マンション老朽化の問題点
●こんな不安や問題が生じたらマンション再生を考える時期です。
築30年の
経過
耐震性の
不安
設備の劣化
資産価値の
低下
バリアフリーの
問題
築年数が30年前後も経過してしまったマンションは、老朽化にともない、耐震性、設備、資産価値、バリアフリーといった面での不安や問題が生じます。そんな老朽化マンションにくらす方々は、こうした不安や問題を解決する「マンション再生」のための対応を、考える必要があります。
●マンションが直面する30年の壁
10~12年目
大きな不具合が発生する前に、建物の劣化を考慮した計画的な修繕が必要です。
一般的に10~12年の周期で建築系(外壁、鉄部、防水など)の修繕を行います。
20~24年目
第2回の建築系修繕に加え、電気設備、消防設備、給水設備、インターホンなど設備の劣化や耐用年数に対応した修繕が必要となります。
30年目
エレベーターの更新など多額の修繕費が必要な時期です。第3回の建築系修繕を行うマンションもあることでしょう。新たな長期修繕計画もそろそろ必要となります。このときに建替えを見据えるかどうかで計画の内容も変わります。
40年目
これからも今までのように修繕を積み重ねていくのか。建替えで新たな資産価値を備えたマンションにするのか。長期的な視野を持って検討する機会を持つことをおすすめします。
「旧耐震基準」と「新耐震基準」
建築基準法の耐震基準は1981年に大きく改正されました。1981年以前のものは「旧耐震基準」、以降のものは「新耐震基準」と呼ばれます。旧耐震基準では概ね震度5弱の地震で倒壊しないことが基準とされていましたが、新耐震基準では、極めて稀に発生する概ね震度6~7の地震で倒壊しないことが定められました。1981年以前、もしくはその前後に建てられた建物に関して不安があれば、まずは耐震診断を行うことをお勧めします。
マンション再生の手法として、主に大規模修繕と建替えが挙げられます。
まず2つの手法について比較することをおすすめします。
担当者からの
アドバイス
大規模地震が起こるたびに耐震問題がクローズアップされます。大切な資産のマンションを快適に住み続けるために、長期修繕計画に則り色々な対策を施すことになります。
しかし、住まう人の年齢や生活様式も日々変化しております。決して古いマンションだけの話とは考えずに、20年・30年後を見据えて取り組む必要もあり、建替え・更地化転売・耐震化などの大規模なリニューアルも含め、将来について早め早めの検討をお勧めします。
大和ハウス工業株式会社 馳川二朗
マンション老朽化の対応手段
大規模修繕
機能や性能を新築時の状態に回復させる「大規模修繕」。引越しの不要、工期の短さ、コストの安さ(いずれも条件による)がメリットです。
改修
機能や性能を一定水準以上の状態に向上させる「改修」。引越しの不要、工期の短さ、コストの安さ(いずれも条件による)に加え、新築時の水準以上の設備を導入できるのがメリットです。
建替え
マンションを一新させる「建替え」。耐震性、設備、資産価値、バリアフリーといった面の様々な不安や問題を根本的に解決できるだけでなく、現在の基準に適合した設計、先進設備の導入などマンション性能を総合的に高めることができます。
●大規模修繕か建替えかを選ぶときのポイント
大規模な修繕か。一定水準以上を求める改修か。建替えか。
もちろん、そこに住む方々の合意の得やすさなども考慮していくと、老朽化マンションにおける対応手段の考え方は、大きく変わってきます。