ずっと暮らしてきた愛着あるこの場所を、
いかに次の世代へ受け継いでいくか、それは人生の大きな課題です。
自分たちの世代からさらに次の世代へ、長く豊かに暮らしていくためにも、
敷地の価値を活かす方法をご提案します。
神奈川県K市に約100坪の土地をお持ちのS様ご家族。
将来的なことを考えて、賃貸併用住の相談に来られました。
S様の家族構成は、S様、S様夫人、娘、息子の4人家族。娘と息子はすでに独立し、現在はご夫婦だけでK市の家に暮らしています。築30年の家の建て替えを希望され、相続税についても不安があるそうです。
それでは、S様家族について、順を追ってシミュレーションしていきましょう。
家族構成 ■ S様:60歳 / S様夫人:59歳
STEP 1:自宅の建て替えのみと、賃貸併用住宅の2パターンをご提案
【試算条件】住所:神奈川県K市/路線価22万円/敷地面積330m²(99.82坪)/自宅と賃貸の面積比5:5
収支を比較します |
建て替えの場合 2階建(3LDK) |
賃貸併用住宅の場合 自宅(2LDK)+賃貸(2LDK×2戸)の2階建 |
---|---|---|
建設費 | 3,200万円 | 6,400万円 |
頭金 | 500万円 | 500万円 |
ローン借入額 | 2,700万円 | 5,900万円 |
年間収入 | ||
家賃収入 | ------ | 398.4 万円 |
年間支出 | ||
ローン返済額※1 | 163.9万円 | 358.2万円 |
固定資産税・都市計画税※2 | 32.6万円 | 65.3万円 |
諸経費 | 0万円 | 26.6万円 |
所得税・住民税※3 | 0万円 | 27.5万円 |
支出計※4 | 196.5万円 | 477.6万円 |
月額支払額 | 約16.4万円 196.5万円÷12ヶ月 |
約6.6万円 (477.6万円-398.4万円)÷12ヶ月 |
---|
- ※1固定金利、元利均等20年返済、金利2.0%(住宅ローン)で計算。
- ※2新築住宅に対する固定資産税の減額特例適用前の金額。
- ※3賃貸開始後10年目の年で他の所得がない前提で計算。
- ※4所得控除等は考慮しないで計算。
賃貸併用住宅だと、ローンの実質負担の大幅な軽減が期待できます!
※シミュレーションしたものであり、一定の金額等を保証するものではありません。
STEP 2:大切な土地を次の世代に受け継ぐために、今後の相続税についてもコンサルティング
土地:約100坪(330m²)/ 7,260万円(路線価)
※相続税評価額は、土地のみ対象と仮定。実際には土地の相続税評価額に加え、建物の固定資産税評価額・不動産以外の財産をもとに算出します。
将来的に、お子様2人が法定相続人となった場合
【7,260万円】から基礎控除である【3,000万円+600万円×法定相続人の数】を控除した金額が、【相続税課税ベース】となります。
7,260万円 - 4,200万円
(3,000万円 + 600万円×2人)
= 3,060万円
算出された、【相続税課税ベース】を法定相続分で仮定配分した金額に、【相続税課税ベース×税率-控除額】を乗じて相続税の総額を計算します。その総額を各人が実際に取得した財産の割合に応じて各人の相続税が算出されます。
相続税の税率
課税ベース | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000万円以下 | 10% | 0万円 |
3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
1億円以下 | 30% | 700万円 |
2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
CASE1:自宅に建て替えた土地を相続した場合
法定相続分で相続したと仮定すると...
娘3,060万円 × 1/2 = 1,530万円 1,530万円 × 15% - 50万円 = 179.5万円 ※息子も同様に計算します。 |
相続税 359万円 |
CASE2:賃貸併用住宅に建て替えた土地を相続する場合
(賃貸部分のみ、小規模宅地等の特例が使えます)
賃貸部分 |
7,260万円 × 50% × (1-0.7×0.3)(※1) = 約2,868万円 約2,868万円 ×(1-0.5) = 約1,434万円 |
相続税 86.4万円 |
---|---|---|
住居部分 | 7,260万円 × 50% = 3,630万円 | |
全体 |
約1,434万円 + 3,630万円 = 約5,064万円 約5,064万円 - 4,200万円 = 約864万円 約864万円 × 1/2 × 10% = 約43.2万円 ※息子も同様に計算します。 |
CASE3:賃貸併用住宅に建て替えた土地を、相続が発生する前に、二世帯同居にした上で相続する場合
(賃貸部分のみならず、住居部分も小規模宅地等の特例が使える可能性があります)
賃貸部分 |
7,260万円 × 30% × (1-0.7×0.3)(※1) = 約1,721万円 約1,721万円 ×(1-0.5) = 約861万円 |
課税なし |
---|---|---|
住居部分 | 7,260万円 × 70% = 5,082万円 5,082万円 × (1-0.8) = 約1,017万円 | |
全体 |
約861万円 + 約1,017万円 = 約1,878万円 約1,878万円 - 4,200万円 = 0円 【試算条件]建物の70%を住居部分、30%を賃貸部分と仮定 |
※1貸家建付地の評価は、約20%(借地権:70%と仮定 借家権:30%)減額されます。
コンサルの結論
賃貸併用住宅であれば、将来的に二世帯で暮らす場合にも間取りを変更せずに対応することができます。
家の寿命が延びた今、S様には先を見据えた住まいづくりをご提案。賃貸併用住宅への不安もありましたが、経営や相続のプロからアドバイスを受け、納得の住まいづくりとなりました。