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2021年02月05日
21年度介護報酬改定
科学的介護の実現を目指し、「科学的介護推進体制加算」を新設
2021年度介護報酬改定では、CHASEにデータを提出・フィードバックを受け、その結果を踏まえてPDCAサイクルを推進する科学的介護の実現を目指して、施設系、通所系サービスなどを対象に「科学的介護推進体制加算」が新設される。報酬額は、通所系・多機能系・居住系が月40単位、施設系は加算(I)が40単位、加算(II)は60単位。算定要件では、入所者・利用者ごとの心身の状況(施設系の加算IIは、心身、疾病の状況)に関する基本情報の厚生労働省への提出などを求める。また、現在のCHASE、VISITの名称は21年度からの一体的運用を機に、「科学的介護情報システム」(Long-term care Information system For Evidence=LIFE、ライフ)に統一する。
訪問および通所リハビリテーションでは、「リハビリテーションマネジメント加算」の見直しを行う。両サービスとも加算(I)を廃止して基本報酬の算定要件に組み込む一方、加算(II)、(III)は加算(A)、(B)に名称変更した上で、それぞれ算定要件が現行と同じ(イ)と、VISIT、CHASEへのデータ提出を求める(ロ)の2つの算定区分を設ける。VISITへのデータ提出が要件の加算(IV)は廃止する。
介護老人保健施設と介護医療院のリハビリでも、CHASE、VISITへのデータ提出を評価する加算(老健「リハビリテーションマネジメント計画書情報加算」、介護医療院「理学療法、作業療法及び言語聴覚療法に係る加算」、いずれも33単位/月)を新設する。
「ADL維持等加算」を介護老人福祉施設、認知症デイなどにも拡大
通所介護のアウトカム評価である「ADL維持等加算」は、対象を認知症対応型通所介護や、特定施設入居者生活介護、介護老人福祉施設などにも広げ、報酬単位を現在の10倍に引き上げる。アウトカムが出やすい利用者を選別する「クリームスキミング」を防止するため、「ADL利得が上位85%の者について、各々のADL利得を合計したものが0以上」としている現行要件は、評価開始時点のADLが加味されるように、「初月のADL値や要介護認定の状況に応じて調整式で得られた利用者の調整済みADL利得が、一定の値以上」に変更。初月の要介護度や要介護認定月に関する要件の廃止や、利用者の総数に関する要件の緩和も併せて実施し、同加算の算定率向上につなげる。
(2021年1月18日時点の情報に基づき作成)