ハウジングマイスター(一級建築士)
福岡 義邦 WORKS
- 「きたのひかり」
- 自然に囲まれた場所に建築。北に森林公園が広がる三角形の敷地。そのポテンシャルを活かした個性的な住まいを築きたい。総2階のシンプルなシルエットとは対照的に、内側には数々の工夫を凝らした空間をデザインしました。
玄関からホールへ続くタイルの空間
開放的な印象をもたせるため、玄関ホールは広めに設け、重厚感のある黒いタイルを三和土(たたき)から廊下まで連続させました。下足箱を低く横長にすることで空間全体の重心を下げるとともに、障子から漏れる自然光によって和の雰囲気を演出します。正面の障子を開くと、和室奥のテラスの緑が目に飛び込んできます。
10枚の障子と“一枚”の景色
左右に並べた10枚の障子。正面には、北側の緑の景色を切り抜いたピクチャーウインドウ。足元には玄関から続く黒いタイルの廊下。非日常的な不思議な空間を暮らしの軸としました。左手の障子を開くとダイニング・キッチン、右手を開放すると和室が現れ、1階全体が大きな一つの部屋となります。
生活の中心にキッチンを据える
料理を趣味とし、食べることを大切にしているご家族。キッチンと一体型のテーブルを1階の中心に据え、そこから住まい全体を計画していきました。障子を開放すると和室や階段ホールと空間がつながり、家事をしながら子どもたちの姿を確認することができます。左手にはBBQも楽しめるテラスを設けています。
和室のフレキシビリティを効果的に
リビングにも、子どもたちの遊び場にもなる和の一室。来客時には応接室やゲストルームなど柔軟に活用でき、限りある空間を有効に使うことができます。正面のハイサッシは朝日を狙ったもの。畳と廊下のタイルとの間には板の間を挟み、デザインを品良く整えました。
やさしい明るさをもたらす北の光
階段の吹き抜けに設けた2つのFIXウィンドウからは、北のやさしい光が訪れます。「朝、目覚めて階段を下りていく時に、美しい緑の景色が目を楽しませてくれる」と、2つの窓の効果を日々実感していただいています。
内と外をつなげる階段下の地窓
北側に設けた階段が閉鎖的にならないようスケルトン階段とすることで、階段下にも遊び心のある空間が生まれました。地窓の向こうにはタイル張りのテラス。自然光が足元を明るく照らします。
- 福岡 義邦Fukuoka Yoshikuni
- モットーは「一期一会」。一人一人のお施主様、そして一邸一邸の住まいづくりを大切にしたいと考えている。趣味はカメラや水彩画で、休日の楽しみの一つ。家族は同じ大学で知り合った妻、3人の子ども、1匹の愛犬がいる。
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