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2021年10月29日
外来機能報告WGで厚労省
重点外来基幹病院の国の基準案を提示
厚生労働省は10月20日の「外来機能報告等に関するワーキンググループ(WG)」に、「医療資源を重点的に活用する外来を地域で基幹的に担う医療機関」(重点外来基幹病院)の国の基準について、初診、再診に占める重点外来の実施件数が一定割合以上であることを求める案を提示した。
具体的には、「初診の外来件数のうち重点外来の件数の占める割合/●%以上」かつ「再診の外来件数のうち重点外来の件数の占める割合/●%以上」と定める。重点外来の件数は、該当する外来の実施件数を合算して求める。重点外来の対象は現在、▽医療資源を重点的に活用する入院の前後の外来▽高額等の医療機器・設備を必要とする外来▽紹介患者に対する外来等―とする案が出ている。
重点外来基幹病院は、医療機関からの手挙げを受け、地域における協議の場で、国の基準に合致しているかどうかを確認し、決定する。厚労省は、その決定に地域ごとに異なる医療事情が適切に反映されるよう、都道府県が参考とするべき指標をガイドラインとして別途、示す考えも明らかにした。紹介率・逆紹介率などを盛り込む予定で、具体的な水準は現在進行中の紹介・逆紹介率の調査結果を踏まえて検討する。
国の基準の設定水準が受診時定額負担の義務化対象施設に影響
重点外来基幹病院の国の基準では、初診、再診に占める重点外来の割合を複数組み合わせたシミュレーションの結果も示された。それによると、▽最も低い基準値の「初診35%以上かつ再診20%以上」の場合、許可病床200床以上の病院(精神科病院を除く)の該当割合は52%、地域医療支援病院は94%▽最も高い「初診50%以上かつ再診30%以上」の場合は、200床以上病院が20%、地域医療支援病院が49%―となっている。
重点外来基幹病院のうち、一般病床200床以上の施設は、外来受診時定額負担の義務化対象になることが決まっている。このため重点外来基幹病院の増減は義務化対象施設の増減に直結し、基準を低く設定すれば基幹病院が多くなる分、義務化対象施設も増える。このため基準の設定水準については、WGでも意見が割れている。
2021年10月20日時点の情報を基に作成。