もしも子どもと離れている時に災害が起こったら?
慌てず行動するには、親と子それぞれの心構えが重要です。
普段から家庭で防災意識を高めるコツについて、
危機管理アドバイザーの国崎 信江さんに伺いました。
災害に備えて非常用持出袋を用意しているご家庭は多いでしょう。しかし、災害が起こった時、やっと持ち出した非常袋の中身が使えないものばかりでは意味がありません。きちんと準備するためにも、「おうちDEキャンプ」で被災生活を体験してみることをおすすめします。自宅で電気、ガスや水などのライフラインを使わずに一日生活してみて、非常時に必要なものとそうでないものを洗い出す。自分たちで考えることにより、家族の防災意識が高まります。“気づき”が意識の向上につながるのです。ライフラインを使わない生活を一度経験すれば、突然の停電や断水で動揺することもなくなるでしょう。
また、家族で「地震が起きたら何が困る?」などと普段から話し合いましょう。子どもと一緒にそれぞれが心配だと思うことを出し合ってその不安を解決する方法を考え、“わが家の防災マニュアル”を作っておくと良いです。家族と防災について会話することで記憶に残りやすく、一人ひとりの理解も深まります。
子どもへの防災教育には、環境が一番重要です。“防災が当たり前”の環境を作っておけば、面倒くさがらず日常として防災意識がもてるでしょう。地域の防災センターを家族で見学するのもおすすめ。地震、風水害の体験や、消火訓練ができるところもあります。体験によって子ども自らに関心をもたせ、“気づき”を得てもらうことが大切ですね。
災害に対して不安意識をもっている人の多くは防災の知識がない人。本を読んで災害について知る、災害について考えることも、防災への第一歩になります。私個人の意見ですが、防災に関する本は人生で3冊は読んでいただきたいですね。被災された人の手記や対策本などジャンルが違うものを選ぶと良いでしょう。
災害はとても怖いものです。とはいえ、悲惨なことを想定しながら行う防災は気分も落ち込んで長続きしません。体験したことや考えたことは必ず防災の力になるので、無理なく、家族の生活に防災意識を定着させていきましょう。
BOUSAI
親子でできる災害への準備
朝から夜までライフラインをすべて止めて生活をしてみましょう。家にあるものを工夫して使い、「ないと困る」と感じたものをそろえていくと、本当に必要な防災グッズが準備できます。例えば災害時は懐中電灯より、両手が空くヘッドライトの方が便利だ、などと気づきが得られます。
自宅に備えている防災グッズをリストアップし、子どもと共有しておきましょう。災害時に必ず親子が一緒にいられるとは限りません。子どもだけでも動けるように使えるものをリストアップして準備し、実際に使う練習をしておくと、いざという時に役立ちます。
子どもに災害への関心をもたせるには、防災センターがおすすめです。さまざまな災害時の体験ができるので、興味をもって勉強することができます。普段の生活から防災を当たり前のものとして接することで、意識の向上につながります。
子どもにスマートフォンを持たせている家庭も多いでしょう。現在はさまざまな防災アプリがリリースされています。近くの避難場所がわかるアプリや自分の位置情報を発信するアプリなど、災害時に役立つ防災アプリを家族全員のスマートフォンに入れておくと安心です。
2019年6月現在の情報となります。