家族ができて、やっと建てることができた念願のマイホーム。
夫婦だけでなくいつか産まれるかもしれない子どもの未来や今後のことも考えて家族みんなが素直に朗らかに暮らせる家を建てたかった。
敷地がうんと広いわけではないけれどリビングやキッチンの使い勝手が良かったり家族が団らんできるスペースがあったりと間取りと設えに創意工夫されているのがこの家。
この家を建てて実際に暮らしてみるとシンプルながらも暮らしやすさをたっぷりと感じられ、本当に良かったと日々思っているのだ。
今回はフレキシブルで素直な空間を選んで暮らす私たちの日々の様子をご紹介する。
住まいの一階、エントランスの奥に広がるのは毎日家族が集まるお気に入りのLDK。15.9帖の広さがあるので圧迫感はなく天井高も高いのでむしろゆとりを感じられる。
また、このLDKで特徴的なのは壁面や天井にあしらわれた木材の香りがたっぷり感じられること。木の質感、香りをそのまま楽しめるので温もりもあり、五感で癒やしを感じる仕様なのだ。
まるでコテージのような温かい雰囲気の中にアイアンのワイヤーシェードが付いたペンダントライトがあり空間を引き締めるアクセントにもなっている。
ここで過ごす家族での時間はいつもしあわせで笑ったり、泣いたり、素直な自分でいられる。自分が自分でいられる、そういう場所なのだと思うのだ。
リビング・ダイニングに続いて部屋の奥に広がるのがキッチン。
マイホームを見つける上でこだわり抜いたのが使い勝手の良さとリビングを眺められること。
住まい探しを行なっていく中でキッチンがリビングと分断されてしまっている間取りを見かけることがあった。たとえ広々としたキッチンスペースだとしても家族とのコミュニケーションが取れなかったり距離を感じてしまったりする間取りは少しさみしい。
ところがこのキッチンは作業スペースからリビングやダイニングを眺められる間取りなので調理中にも家族で会話をすることもできる。
もちろん、キッチンスペース自体も大人が二人並んでも余裕の広さなので一緒に料理をしたりコーヒーを淹れたりなんて過ごし方ができてしまうのだ。
いつか子どもが生まれたらこのキッチンで横に並んで料理を作れたりするのかな。そんな日が今から待ち遠しかったりもする。
一階の北側には水回りがまとまっている。髪を乾かしたりスキンケアをしたりできるかわいい洗面台が付いており、その横には洗濯機を置けるスペースが。
あえて装飾を華美にはせず、シンプルにしたのは夫婦で話し合って決めたこだわり。長く暮らす住まいだからこそ「飽きがこないシンプルさも大事だよね」って私たちなりの意思を込めて選んだもの。
実際に暮らしてみると、そのチョイスは大正解だった。水回りにもってこいの白を基調とした空間にちょこっとだけ照明でこなれ感をプラス。
何年経っても使いやすくてかわいい設えなのでこれから先も健やかに過ごせそうと感じている。
ちなみに、この水回りは土間ともつながっている。帰宅後すぐに手洗いもできるので今の時代に合わせた清潔感を保った暮らしも実現できる。
リビングとキッチンを超えた先、一階の西側奥には小さな〈タタミコーナー〉がある。
3帖ほどのコンパクトな空間ではあるが帖が大好きな私たち夫婦の意見を採用して水回りの横にぽつんと作ってもらった。
意外にもお風呂上がりで火照った体を冷ましたり、ひとり時間を作ったり、お昼寝したりするときに便利で窮屈さを感じることなく重宝できているのがありがたい。
ひとり用の座椅子を置いてお茶を汲めばすでにそこはとっておきのお座敷コーナー。リビングやキッチンで過ごすのとはまた異なる素直で朗らかな時間が送れるのだ。
いつか子どもが産まれたときには料理をしながらタタミコーナーで子どものお世話をするなんて活用方法もありそうだなと考えている。
使い方を限定しないフレキシブルな空間は移り変わりのある家族の暮らしを支えてくれる大切な要素なのだろうと感じる。
この住まいの一番の特徴は、二階に広がる〈インナーバルコニー〉だと思っている。バルコニーというと洗濯物を干せるくらいの空間であることが多いがこの住まいのバルコニーはまるで小さな秘密基地。
屋根をまるごとくり抜いたバルコニーなので日差しがしっかりと入り込み、かつ椅子やテーブルなどすら持ち込める広さがあるので晴れた日の日向ぼっこが捗ってしまうのだ。
休日になるとアウトドア用のグッズを持ち出し雑誌を読みつつソロキャンプ気分。なかなか遠出ができない最近だけれどこうして家の中で過ごすさまざまな楽しみがあるのでおうち時間も明るい気分でいられる。
自分らしい、素を感じられるこの住まい。
家族と笑顔でいられる優しいこの住まい。
住み心地の良い住まいで生活することで私たちの日々の暮らしは確実に豊かなものへと変わっている。