CASE6
社内外に自社の魅力を伝える技術力・提案力・人間力の情報発信拠点
建設地 | 兵庫県三田市 |
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建物用途 | 製品テスト施設・ショールーム・セミナールーム |
敷地面積 | 1,655.28m2(500.72坪) |
延床面積 | 1,682.66m2(509.00坪) |
竣工 | 2023年3月 |
建物概要 | 2階建て |
私たちの身の回りのさまざまな物に使われているプラスチック。その成形加工には、数々の前工程が必要で、その精度は成形品の品質に大きく関わってきます。この様な成形加工の各種周辺機器を製造・販売、関連するシステムエンジニアリングサービスを提供されているのが株式会社カワタ様です。周辺機器単体を扱う企業は複数ある中、充実の製品構成と成形の前工程をトータルに提案できるのが、同社の大きな強み。創業以来、多様な製造現場から求められる機器を次々と開発し、業界のリーディングカンパニーとしての地位を確立されてきました。
自動車やOA・家電関連、クリーン技術が求められる液晶画面やレンズなど、カワタ様の取引企業は数多くの分野に及びます。当然、納入においては多様なニーズに応えるシステムエンジニアリングが要求され、加えて製造現場に合わせてオーダーメードで対応していかなければなりません。そのため同社では、主要工場である三田工場(兵庫県三田市)で製品テストを日常的に実施。お客様への提案力の向上に努めてこられました。
カワタ様では、以前よりこのテストを実施する設備の充実とエリア拡大の必要性を感じておられました。さらには、社員の技術・技能・知識の向上を図る場や、実機を用いた製品ラインアップのPR機能を複合させた拠点の設置を検討中でした。既存の三田工場周辺という条件を満たす建設地が確保できたことで計画は具現化。技術力向上、製品展示、人材育成を同時に実現する施設として、2023年3月に完成したのがカワタテクニカルセンターです。1階の4つのゾーンに分かれたテストエリアは、社内や取引企業を招いての実機テストが実施可能。また、2階の最新機器が揃うショールームは、製品ラインアップを総合的にアピールできる環境となっており、社内外に同社の魅力を伝える場として大きな注目を集めています。
将来に向けた事業展開を支える新拠点となることを目指します。
株式会社カワタ 代表取締役社長 白石 亙 様
創業時には、部品の下請け製作を主な事業としていた当社ですが、欧米より技術導入を行った1960年代には国内初のプラスチックの混合機と輸送機を生産。その後も各種機器を開発し、製品の製造プロセスにおける材料供給と成形品の温度調節を主な事業ドメインに成長を続けてきました。私たちが開発・提案するプラスチック成形加工の各種周辺機器は、粉粒体の原材料を[運ぶ][乾かす][計る][混ぜる][調える]という5つのコア技術をもとにしています。一見すると、どれも人の力でも行えそうな工程ですが、当社の技術力でより高精度かつ省力化を実現しています。
この度、社内外向けの製品テストの機能をもっと高めたいという思いから生まれたテクニカルセンターは、コロナ禍以前より構想を温めていました。計画にあたっては、当社の技術力をお客様にしっかりと提案できるよう、設計・開発に加え、営業やサービスといった社内のメンバーが、実際に実機に触れながら勉強する場としても活用しようと考えていました。またショールームは、お客様に来場いただき、新製品を見てもらったり、勉強会を開いたりといった販売促進に役立つことを期待しています。今回、社内外のテストの設備と社内研修(セミナールーム)と販売促進(ショールーム)といった3つの機能を一度に得ることができ、とても満足しています。
大きな課題だったのが建設地の確保でした。特に製品テストについては、特定の技術スタッフでないと扱えないため、三田工場の近辺であることが必要不可欠。自分たちで随分探しましたが適地が見つからず苦労しました。そんなときご縁があって大和ハウス様より隣接地の売却情報を提供いただき、計画の具現化に至ったことに非常に感謝しています。
建物づくりに関しては、敷地の規模に合わせて必要な機能をどう盛り込んでいくかがポイントとなりました。私たちの「ショールームはなるべく広く」「テストする実機があるので1階の天井は高く」などの要望にきちんと応えていただけただけでなく、大和ハウス様からも振動・防音対策の提案をいただき、非常に満足いく仕上がりとなりました。この施設は、今後の当社の事業展開を象徴する建物です。大いに活かしていきたいと考えています。