土地活用・不動産投資・賃貸経営に必要なデータの入手法と読み解き方(2)住宅市況の最重要統計!住宅着工統計の読み解き方
公開日:2019/08/30
POINT!
・住宅着工統計は、国土交通省より毎月公表されており、信頼性も鮮度も高い
日本国内で住宅は毎月どのくらい建てられているのでしょうか。
建築産業は日本の基幹産業の1つで、それに携わる労働人口も多いといわれています。また、住宅の購入時には、家具や家電、その他多くの消費が生み出されますし、大半は住宅ローンを使うので金融機関のビジネスにもつながります。そのため、時には政府は景気浮揚策として、住宅ローン減税などを実施し、住宅建築・住宅購入を促してきました。
住宅着工統計データとは
住宅着工統計は、新たに建てられた住宅の統計で、国土交通省より毎月公表されています。
当月分の数字が翌月末に公表され、行政が公表するデータの中ではかなり鮮度のいいデータです。
もうひとつ、国土交通省から発表される建築着工統計という統計データがあります。名前が似ているため混同しやすいですが、「住宅着工統計調査」は「建築着工統計調査」から住宅のみを取り出してまとめているものなので、建築着工統計調査の一部といえます。
住宅着工統計は、建築主から都道府県知事に提出された建築工事の届出を毎月集計して作成されています。昨今、政府の統計調査の不正・不備等が話題になっていますが、本調査は、建築確認申請の提出と連動しているため、信頼性はかなり担保されているといえます。
住宅着工統計4つのカテゴリー
住宅着工統計は、「持ち家」「貸家」「分譲住宅」そして、「給与住宅」という4つのカテゴリーに分かれています。
「持ち家」は、「建築主が自分で居住する目的で建築するもの」と定義されていますので、ハウスメーカーに依頼して建てる、いわゆる注文住宅です。
「貸家」は、「建築主が賃貸する目的で建築するもの」と定義されていますので、賃貸住宅のことを指します。2012年以降、4つのカテゴリーの中で最も建築数の多くなっています。土地活用で賃貸住宅を建てている方が最近増えているのか?、どの季節が多いのか?などは、この数字を見ればわかります。
「分譲住宅」は、「建て売り又は分譲の目的で建築するもの」と定義されています。分譲戸建て、分譲マンションなどが該当します。
「給与住宅」は、企業や官公庁が建てる、社宅や官舎などのことで、4つの中では最も少なくなっています。
住宅着工統計を見るには
住宅着工統計は国土交通省のサイトに掲載されています。
公表のタイミングは、月末最終日(平日)の14時となっています。
また、政府統計だけをあつめたサイト「政府統計の総合窓口e-stat」にもまとまった形で掲載されています。
この政府府統計の総合窓口(e-Stat)は、日本の政府統計関係情報のワンストップサービスを実現するため2008年に始まった政府統計のポータルサイトで、総務省統計局が整備し、独立行政法人統計センターが運営しています。
ここでは、各府省が実施している統計調査の各種情報、各府省が公表する統計データなどを一括して見ることができるのでとても便利です。