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スタッフからの現地便り

近代化産業遺産と歴史・自然の町をゆく ― 横川町散策

  • 更新日:2011年10月27日
  • カテゴリ:周辺情報

 時代を見つめてきた駅『大隅横川駅』は九州新幹線の到来のなかで、今なお現役で使用されています。1903年(明治36年)開業の木造駅舎。霧島市には築百年を経た木造駅舎が二箇所あります。
 
 ここ横川町にあるJR肥薩線の大隅横川駅と隼人町の嘉例川駅。肥薩線は、隼人駅を起点に山間をぬって球磨川沿いに熊本県の八代に至る鉄道。
 


 ローカル線が次々と廃止される中、どうにか生き延びてきた線路です。ノスタルジックで温かみを残すたたずまいは100年以上の間、人々の往来を見守ってきたんでしょうね。第二次大戦末期は米軍のグラマン戦闘機が駅舎を狙い撃ち
した痕跡も歴史を物語っています。
 
 
 
 次の目的地は、駅の前に立つ地図でみつけた『安良(やすら)神社』と『大出水(おおでみず)』。安良神社は、鹿児島神宮、霧島神宮、加治木春日神宮、福山宮浦宮とともに地元の人々に尊び崇められてきた神社。創建は和銅元年(708)の頃と見られるそうです。


 安良神社には何方が祀られているか、境内の看板に目をやると「京の宮に仕えていた安良という女官がある日、川辺で尊い方の直垂(ひたたれ:武家社会で用いられていた男性用衣服)を洗っていると、不注意から直垂の片袖を流してしまいました。その罪によって焼殺の刑に処せられるところでしたが、平素から十一面観世音を信仰していたため、観世音様が身代わりになって、安良は難をのがれ横川まで落ちのびて来ました。しばらく小脇の地に身をかくしていましたが、追手のことが心配になって安良嶽の絶頂において自害してしまいました。安良神社は、姫の霊をなぐさめるために村人が建てたものであると言われています。」と書かれていました。つまり、安良姫という個人なんですね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  安良姫とは、よほど地域の人々に愛され親しまれてきた人物だったのでしょう。
  
 
 続いては『大出水』向いました。群青は地の底から湧き出ずる大出水。滔々と水の湧き出るところです。駅前の地図をうろ覚えで山道を走り続け何とか到着。渓流のそばの岩盤に直径1メートルほどの丸く開いた穴があり、そこから勢いよく水が湧き出ていました。

 枯れることなくことなく、毎分22トンもの水が湧くそうです。水は青く澄んでおり、まさにウルトラマリン。この周囲の山々から伏流水が集まって、ひとつの流れとなったのが大出水という水のトンネルなのでしょうか。不思議です。
 駐車場にしている川辺の空き地には、県外のナンバーを付けたクルマが並び、家族連れや初老のご夫婦がポリタンクに水を汲んでい
らっしゃいました。

 
 
 





 霧島山麓の西南部に位置する横川町は、歴史的文化財が多く古くは日本屈指の大金山として栄えた町としても有名です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 大隅横川駅
  鹿児島県霧島市横川町中ノ39-1
 ■アクセス ロイヤルシティ霧島妙見台より約28㎞(車で約42分)

 上記の写真はすべて平成23年10月に撮影されたもです。

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