子ども時代の「あそび」は成長に大きな影響を与えています。
今回はあそびが育む力と、家庭でもできるあそびについて、
子どもたちの育ちとあそびを長年にわたり見つめ続けてきた
ボーネルンドにアドバイスをいただきました。
AIの進歩により変わりゆく現代社会。教育の現場にも改革の波が押し寄せ、2020年には大学入試と高校の教育カリキュラムを中心とした教育制度改革が実施されます。主体性や多様性、協働性を重視し、従来の受け身型の授業から、子どもたち自ら能動的に授業に参加する「アクティブ・ラーニング」が全教科に導入される予定です。21世紀を生きる子どもたちにとって、自分で課題を見つけ、解決策を考える力は不可欠と言えます。
そんな「自分の頭で考え、行動する力」の土台は、幼少期の「あそび」の経験によって養われていきます。あそびとは子どもが自発的に興味を持ち行う体験を言い、ゲームなど受動的に物事が進む「娯楽」とは異なります。「不思議だな?」という探究心や、「やってみたい!」という好奇心を入り口に、自ら体を動かし、新しい経験や発見を重ねることこそが、あそびなのです。個々の主体性に加え、子どもたち同士でのあそびを通して、他者の立場を理解するコミュニケーション能力も発達します。あそびは子どもたちの成長に欠かせないものなのです。
近年、問題となっている子どもの学力と体力低下の根本には、幼少期のあそび不足があると考えられます。楽しく体を動かす経験を重ねることで、運動能力が発達し、危険を回避する能力も身につき、けがをしにくくなります。たっぷり遊べばお腹も減り、よく食べ、よく眠る望ましい生活サイクルができるでしょう。体を動かすあそびに加え、表現するあそびや創造するあそびなど「こころ・頭・からだ」をつかった多様なあそびの経験によって、豊かな感情や感性、思考力も育っていきます。
成長とともに子どもたちの興味や関心は変化していくものです。それぞれの能力や発達に応じてあそび道具やあそび方を教えてあげてください。大切なのは、子どもをよく観察し、コミュニケーションをとること。無理な背伸びはさせず、子どもが自分らしく楽しめるように遊ばせうまくできたときは褒めてあげ、親子で達成感を共有しましょう。
核家族で育ち、子どもとのあそび方が分からないといった悩みを抱える親も少なくありません。共働きで家庭にいる時間が少ない場合でも、子どもとしっかり向き合う時間を毎日少しでもつくりましょう。子どもの目線に立って真剣に遊んだり、あそび感覚で家事を手伝わせたりすることで親子の絆が育まれ、子どもの成長にもつながります。
遊具無しでもできるあそびはたくさんあります。体を動かしながら、親子でスキンシップもとれますよ。
投げたり蹴ったり、腕や足に挟んだり、ボールの使い方はいろいろ。さまざまなポーズやあそび方を試してみてください。
株式会社 ボーネルンド
「あそぶことは生きること」を提唱し、子どものあそびと成長について研究と実践を重ねてきました。公園や幼稚園・保育園・小学校などの屋内外の遊び場づくり、親子が自由に遊べる室内あそび場「キドキド」の全国展開、世界中のあそび道具の販売など、あそびを通して子どもの健やかな成長を応援する事業を行っています。
2017年5月現在の情報となります。