタログを見ながら、リラックス空間を語る馬場さん。
〈中〉一日の疲れを取るベッドルームに欲しいのはやわらかな空気感。木やタイルなどの自然素材には独特の質感があり、ベージュ系の色は心を穏やかにしてくれる。寝室の場所と広さを決めて終わりにするのではなく、設計の早い段階でインテリアを含めて考えておきたい。
(ダイワハウス「本所吾妻橋展示場」東京都墨田区)
〈下〉ママ専用のコーナーがあると、家事から離れてリフレッシュする時間を楽しむことができる。間取りを決めるときは、家族それぞれが自分の時間を持てる場所を一緒に計画してみては?
(ダイワハウス「青葉の森展示場」千葉市)
―― リラックスするためのインテリアへのこだわりは?
強いと思います。部屋のカラーや素材もシンプルな方が落ち着けます。家電もおしゃれなデザインを選び、季節に合わせたディスプレイを楽しみたい。DIY好きや、小物を買いそろえてカフェ風にする読者も多いんですよ。
最初からすべて作り込まれているよりも、間取りや空間などベースはきちんとあるけれど、後から自分で壁の色や、クッション、カーテンなどを変えたり、好きなものを飾ったりしてアレンジできるようにしたい。インテリアもファッションのように、そのときの気分で変えながら丁寧に暮らしたいと思っています。
―― 趣味を楽しむ時間=リラックスの時間という人も多いのでは?
そうですね。アクセサリーや小物を作っているママも多いので、作業中でも出しっぱなしにしておける専用スペースがお家にあると便利なのでは?作業のたびに片付けて、また広げるのでは大変。小さなコーナーでも構いません。みんな自分で撮影するからできればそこに自然光が入るといいですね。
―― 自然光が重要なポイントでしょうか?
ほとんどのママがSNSを楽しんでいます。みんな写真がどんどん上手になって、それに合わせて理想的な撮影場所を求めているんです。住まいの中に自然光が入る専用のミニスタジオがあると、SNS映えする一枚が撮れるでしょう?
―― なるほど。今どきママならではのスペースですね。
mamagirl読者にとってのリラックス空間というのは、単にのんびりする場所というのではなくて自分らしくいられる場所なのだと思います。動線や収納の工夫があって時短ができることはもちろん。その上で自分の好きなことを楽しめる場所がたくさんある。そんな住まいが理想だと思います。私もそんな空間を作りたくていろいろ妄想して楽しんでます!
【馬場さんpresents】 リラックス空間のエレメント3
① 家族それぞれにフレキシブルに使えること
家族が揃ってテレビを見る時間は減ってきています。「ダイニング」「リビング」と限定せず、居心地のいい大きな空間の中に、家族それぞれがいろいろな過ごし方ができるコーナーがあるのが理想です。(馬場さん)
② 外とつながり、気軽にアウトドアが楽しめること
大きな窓越しの景色が目に入る。テラスやベランダに気軽に出られる。外用の靴に履き替えて地面に降りるのではなく、フラットに床が続き、深い軒があって雨がかからないような「心理的な出やすさ」も大事。(馬場さん)
③ 動線に工夫があり、家事もおしゃれも時短で
忙しいママにとって「時短」はリラックスして過ごすための最大のテーマ。家事動線や出かける前の身支度の動線がシンプルで、家中を移動しなくていいことが大切。家事の効率も上がるアイテムをキレイに並べると、気分が上がって、お家時間が楽しくなりそう。(馬場さん)
ダイワハウスが手がけたリラックス空間
バルコニーでリラックスできる寝室
大きな2面の掃き出し窓の外に大きなバルコニーが!お茶を飲んだり、風を感じたりすることもできます。夜は天井のダウンライトがカーテンを照らし、落ち着いた雰囲気をつくります。
すべて見渡せる広いクローゼット
どこに何があるか、一目で見渡せるウォークインクローゼットがある寝室。服や小物を選びやすいからお出かけの支度に無駄な時間は使いません。洗面スペースも連続しています。
迫力のサラウンドで楽しむ映画
プロジェクターを備え付けた主寝室は、足下にスクリーンが下りてくる仕様に。映画館のような大迫力の5.1chサウンドシステムで、横になりながら好きな映画を楽しむことができます。
mamagirlとは?
雑誌「mamagirl(ママガール)」はママ向けのファッション&ライフスタイル誌。また、8月末にWEBがリニューアル。「出るモデルも書くライターもママ」をコンセプトにぶっちゃけネタをお届け。年4回(2月・5月・8月・11月)28日に発売。
mamagirl webサイトはこちら!
https://mamagirl.jp/
[STAFF]Photo:Hisai Kobayashi/Text:Arata Sakai