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石川県金沢市~志賀町

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SLOWNER WEB MAGAZINE

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自然・風土

新鋭と共存する古都と、薄暮の日本海を訪ねて

能登 志賀の郷リゾート/2022.02.25

石川県金沢市~志賀町

能登 志賀の郷リゾートを有する石川県志賀町は、能登半島のほぼ中央に位置します。JR羽咋(はくい)駅からは車で約25分、北陸新幹線「東京〜金沢」が開通し、北陸の玄関口となったJR金沢駅からは、無料の自動車専用道路「のと里山海道」を利用すれば約70分で到着します。道の途中には、日本で唯一の砂浜道路「千里浜なぎさドライブウェイ」に立ち寄ることができ、波打ち際でのドライブをゆっくりと楽しめます。
古都の風情が残る金沢の町には近年、新たな建築物が次々と誕生。斬新でありながら、古き良き町の雰囲気を損なわないデザインで表現され、その美しさに目を奪われます。

(写真左)高さ約14m、堂々とした門構えのJR金沢駅「鼓門」は、人気のフォトスポット(写真右)国内外の建築賞を数々受賞した「金沢海みらい図書館」は、ケーキの箱が設計コンセプト。約40万冊の収蔵が可能

世界も注目する、金沢の建築物たち

「世界で最も美しい駅14駅」(2011年 米国旅行雑誌「Travel+Leisure」web版)のひとつに選ばれたJR金沢駅。兼六園口は、ガラスの建造物「もてなしドーム」と、金沢市の無形文化財で、かつては藩主から庶民まで親しまれた能楽「加賀宝生」で使われる鼓をモチーフとした「鼓門」へと続きます。
外壁に約6,000個の丸窓を設けた建築物は、市立図書館「金沢海みらい図書館」。2012年(平成24年)には「世界で最も美しい公共図書館25館」(2012年 米国ネットサービスサイト 「Flavorwire」)に選ばれています。

クルーズ船のオフシーズンには、待合エリアなどをイベント会場としても利用できる、「金沢港クルーズターミナル」

日本海の白波を思わせる、金沢港の新しい顔

2020年(令和2年)6月には、金沢港の新しい海の玄関口「金沢港クルーズターミナル」がオープンしました。金沢港は、藩政期には北前船の寄港地としてにぎわい、1970年(昭和45年)からは重要港湾として、韓国や中国との貿易を支えてきた場所です。1970年の開港から数えて50周年を迎え、金沢港の新たなシンボルとして誕生したターミナルは、クルーズ船2隻の同時接岸時にも出入国検査などがスムーズに行えるキャパシティを確保。海側が全面ガラス張りになっており、日没からは毎日、金沢港のライトアップも楽しめます。

(写真上)城下町金沢の中心に広がる金沢城公園(写真左下)現在も一見さんお断りの花街「にし茶屋街」
(写真右下)ライトアップされた「ひがし茶屋街」

金沢の城下町は、江戸時代、寛文・延宝期にほぼ完成したといわれています。400年以上の間、一度も戦災に遭うことなく、大規模な改変も加えられないまま現代へ。現在の市街地の街路や街区の構造に、城下町の町割が生かされています。
金沢城の東側を流れる浅野川の周辺には、ひがし茶屋街と主計町(かずえまち)茶屋街、城を挟んで西側を流れる犀川(さいかわ)のそばを、にし茶屋街の「金沢三茶屋街」が広がっています。石畳の路地に続くのは、出格子が美しい茶屋様式の家並み。芸の町の趣を感じながら、城下町散策を味わえます。浅野川に架かる浅野川大橋は、藩政時代から続く交通の要所。現在のアーチ型の橋は大正時代に建設されたもので、穏やかな川面に橋が反転し、見事な楕円を描いています。

幻想的な能登半島のマジックアワー

金沢市からのと里山海道を経て、能登 志賀の郷リゾートが広がる志賀町へ。能登半島の西側に伸びる約30kmの海岸線一帯は、「能登金剛」と呼ばれる景勝地。荒波による浸食で、独特のリアス式海岸が形成されたこのエリアは、天然の造形美を誇る奇岩や断崖が点在しています。
高さ16mと12mの岩が寄り添うように並ぶ「機具岩(はたごいわ)」も、能登金剛の見どころの一つ。しめ縄で結ばれた二つの岩は、大きい岩を女岩、小さい岩を男岩と呼ばれています。ここは、夕日の美しいスポットとしても知られ、トンネルのように削られた女岩の向こうに、海に沈む夕日を見ることができます。
夕暮れ時のわずかな時間にだけ広がる、美しい空のグラデーション。機具岩の複雑な陰影と、美しいコントラストを描いています。


女岩の向こうに夕日が沈む機具岩(写真上)と、夕日に染まる白い灯台、旧福浦灯台(写真下)

福浦港近くの断崖絶壁に立つのは、日本最古の木造灯台「旧福浦灯台」です。1608年(慶長13年)に、地元福浦の住民、日野資信(すけのぶ)が、かがり火を焚いて、夜の海を航行する舟を導いたことが、この地の灯台の始まりといわれています。その後代々日野家が灯明役となり、1876年(明治9年)に日野家の子孫の日野吉三郎が、かつての形状を残した灯台を建造しました。この高さ5mほどの四角錐の灯台は、日本の近世、近代交通史を物語る貴重な遺構として保存されています。灯台から地平線まで遮るものはなく、沈む夕日を眺めるひととき。波の音を聴きながら、雄大な日本海とひとつになるような錯覚を覚えます。

千里浜なぎさドライブウェイ[現地から約25.7㎞]/金沢海みらい図書館[現地から約57.1㎞]
金沢港クルーズターミナル[現地から約54.7㎞]/金沢城公園[現地から約59.8㎞]
にし茶屋街[現地から約61.1㎞]/ひがし茶屋街[現地から約58.6㎞]
主計町茶屋町[現地から約58.8㎞]/機具岩[現地から約14.4㎞]/旧福浦灯台 [現地から約8.5㎞]

取材撮影/2021年11月19日、11月20日

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