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TOPICS 大和ハウスグループのサステナビリティレポート2018の“見どころ”と“専門家の評価”

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大和ハウスグループのサステナビリティレポート2018の“見どころ”と“専門家の評価”

2020.12.11改訂(2018.09.26記事公開)

238ページにおよぶ大和ハウスグループの「サステナビリティレポート2018」は、充実した内容です。前半では、まずレポートの見どころを紹介します。後半では、これを受けて、専門家である冨田秀実さんに評価ポイントを挙げていただきます。

「サステナビリティレポート 2018」の見どころ

2017年度版において、環境コミュニケーション大賞の環境報告大賞を受賞している大和ハウスグループのサステナビリティレポート。大和ハウス工業の制作担当社員が、さらなる工夫が凝らされた2018年度版の3つの見どころを紹介します。

1. 各担当役員が自らの言葉でメッセージ

企業の報告書において、会長・社長メッセージは一般的なコンテンツですが、大和ハウスグループの『サステナビリティレポート2018』では、各部門の担当役員も登場しています。登場する役員全員に対し、時間をかけて個々にインタビューを行い、ステークホルダーと共創共生する意味を、役員が自身の言葉で語っています。概念的になりがちな考えや取り組みを可視化することで、社内の意識共有にもつながっています。

環境と共創共生 環境と共創共生

2. 世界初「EP100」「RE100」にダブル加盟(123ページ参照)

大和ハウスグループでは、国際的なNPO法人「クライメイトグループ」が運営する、エネルギー効率および再生可能エネルギーに関する国際イニシアティブ「EP100」と「RE100」の双方に加盟しています。これは建設・住宅業界としては世界初のことなので、レポート内でも詳しく取り上げています。

ニュースリリース:建設・住宅業界で“世界初”となる「EP100」「RE100」に加盟

環境と共創共生 環境と共創共生

3. 充実したガバナンスへの取り組み(147ページ参照)

大和ハウスグループが行っているESGの取り組みの中でも、G(ガバナンス)に関する取り組みをしっかりと盛り込みました。サステナビリティ委員会や全社環境推進委員会が、経営の監督・意思決定機能に位置していることを体制図と併せて紹介しています。

コーポレートガバナンス体制図

専門家・冨田秀実さんの評価ポイント

ロイドレジスタージャパンの取締役で、CSRレポートやサステナビリティレポートに造詣の深い冨田秀実さんに、大和ハウスグループの『サステナビリティレポート2018』の評価ポイントを挙げていただきました。

冨田秀実 さん

ロイドレジスタージャパン株式会社 取締役 事業開発部門長。
ソニー株式会社においてCSR部発足当初から統括部長を約10年務める。2013年ロイドレジスター クオリティアシュアランス (LRQA) 入社を経て、現在、ロイドレジスタージャパン株式会社取締役。この間、政府の委員会や様々な国際規格等の策定プロセスに参画している。

読者ターゲットを明確にしている(3ページ参照)

投資家と学生では求める情報レベルがまったく違うので、異なる読者に対して一度に適切なコミュニケーションをするのは非常に難しいものです。大和ハウスグループの『サステナビリティレポート2018』は、想定読者を投資家の方々に絞り、それに適した情報にフォーカスしているため、メッセージが明快に表現されています。

編集方針 編集方針

役員のコミットメントが見られる

制作担当者が力を入れたという役員メッセージも高く評価。多くの企業が作るサステナビリティレポートでは、CEOレベルのメッセージが掲載されるに留まります。しかし、大和ハウスグループの『サステナビリティレポート2018』では、各部門の役員がサステナブルな取り組みに言及しており、全社的なコミットメントが見られます。

社会・環境への取り組みがビジネスと結びついている

他社のサステナビリティレポートにおいては、収益活動と社会・環境への取り組みを別のものとして扱う風潮がありますが、大和ハウスグループは両者が互いに寄り添いながらビジネスをしていることが分かりやすくレポートされています。

ネガティブ要素も入れている

自社の情報を開示する際、良いことばかりを掲載してしまいがちなサステナビリティレポートですが、ネガティブ要素も隠すことなく入れており、より信頼性・信憑性を高めています。

読みやすさへの配慮がなされている(175ページ参照)

読みやすさを考慮した章立て、巻末にデータ集をまとめて掲載するといった工夫がなされています。読者が求めている情報に正しくたどりつけるよう、膨大な情報が系統立てて整理されています。

地球温暖化防止 地球温暖化防止

冨田さんは、良いサステナビリティレポートの基準として、「ターゲットが明確になっていること」と、「フェアで中立に情報を開示すること」、さらに、「自社のどのビジネスのどの部分が環境に影響を与えているのかを明確にすること」を挙げられました。

サステナビリティレポートは、社会とともに企業が成長することを宣言するものであり、未来を見据えたレポートです。発行する企業によって内容はさまざまですが、持続可能な社会に向けた取り組みを詳しく知るためには良いツールと言えそうです。

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