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2021年08月27日
厚労省・分科会
19年度改定後の消費税負担の補てん状況を調査へ
診療報酬調査専門組織の「医療機関等における消費税負担に関する分科会」が8月4日、およそ2年半ぶりに開かれ、医療機関・薬局の仕入などに伴う消費税負担について、診療報酬本体での補てん状況を把握する調査の実施を決めた。
一般的な商取引の売上に相当する診療報酬が非課税の医療機関(薬局含む)には、売上に対する消費税から商品仕入れ時に負担した消費税分を控除できる「仕入税額控除」が適用されない。医薬品・医療機器の購入や委託費などの支払い時に生じる消費税は、全て医療機関が負担する構造となっているため、過去の消費税率引き上げ時には、医療機関の消費税負担と診療報酬による売上が均衡するように、診療報酬本体と薬価・材料価格に増税相当分の上乗せが行われてきた。
消費税率が10%に引き上げられた19年10月にも、臨時の診療報酬及び薬価・材料価格の改定を実施。診療報酬本体に関しては、議論の過程で判明した消費税率8%への引き上げ時(14年度改定)の補てん不足の修正を含む、消費税率5%から10%に相当する分の上乗せが行われている。
19年度に対応した消費税率5~10%部分の補てん状況を把握
今回の調査では、19年度改定時の消費税率5~10%分に対応した診療報酬本体への補てんについて、20年度の状況を検証する。現在実施中の医療経済実態調査(実調)の回答医療機関を調査対象とし、診療報酬本体による収入のうち、消費税率5~10%分に対応した上乗せ分は「レセプト情報・特定健診等情報データベース」から、支出のうち課税経費(減価償却費、委託費、給食材料費など)の消費税相当額は実調から、それぞれ把握。両者を突合して個々の医療機関における補てん状況を推計した上で、開設者別、病院機能別、入院基本料別での比較を行う考えだ。
調査結果の中央社会保険医療協議会・総会への報告は11月となる見通し。仮に補てん不足があることが判明した場合は、22年度改定での対応を協議することになる。
2021年8月4日時点での情報を基に作成