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2022年6月17日
医療保険部会で厚労省
オンライン資格確認、23年4月からの原則義務化を提案
厚生労働省は5月25日の社会保障審議会・医療保険部会に、2023年4月から医療機関等(薬局含む)の「オンライン資格確認等システム」の導入を原則義務化する案を提示した。システム導入を加速化することが狙い。マイナンバーカードの保険証(マイナ保険証)利用を促進するため、保険証の段階的廃止も提案した。
厚労省によると、オンライン資格確認等システムの導入準備完了施設は5月15日時点で、全医療機関等の24.7%、運用開始にいたってはわずか19.0%にとどまる。国は23年3月末までの全施設への導入を目標に掲げるが、今のペースでは未達となる可能性が高い。このため厚労省は部会に、「22年9月末時点で概ね5割の施設に導入」を中間到達目標とし、その達成に向けて医療機関やシステム事業者への働きかけを強化していく意向を明らかにした。
また、「更なる対策」として、(1)23年4月から医療機関等のシステム導入を原則義務化、(2)医療情報化支援基金による補助などの財政措置の拡充、(3)保険証の原則廃止―なども提案。このうち(1)について厚労省は、導入義務化対象や除外対象をどうするかなどの具体案を中央社会保険医療協議会で議論した上で、「保険医療機関及び保険医療養担当規則」を改正することを想定していると説明した。
(3)は段階的に進める。まずは24年度中を目途にマイナ保険証の利用者には保険証を発行しないことを保険者が選択できる仕組みを導入。その後は外来などと同様、受診時に保険証が必要な訪問看護等におけるオンライン資格確認の導入状況を見極めながら、最終的には保険証の原則廃止を目指すとした。
骨太方針2022に明記も、医療関係団体は反対姿勢
オンライン資格確認等システム導入の原則義務化と保険証の原則廃止は「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2022」にも盛り込まれた。保険者は実施に前向きだが、日本医師会などはシステム導入の義務化に反対姿勢を示している。
2022年6月7日時点の情報に基づき作成