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2021年11月15日
厚労省
医療法人の事業報告書等の届出・閲覧事務のデジタル化を提案
厚生労働省は11月2日の社会保障審議会・医療部会に、医療法人の事業報告書等の届出事務と閲覧事務のデジタル化の具体案を示した。電子媒体化した事業報告書等を所定のサイトにアップロードすることによる届出や、都道府県ホームページでの情報閲覧を可能にすることで、届出や閲覧手続きに伴う事務負担の軽減を図るとしている。
医療法人は医療法の規定に基づき、毎会計年度終了後3カ月以内に、事業報告書や財務諸表などを都道府県知事に届け出なければならない。現在は、医療法人からの届出手続き、都道府県窓口などにおける閲覧手続きとも、紙媒体で行われている。このため、医療法人・都道府県双方に事務負担が生じている上、届出のあった事業報告書等を都道府県が一覧的に把握できる仕組みがなく、政府の骨太の方針などでデジタル化の検討が求められていた。
届出は22年度、情報閲覧は23年度からデジタル化 厚労省が提案
厚労省の見直し案によると、事業報告書等については、2021年4月~22年3月末を会計年度とする事業報告書等(届出期限は22年6月末)から、「医療機関等情報支援システム(G-MIS)」への電子媒体のアップロードによる届出を開始。当面は紙媒体による届出も認めるが、その場合も国が委託する事業者で電子化し、都道府県にデータを提供する。こうして電子化した全医療法人の事業報告書等は、国に蓄積して全国規模のデータベースを構築し、国や都道府県による支援や指導に生かす。
並行して事業報告書等のデータを都道府県のホームページなどで閲覧できる仕組みも整え、閲覧事務の負担も軽減する(閲覧開始時期は23年度から)。いずれの取組も実施に際しては関係省令の改正が必要になる。
都道府県HPの閲覧に、医療関係者は難色示す
部会の議論では、都道府県のホームページを通じて不特定多数の人間が医療法人の経営情報へのアクセスが可能となる点に、医療関係者の委員が、「行きすぎた詮索や営業につながる可能性がある」(今村聡委員・日本医師会副会長)などと懸念を示した。今回の対応が社会福祉法人を参考にしていることから、公益性や税制上の優遇措置が異なる一般の医療法人を同一に扱うことへの反発も出た。
2021年11月2日の情報を基に作成