霧島連山・新燃岳の噴火に伴い登山が禁止されていた高千穂峰、大浪池、韓国岳の登山が、1年半ぶりに再開されたということで大浪池に行ってきました。
大浪池は霧島錦江湾国立公園、霧島連山の最高峰標高1,700m韓国岳の隣に位置する火口湖。火口壁は、標高1,411m、湖面の標高1,239m、直径約650m、最大深度12m、ほぼ正円形で火口湖としては、日本一高い所に位置します。そして、名前の由来は竜神の化身の美しい娘「お浪」にまつわる伝説からきているそうです。
県道1号線の大浪池登山口から火口の線を40分ほど上るルートを辿りとりあえず到着。付近を見渡し、近くの小高い岩場から、眼下に広がるコバルトブルーをたたえたその池の向こうには、どっしりとした韓国岳南壁を望みます。ここから南へ目を転ずると、霧島連山、錦江湾、桜島、大隅半島の高隈山系、薩摩半島の開聞岳と連なる眺めは雄大なはずなのですが、錦江湾と桜島がかすかに見えるあいにくの曇の多い空。
池の水面は火口壁の木々の緑や動きの早い雲の合間から見える青の空が写り込み、夏の終わりに涼を感じさせ、湖面からは時折、爽やかな風を吹き上げて、汗だくになりながら登り続けてきた身体を心地良く癒してくれます。鳥達もその上昇気流を一身に受け、気持ちよさそうです。
「あ~。お弁当でも作ってくればよかったな~。」などと少し後悔しながら火口を一周することにしました。 以前、東回りより少し楽と云う話を友人から聞いたことを思い出し、西回りのコースを巡ることに。
木々の合間から見える湖面は、受ける光の反射で様々な表情を見せてくれます。半周ほど回ると韓国岳登山口の分岐。ここへ来て、雨にたたられザックからポンチョを取り出しあわてて着用。特にこの時期の山の天候は突然変わるものです。
湖面に目を向けると先ほどの青は何処へやら。ガスに覆われ真っ白に。一周終えるころは雨も小ぶりになり最後の展望の岩場に立つと、今度はその湖面から見事な虹が火口壁を越えて伸びていました。その池の名の由来通り、まるでは竜が昇っていくように…。霧島山の竜神は優しい感動を与えてくれました。
霧島山の登山の中でも大浪池は初心者向きといえます。是非チャレンジしてください。
大浪池登山口
霧島市牧園町高千穂
電話 0995‐78‐2115(霧島市観光協会)
■交通アクセス ロイヤルシティ霧島妙見台より38㎞(車で約57分)
■上記の写真はすべて平成24年8月に撮影されたものです。