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2022年11月11日
厚労省が関係WGに提案
地域医療連携推進法人に個人立の参加が可能な類型新設へ
複数の医療機関や介護事業所などが参画して医薬品の共同購入や病床の融通などを行える「地域医療連携推進法人制度」(以下、連携推進法人)について、新たな類型が設けられる見通しとなった。厚生労働省が10月27日の「地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ」に具体案を提示し、了承された。新類型では、これまでは認められていなかった個人立の医療機関の参画が可能になるほか、一部の事務手続きが緩和される。今後、社会保障審議会・医療部会での了承を経て、法改正の準備が進められる。
連携推進法人は、医療機関間の機能分化と連携を促し、地域医療構想の実現を後押しする狙いで創設された仕組み。参加法人の間では医薬品・医療材料の共同購入や病床の融通、人事交流、資金調達などが行え、2022年7月1日現在で全国に31の法人が存在する。
ただ、現在の制度には、▽個人立の医療機関は連携推進法人に参加できない▽事務手続きの負担が大きい-などの課題があり、医療機関が利用に二の足を踏む要因になっているとの指摘があった。
そこで厚労省は今回、現行の連携推進法人よりもハードルが低い新類型の導入を提案した。新類型は既存類型と比べると、▽個人開業医などを含む個人立の医療機関も連携推進法人への参加が可能▽公認会計士や監査法人による外部監査が不要▽参加法人の重要事項決定時に連携推進法人に対して行わねばならない意見照会の一部が不要▽代表理事再任時の事務手続きが緩和されている-などの点が特徴。
法人の業務はヒトとモノの融通に限定、カネの融通は不可
一方で、新類型では、既存類型で認められている参加法人への資金貸付、関連事業者への出資といった「カネの融通」を行うことはできない。個人立の医療機関では個人用資産と医療資産の分離が難しい点を考慮した。これに対して人事交流、病床の融通、医薬品の共同購入などの「ヒト」と「モノ」の融通は既存類型と同様に行うことができる。また、既存の連携推進法人から新類型への移行も容認する考えだ。
2022年10月27日現在の情報に基づいて作成