再エネ電気100%!大規模複合開発の実例[千葉・船橋市]
公開日:2022/09/30
大和ハウス工業が総合力を上げて挑んだ「船橋グランオアシス」
2021年3月、分譲マンション、賃貸マンション、賃貸住宅、戸建住宅、複合商業施設という5つの用途で構成された、大規模複合開発プロジェクト「船橋グランオアシス」が完成しました。事業面積は約17380坪、東京ドーム約1.2個分にあたります。
「船橋グランオアシス」は、東武アーバンパークライン塚田駅から徒歩4分という利便性の高い地にあります。かつてはAGCテクノグラス中山事業場(2012年9月閉鎖)がありましたが、2018年7月に大和ハウス工業が土地を取得し、開発を手掛けました。
大和ハウス工業の総力が結集された、この開発においては、以前から船橋市、地域を代表する行田町会とも協議を重ね、どのような街にするか3者で話し合いをしながら、新しい街づくりがスタートしました。
プロジェクトを指揮した大和ハウス工業の渡邊は、街の特徴について、「5つの用途の開発ということで、まさに大和ハウス工業の総合力をフルに活かした開発となりました」と語ります。大和ハウス工業は、多様な事業リソースを活かし、三大都市圏や地方中核都市で複合開発を推進しています。その中でも、「船橋グランオアシス」はより多くの事業リソースが活かされた大規模複合開発です。
開発にあたり重視したのが地域との連携です。行田町会会長の平尾様からは、「開発地区の道路を広げてほしい。車が交差できる道路にしてほしい」というご要望をいただきました。
開発エリアの半分以上を占める住宅街区
住宅街区には、分譲マンション、賃貸住宅、戸建住宅が建ち、計859戸が居住できます。開発エリアの中心を担う分譲マンション「プレミスト船橋塚田」(分譲済)は、敷地面積約1499坪、11階建て、2LDKから4 LDKまで571戸を備えた、街の要とも言える大型マンションです。大きなマンションなので、地域の方々に圧迫感を与えないよう、配置計画で分棟、分節をしました。また、外観のデザインには白を基調としたファサードを設置。さらにダッチデザイン(コンセプチュアルなデザイン)を使い、外観のデザインも分節化しています。地域の価値を上げるため、外構の植栽を豊富に配置し、全部で約2,000平米の緑地を確保。さらに、地域の方々も利用できるラウンジを設置し、ご入居者と地域住民の融合を支援します。
また、共用部にはフィットネスルームやリモートワークもできるラウンジに加え、キッチンを備えたパーティールーム、工具を揃えたクラフトルームなど、多様化するライフスタイルに合った施設を備えています。
その隣には、賃貸マンション「ロイヤルパークス船橋」があります。敷地面積約2,074坪、11階建てで、ワンルームから3LDKまで223戸を備え、フィットネスジムや来客者宿泊用のゲストルームなど共用施設が充実しています。
低層賃貸住宅エリアには、3階建て賃貸住宅が4棟並びます。敷地面積約578坪、ワンルームから3LDKまで39戸を備えています。
戸建住宅
エリアに建つのは「セキュレア船橋グランオアシス」(分譲済)。敷地面積約1,067坪、全26区画のすべての住宅に太陽光発電システムや家庭用リチウムイオン蓄電池などを備え、さらにエネルギーを効果的に制御するマネジメントシステムを導入しています。
そして、幹線道路に面して複合商業施設「フォルテ船橋」があります。開発面積は4,339坪、駐車場は247台。大型スーパーマーケット「ベルク」様が施設を建て、ドラッグストアや100円ショップ、塾や医療機関などを誘致し、生活に便利な13店舗がテナントとして入っています。
再生可能エネルギー電気を100%供給
大和ハウス工業は、プロジェクトを進めるにあたり、「再生可能エネルギー電気を100%供給するまちをつくる」というテーマに挑みました。住宅エリアに住む方々の使う電気、共用部や街灯に使われる電気に、再生可能エネルギー発電所の証書を使うことで、CO2排出係数ゼロの電気を供給することを目指しました。今回は、2018年に本格稼働し、大和ハウスグループが管理をしている、岐阜県飛騨市の菅沼水力発電所の電力の証書を使っています。
大和ハウスグループは、全国433カ所※の再生可能エネルギー発電所を管理・運営しています。菅沼水力発電所は、約2,700戸分の供給力を持っています。開発工事の電力も菅沼水力発電所の証書を利用し、再エネ電気100%で工事を行いました。さらに、戸建て分譲住宅エリアでは、住宅間で電力の融通を可能にし、AIを用いた高度なエネルギーマネジメントシステムも導入しました。こうした先進的な取り組みが、環境省など各方面から評価を得ています。
※2022年3月末日現在
今後の展望
完成後、行田町会会長の平尾様からは、「結果として2車線道路ができました。開発していただいて広くなったので、2トン消防車が堂々と通れるようになって、歩道もできました」と評価いただきました。
プロジェクトを指揮した渡邊は、「開発が始まる前は反対意見もありましたが、実際にできてみると、道も広くなって、さらに商業施設もできたことで、地域の方からいい街づくりができたねという声を聞くことができて良かったです」と語ります。
今後の展望として、「これから、このような大型の複合開発を全国いろいろなところで実施し、大和ハウス工業が街づくりをしてよかったと思っていただけるよう、進めていきたいと思います」と意気込みを語りました。
大和ハウス工業が長年培ってきた、住まいや暮らしに関するノウハウを活かした、大規模複合開発「船橋グランオアシス」。大和ハウス工業の挑戦はこれからも続きます。