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2022年10月28日
政府・医療DX推進本部が初会合
23年春を目途に医療DX推進の工程表を策定へ
政府の「医療DX推進本部」が10月12日に発足し、初会合を開いた。2023年春を目途に、オンライン資格確認等システムを基盤にした「全国医療情報プラットフォーム」の創設などを実現するための工程表を策定する。
医療DX推進本部の本部長は岸田文雄首相が務め、松野博一官房長官、河野太郎デジタル大臣、加藤勝信厚生労働大臣、寺田稔総務大臣、西村康稔経済産業大臣が参画する。工程表の具体的検討は、推進本部の下に置く「医療DX推進本部幹事会」(議長:木原誠二官房副長官)が担う。今後、3回程度開く会合で工程表案をまとめ、23年春の推進本部の第2回会合に報告する。工程表の正式決定後は、各省庁が進める取組を幹事会が定期的にフォローアップすることにより実効性を担保する。
工程表の柱となるのは、(1)全国医療情報プラットフォームの創設、(2)電子カルテ情報の標準化等、(3)診療報酬改定DX―の3施策。
(1)ではオンライン資格確認等システムのネットワークを拡充し、レセプト・特定健診等情報に加え、予防接種、電子処方箋情報、自治体検診情報、電子カルテ等の医療・介護全般にわたる情報を共有・交換できる全国的なプラットフォームを構築する。(2)では、医療情報の共有や交換を可能にする電子カルテ情報の標準化を推進するとともに、電子カルテデータを、治療の最適化やAI等の新しい医療技術の開発、創薬に有効活用する方法論を検討する。(3)では、デジタル技術の利活用を通じて診療報酬やその改定に関する作業を大幅に効率化し、医療保険制度全体の運営コスト削減を図る。
個人の健康増進、医療現場の効率化、産業振興などを期待 厚労省
医療DXの推進が国民や医療現場にもたらすメリットについて厚労省は、▽誕生から現在までの保健医療データを自分で一元的に把握可能になることにより、個人の健康増進に寄与▽本人同意の下で、全国の医療機関等が必要な診療情報を共有することにより、切れ目なく質の高い医療の受療が可能▽デジタル化による医療現場の業務効率化、人材の有効活用▽保健医療データの二次利用による創薬、治験等の医薬産業やヘルスケア産業の振興―が期待できるとしている。
2022年10月12日現在の情報に基づいて作成