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スタッフからの現地便り

【オーナー日記】#27 野生の君たち

  • 更新日:2014年12月13日
  • カテゴリ:オーナー日記
 転居してようやく半年が過ぎた。雪のない半年、私たちも一生懸命太陽を追いかけて楽しんだ。そして草木も、生き物みんながそうだったに違いない

 ここに来て、草木は次の季節を乗り切るために葉を落とし、或いは実を落としている。動物たちもきっと一生懸命頑張ったに違いない。今日は、神奈川ではなかなか“聞けない、見ることができない”彼らの活躍をまとめておくことにしたい

 1.クマさん
 
 4月に来たときは、リゾート内のどのあたりでも自由に歩くことができた。フキノトウやタラの芽を追っかけた。でも、5月に入り木々が若葉をたたえるようになった頃、“クマよけの鈴を持って歩かなければ“と教えてもらった。

 流石にこのころから散歩のできる範囲がグッと狭くなった。私自身は”生グマ“にお目にかかることはなかった。ゴルフ場でも腰に鈴を着けるようにしている。9月にはリゾート内で2人の方が発見情報を発信した。

 県内では発見情報はたくさんある。しかし、遭遇して取っ組み合いをした人は少ない。ワラビやキノコ採りに夢中になっていると、耳にイヤホーンをしているくらいに周りのことに気付かない。クマさん然り4つ足で笹薮の中を”がさごそ“していると、人の鈴やラジオの音を聞き逃してしまうのだろうか?

 私は子どもの頃、蛇に出合うと追いかけても退治していた。脅かされたことへの腹いせだったろう。クマさんもきっと”脅かすんじゃないヨ!コノヤロウ!“とでも思って、一撃を加えるのだろうか。人間を食べようとは思っていないと思う。

 早春の撮影場所の1つに水芭蕉の群生地があるが、実は、クマさんが起きだして、冬眠中のお腹を掃除するために水芭蕉を食べるという。そう言われると、一人では行きにくくなる。

 牧場の方は実被害を訴えておられた。デントコーンの畑に電気の線を回しても、鼻先からではなく低感度の尻から入ってきて、奥のほうに入ってドッカと腰を下ろして、両脇に抱えて食っているという。倒されたコーンは腐りが速くて保存できないし、10m四方のものは匂いがついていて、牛が食わないという。

 一方で、食料がたくさん得られなかった時には自ら妊娠しないようにするとも聞いた。今年の食糧事情はどうだったろうか?足元に雪を踏めるようになるまでは用心!用心!


<クマさんがお目覚めの時によく食すという水芭蕉> 平成26年4月撮影


2.リスさん

 彼らは月に数回我が家のウッドデッキを走り抜けていく。決まって朝である。先日、殻つきのクルミをウッドデッキに1列に並べてゆく手を妨げてみた。

 来ました。1つを両手で持って腰かけ、くるみを上下に振っては投げ捨てている。カメラ!カメラ!と、ドタバタしているうちにお気に入りを持って走り去ってしまった。

 後でリスの仕分けを確認するに、軽い、実の入っていないものが分けられていた。数個は積み上げた槇の上に捨ててあった。(堅すぎたか?) いたずらもせず、愛くるしい者たちである




<我が家の庭、はたまた、ウッドデッキを駆け抜けるリス君>
 平成26年11月撮影

3.アカゲラさん(キツツキさん)

 遠くで啼いているだけでわかるようになった。先日槇の上に載せて置いたナラの長尺ものを立てかけて置いたら、つついていた。

 彼はかなり用心深い。家の中で人がドタバタするとすぐ逃げてしまうし、外でも忍び足に気付いてしまう。かなり重いであろう体のくせに蝉のように垂直の木の幹に張り付くようにして止まる。カラスなどのように木の枝や電線にとまるのを見たことがない。

 春には偶にドラミングがこだますることがある。自宅近くでも良く啼く。同じあたりから啼き声が聞こえ、ご近所さんになったのかもしれない。

 彼らの仕事は見事である。リゾート内の何軒が被害に遭っているだろうか! まん丸の穴が10個以上空いている建物もある。

 住んでいる家には近づかないというけれども、用心の為、御殿を建るときには破風板などは是非金属パネルなどをご利用いただきたい

<被害甚大のアカゲラ> 平成26年11月撮影

<コゲラ:スズメぐらいの大きさで馬力がないので、生木は無理。枯れ木専門にアタックするという> 平成26年10月撮影


<アカゲラの被害> 平成26年11月撮影

4.うさぎさん

 ここに来て最初のウサギの話題は、1メートルほどのタラの芽が鋭利な刃物で切り取られているという話をしたら、それは人ではなく、うさぎが冬の間に食べてしまったのだと教えられたことだった。

 その後、キノコ狩り散歩などで何回もお目にかかっている。この頃は白い毛に変わり、冬支度が終わったことを覗わせる。

 彼らは人間が(ほかの動物でも?)かなり近くまで寄るまでじっとしていて、“もうおしっこが漏れそう! 我慢できない!”と言うときになって、突然、猛スピードで走り出す

 そしてまた、見えなくなるまで遠くに行ってしまうかと思いきや、そこそこの距離ができると、かくれんぼの如くじっとして、こちらを覗っていることがある。

 冬になると当家の庭を数条の足跡が横断する。安比高原でイタチに追われる野ウサギを見たが、そのジャンプ力はすごい!


<晩秋の野ウサギ> 平成26年11月撮影


<夏の野ウサギ> 平成26年8月撮影

5.各種毛虫さん

 誰に聞いても、今年は毛虫が多かったという。木が丸裸にされたものもあった。ゴルフ場では足元をぐるっと囲まれたり、カップの中の毛虫にも往生した。
 
 丁度ひと月したら、皆さんどこかに引っ越されたの?と思うぐらいに消えてしまった。

 道端のササの葉に横一列に小さい穴が開いたものが数枚あった。不思議に思い“県民の森 フォレストアイ”の植物勉強会の折に現物持参で伺ったところ、オトシブミだという。

 調べるにオトシブミという虫も数種類いるし、広葉樹の葉を丸めて中に卵を産み付けられたものもオトシブミと言うらしい。どちらにせよ、命名が美しいではないか!と講師の方がのたもうた

 <どういう蝶になるのか、蛾になるのかさっぱり?> 平成26年6月撮影


<木から落ちているものも見かけるオトシブミ> 平成26年7月撮影


<筒状の巣を食い破って出た後だという> 平成26年7月撮影
 
 冬眠するものも、命を次世代に託すものも、或いは我々と共に白銀を駆けるものも、この森に抱かれて、みんなそれぞれに、頑張ったよね!




※オーナー日記は当社からの依頼により、オーナー様の日々の生活の情報をご提供いただき、当社スタッフが更新を行なっています。


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