トランクルーム市場は2倍になる?宅配型トランクルームが利用できる賃貸住宅
公開日:2019/06/28
更新日:2019/09/12
増加するトランクルーム市場
2018年度のトランクルームの市場規模は、矢野経済研究所の調査によると、743億3000万円と推計され、これは前年度対比+6.7%となっています。トランクルーム市場規模は2013年度に500億円を超え、2015年度に600億円を超えました。
そして2016年度は652億円、2017年度は697億円となっていましたが、2018年度は700億円を大きく上回ったようです。市場の6割程度は首都圏の需要で、現在は需要に偏りがあります。しかし、今後は全国的に広がっていくものと思われます。
2020年度の収納サービス(レンタル収納・コンテナ収納・トランクルーム)の国内市場規模は829億3000万円と予測されており、これは2011年度比で約1.8倍の市場規模に達することになります。
特に、3大都市圏では、地価上昇・住宅価格の上昇が続いているため、ファミリー向け物件では、想定よりも面積が狭い物件の購入に踏み切る方が多く、トランクルームの活用がさらに広まると思われます。
- ※(株)矢野経済研究所 : 2018年度国内の収納サービス(レンタル収納・コンテナ収納・トランクルーム)の市場トレンド調査結果2018年度=18年9月~19年3月より
賃貸住宅におけるトランクルーム
大和ハウス工業が提供する賃貸住宅、「D-room」に「D-room+」という、「最大3つのサービスが選べる物件」があります。該当する賃貸住宅に住まわれる方に3つの便利なサービスを付加できるというものです。その選べるサービスの中の1つに、「クラウド収納サービス」という項目があります。「クラウド収納サービス」は、いわば「宅配型の収納サービス」です。一般的なトランクルームの利用とは異なり、預けたい荷物を集荷してもらい、また必要な時には持ってきてもらうというサービスです。有料・無料の場合があり、回数に応じて費用がかかるタイプ等もあります。
収納スペースが十分に確保されていることは、賃貸物件選びの重要ポイントのひとつです。
しかし、都市部の賃貸物件で主流である、ワンルームや1Kの部屋では、収納スペースを十分に取ろうとしても限界があります。さらに、大都市部における賃貸物件賃料が高くなってきています。そうすると、「収納スペースが想定よりも狭いけれど、賃料はこれ以上出せないので妥協する」人が増えるという可能性が出てきます。このような場合、引っ越し前に持っていた荷物が部屋の中に収まりきらなくなり、捨てるか、どこか別の場所に保管するか、という選択になり、トランクルームの需要が高まることが予想されます。
しかし、賃貸物件で建物内にトランクルームが付いているものはほとんど見かけません。このような背景から、「D-room+」が提供している、「クラウド収納サービス」、つまり「宅配型の収納サービス」が利用できる物件の人気が今後高まるのではないでしょうか。