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2022年10月14日
社保審・医療部会
かかりつけ医機能の本格的議論を開始、23年度末の結論目指す
かかりつけ医機能についての本格的な議論が9月29日、社会保障審議会・医療部会で始まった。政府の「新経済・財政再生計画 改革工程表」で期限とされている2023年度末を目途に、かかりつけ医機能を発揮させるための制度整備のあり方などを検討する。
かかりつけ医機能については、これまでに2回にわたって「第8次医療計画等に関する検討会」で審議。その際、検討会の構成員から医療計画に関連した事項にはとどまらない、幅広い意見が示されたことから、厚生労働省は制度改革も念頭に丁寧な議論を重ねる必要があると判断。検討の場を医療部会に移すことにした。
かかりつけ医機能の発揮には地域の医療連携とICTによる診療情報共有が必須
部会での初回の議論となったこの日も様々な意見が出たが、「かかりつけ医機能」の定義については、24時間・365日対応が必須であることから、医師単体ではなく、地域の医師・医療機関の連携を前提とした制度設計を行うべきだとの認識で概ね一致。その実現のためには、患者の診療情報を共有できる情報基盤の整備が不可欠だとの意見も相次いだ。
木戸道子委員(日本赤十字社医療センター・第一産婦人科部長)は、「連携する医師が地域として患者を支えるのが現実的。施設が異なっても診療情報を共有できるICTの活用を進める必要がある」と主張。楠岡英雄委員(国立病院機構理事長)も、「予防接種や健診情報、過去の診療情報などを一元化し、誰でも見られるようにすれば、どの医師でもかかりつけ医機能を発揮できるようになる」とし、国に情報基盤の整備を急ぐよう求めた。
リカレント教育の重要性を訴える意見もあった。永井良三部会長(自治医科大学学長)は、大病院外来が混雑する最大の原因は再診患者の多さにあると指摘。状態が落ち着いた患者を専門医から地域に返すことを可能にするために、「総合診療医が専門的な疾患であっても、数の多い疾患については診られるようにする再教育が必要なのではないか」と述べた。
2022年9月29日時点の情報を基に作成