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生活を考える

家族の生活音もストレスに。ストレス軽減のコツ10選と
「やすらぐ家」

暮らしの中で感じる音は心地よいものばかりではなく、
大きすぎたり不快だったりする騒音も含まれています。
騒音によるストレスを感じる人も多い中、
家の外からの騒音や家族が出す生活音などを減らす工夫など、
自宅の音環境を快適にすることも大切になってきました。
そうした音を抑える工夫とあわせて、
家づくりで防音・静音にこだわる「やすらぐ家」をご紹介します。

身のまわりの生活音の例とその大きさ

私たちの暮らしは音にあふれています。その中でも不快に感じる騒音として、家の外からの音や家の中の「生活騒音」があり、音によるストレスで悩む人は少なくありません。

身近な生活音。意外と大きなものは?

話し声や足音、ドアの開閉音のように暮らしの中で発生する音、家電品・オーディオ機器をはじめ各種の機器が出す音などの生活音のうち、特に家族や周囲に住んでいる人が不快に感じるものは「生活騒音」とも呼ばれます。

不快に思われる主な要因は音の大きさ、音の高さ・低さ、音が発生する時間帯などで、主な生活音の大きさは以下の通りです。

出典:東京都環境局 生活騒音より
*は環境省「地方公共団体担当者のための省エネ型温水器等から発生する騒音対応に関するガイドブック」より作成

上の表にあるdB(デシベル)は音の強さなどを示す単位で、これを人が感じる音の大きさを表すように調整した数値は「dBA(デシベルエー)」という単位で示されます。音は10dBA増えるごとに倍の大きさに聞こえるとされ、例えば50dBA→60dBAは約2倍、50dBA→70dBAは約4倍、50dBA→100dBAは約32倍大きく聞こえることになります。

生活音の目安として、一般的に静かな環境とされる図書館は40~50dBAなのに対し、家でピアノやトランペットなどの楽器を演奏した場合、一緒にいる人が感じる音の大きさは80~100dBAほど。ちなみに電車のガード下で感じる音も100dBAくらいです。また、テレビの音や人の話し声は50~70dBA程度で、テレワークでPCに向かって話している声も、意外に同程度となっています。※1

※1ダイワハウス快適防音室&静音室「音の自由区」より

数値は、ダイワハウスで測定した数値(JISA1417:2000 建築物の空気音遮断性能の測定方法に基づく)ですが、性能値として保証するものではなく、使用状況や周辺の環境、間取りなどにより異なる場合があります。

騒音に関する苦情は近年急増。テレワークの普及も影響?

家の外からの騒音について、各自治体の公害苦情相談窓口が受け付けた苦情件数は、ここ数年で急増しています。2019年度まで1万6,000件前後で推移していましたが、2020年度に2万件近くになり、2021年度も1万9,000件近くとなっています。

公害苦情受付件数のうち騒音の苦情件数の推移

出典:総務省「令和3年度公害苦情調査結果報告書」典型7公害の種類別公害苦情受付件数の推移から騒音の苦情件数を抜粋して作成

こうした苦情の原因は工事現場などから出る音、工場の稼働音、飲食店やカラオケの音などが多いのですが、2020年度からの苦情件数の増加は、コロナ禍でテレワークや自宅待機が増え、自宅周辺の音が今まで以上に気になる人が多くなったことも考えられます。

家の中の音や外からの音でストレスを感じる人は多い!

家の中で発生する音や家の外からの騒音に不満や悩みを抱える人、騒音が生活環境に影響している人は多いようです。大和ハウス工業による調査(2023年1月実施)では、以下のように「家の中の音や外からの音で、ストレスを感じたことがある」は7割以上、家の中の音環境に不満を持っている人は半数以上にのぼります。

生活音のストレスを感じる状況

ではどんなとき・どんな音がストレスになりやすいのでしょうか。生活音にストレスを感じる状況、生活音を出すのが気になる状況について調査結果を見てみましょう。

家族や周囲の生活音が気になるとき

前述の音のストレスについての調査で、「家の中で自分自身が聞いてストレスに感じる音」について多かった回答は、自動車やバイクのアイドリング・空ふかしの音、さまざまな交通機関の音、選挙や商業宣伝のスピーカー音といった外からの大きな音でした。ただ、家電の稼働音や合図音、子どもの泣き声などにストレスを感じる人も約2割いて、家族と暮らしていると、家の中の日常的な音にも配慮が必要な場合があります。

家の中で自分自身が聞いて、ストレスに感じる音

大和ハウス工業調べ

住まいの騒音。自分では気づかない意外な「音」とは?

特に家の中や近隣の家からの生活音をストレスに感じるのは、音の大きさばかりではなく、ゆっくり休みたい、仕事や趣味に集中したいといった「自分がやりたいことの妨げになる」ときに多いようです。

例えば

  • 自分が寝ようとするとき
  • 静かに読書などをしたいとき、じっくりテレビや動画などを見たいとき
  • 在宅勤務で集中したいとき、テレワークで打ち合わせ中のとき

といった状況で他の家族が話をしている、テレビを見ている、家電品などの稼働音がする、子どもがはしゃいでいる、などの音がするとストレスに感じやすいようです。

ただ、音の大きさは同じでも、音を出した人と聞く人との関係性(よく知っている人か知らない人かなど)によって感じ方が違う場合があります。

例えば、祖父母が孫の走り回る足音を聞いても「今日も元気に遊んでいるな」と感じるのに対して、隣の家から響く足音はストレスを感じるといったケースもあるでしょう。

自身が出す生活音が気になるとき

逆に、周囲に音を出さないよう配慮することが、その人にとってストレスになるケースもあります。

「近所や家族に迷惑をかけないよう気を遣っている音・抑えている音」の調査では、「テレビやスマホ・ラジオから出る音」「演奏する楽器の音」「音楽鑑賞の音」など娯楽や趣味に関わるような音が上位となっています。好きなことを楽しむときに、必要以上に配慮してしまうとストレスにつながりやすいでしょう。

例えば

  • 子どもがリビングなどで熱心に勉強しているとき
  • 家族がテレワークで社内や取引先と話しているとき
  • 赤ちゃんが近くで寝ているとき

などでは、掃除機をかけるなど大きな音を立てる家事をしない、テレビを見るのを控えるなど配慮することで、配慮する側がストレスを感じることも。

ほかにも、子どもの泣き声や家族同士の会話など、普段の生活で出てしまうような音にも配慮する傾向があり、ストレスの要因となりそうです。大きな音や生活音による負担や音を出さないことでのストレスを減らすためにも、家の中での対策は必要といえそうです。

あなたやあなたのご家族が、隣近所や家庭内の同居人に対して、
迷惑をかけないように、気を遣っている・抑えている音

大和ハウス工業調べ

住まいの騒音。自分では気づかない意外な「音」とは?

生活音のストレスを軽減するコツ10選

家族の生活音など、身近な音で感じるストレスを減らすには、どのような対策やコツがあるのでしょうか。今住んでいる家でできる対策と、これからの家づくりでできる対策、計10選をご紹介します。

住んでいる家や部屋に工夫をする方法

1. 吸音性や遮音性のあるシート・ボードを
部屋の壁に貼る

吸音性は音を吸収して、室内の音の聞こえを小さくする機能のこと。室内音が小さくなるので外に伝わる音も低減する効果が期待できます。遮音性は音を遮って外に伝わりにくくする機能です。遮音だけでは部屋の中に音が跳ね返って、室内の音がストレスになる場合があるため、遮音シートと吸音シートを組み合わせて使う方が良いとされています。さらにシートよりも厚みのある防音ボードの方がより大きな効果が期待できます。ただ、壁の上から貼る場合、こうした効果は限定的と考えられます。

2. 防音カーテン・ボードをつける/防音マットを敷く

壁よりも外に音を伝えやすい窓は、吸音や遮音の効果がある防音カーテンや、取り外しできる防音ボードをつけることで、外に漏れる音を低減することができます。ただ、防音カーテンは生地の厚みや加工、3層・4層といった構造などで効果に違いがあるので、確認して購入しましょう。このほかマンションで下の階に音を伝えにくくするには、床に防音マットを敷くなどの方法があります。

3. 室内にパーテーションを立てる

家の中で、周囲に音が伝わりにくくする、または周囲からの音を低減する工夫として、パーテーションを使う方法が考えられます。例えば、リビングの一角にテレワーク用のスペースを設けている場合、吸音性のあるパーテーションで仕切ることで、互いの音の伝わり方を軽減することができます。

4. 家具や家電の配置を変える

家の外や隣室に伝わるテレビの音、冷蔵庫の稼働音などを低減したいとき、壁から少し離したり、違う位置に置いたりといった配置換えが有効な場合があります。

5. 音に配慮した家族間のルールをつくる

仕事や勉強に集中している家族がいる時間帯は、なるべくその場所から離れる・静かにする、テレビを見たり音楽を聴いたりする時間帯を決めるといった、家族間のルールをつくることも考えられます。ただ、配慮する側の負担も大きいため、ほかの時間帯は希望を優先するなどバランスをとることが必要です。

家づくりの段階で工夫をする方法

1. 高気密・高断熱の家にする

高気密とは壁や窓など外部に接する部分の隙間を極力なくして、外気の侵入を防ぐことです。窓にも高い気密性・断熱性を持たせています。空気の入れ換えは、2003年からすべての建築物で義務づけられた24時間換気システムで行うため、通常は窓を開けなくても換気が行われます。

音は空気や物の振動によって伝わるので、高気密で外との空気のやり取りが少なければ、外からの音が聞こえにくく、家の中の音も外に伝わりにくくなります。気密性の高い窓は遮音性も高く、高断熱のために用いる壁や床の断熱材が音を吸収しやすいため、音が伝わりにくいメリットもあります。

2. 遮音の高い壁や床にする

屋外の騒音は、音が壁を揺らす振動により屋内に伝わるため、その振動を外壁材と内壁材で抑える二重の防振技術を採用した壁もあります。

また、床も同様です。戸建住宅の場合、2階で発生する足音や椅子を引きずる音などの生活音が、1階に聞こえて悩まされることもあるかもしれません。それらを効果的に抑えてくれるような、二重の防振技術を採用した床なども検討しましょう。

ダイワハウスの注文住宅xevoΣの遮音性

3. 防音性能の高い建築構造を選ぶ

一般的に木造より、RC(鉄筋コンクリート)造やSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート)の方が遮音性に優れているとされています。ちなみに、木造と鉄骨造(軽量鉄骨造と重量鉄骨造がある)では、防音性能に大きな差はないとされていますが、重量鉄骨造の場合は鉄骨に厚みがあるため、木造よりも高い防音性能が期待できるでしょう。

4. 間取りを工夫する

就寝中に浴室やトイレの音を聞こえにくくするには、寝室と水まわりがなるべく離れた間取りにするといいでしょう。子どもの声が外に響かないようにしたいなら、家の壁側ではなく中央部に配置することが考えられます。また、服が多く収納された押し入れ・クローゼットはある程度の防音効果があるため、壁際に設けて外への音漏れを軽減する、寝室と隣室の間に設けて就寝中を静かに保つ、などにも有効です。

このほか、2階建て以上の建物では、階段部分から下の階の音が上の階に伝わりやすくなるため、静けさを求める寝室などは階段から離すなどの配慮も必要です。

5. 防音室をつくる

ホームシアターで映画や音楽を楽しみたい、楽器を演奏したいといった希望があるなら、最初から防音室を設けることも考えましょう。従来の防音室に対する「狭い、低い、暗い」というイメージとは異なる、開放的な防音室をつくることも、最新の技術では可能になっています。

音が気になる人や防音性の高い家に住みたい人は、防音・遮音についての知識や技術、経験が豊富なハウスメーカーを選ぶことが大切です。

生活音のストレスを軽減する「やすらぐ家」

外からの音や家の中で発生する音に関するストレスが減ると、暮らしの幸福度がアップすることも期待できるでしょう。メリットをご紹介します。

生活音のストレスを軽減する家のメリット

周囲に気兼ねなく子育てがしやすくなる

赤ちゃんの泣き声や子どもの走り回る音などが、部屋の外に伝わりにくくなれば、そうした音について周囲を気にすることが減ります。さらに防音ドアの代わりに静音ガラス引き戸「静音スクリーン」を設置すれば、自分は静かな空間にいながら、引き戸の向こうにいる家族の様子も分かるといった生活音のコントロールが可能になります。

テレワークの生産性が上がる/家族のストレスが減る

仕事をするスペースの静音性を高めることで、在宅勤務の生産性が上がることが期待できます。また、家族は「仕事中は静かにしなければならない」と気を遣うことが少なくなります。

子どもが勉強に集中しやすい/家族のストレスが減る

静かな環境の方が勉強しやすい人は、静音性が高いスペースがあればより集中しやすくなるでしょう。周囲の騒音が学習効率にどう影響するかを調べた研究でも、騒音がない環境の方が、会話音などの騒音がある環境よりも学習効率が高いという結果が出ています。

※日本建築学会環境系論文集/75 巻 (2010) 653 号「教室内音環境が学習効率に及ぼす影響」より

ただ、「周囲が適度にざわついていた方が集中しやすい」という人もいるため、全ての人に当てはまるとは限りません。

睡眠の質向上が期待できる

就寝中も周囲の音でよく目が覚めてしまうような人は、静かな環境で眠ることで睡眠が途切れにくくなり、深く眠れるなど睡眠の質が向上することが期待できます。

さまざまな工夫で音に関するストレスが軽減されると、今以上に生活を楽しめるようになり、その家で暮らしの質もアップするでしょう。

図書館並みの静けさが特長。ダイワハウスの「やすらぐ家」

こうした音をコントロールして生活の豊かさを生み出す環境を、「音の自由区」として提案しているのがダイワハウスです。例えば、静かな空間を生み出す「静音室」を備えた「やすらぐ家」には以下のような特長があります。

図書館と同程度45dBAの静けさを生む静音室

静音室は家の中に静かな空間を生み出し、屋外からの交通騒音や室内の生活音など90dBA程度の音を減音して、静音室内を図書館と同程度の45dBAに保つことができます。

例えば、落ち着いた環境が必要な仕事や子どもが集中して勉強するときに使うほか、静かな場所で読書や趣味を楽しむ、ヨガなどで心と体を整えるなど、一人で何かに取り組みたいときにも静音室は向いています。また、静かな環境でぐっすり眠れるよう、寝室を静音室にすることも考えられます。

室外の様子が見える静音ガラス引き戸「静音スクリーン」

ダイワハウスの静音室は、壁一面を静音ガラス引き戸「静音スクリーン」にすることもできます。開放感がありながら静かな空間を実現でき、室外の様子は目に入る状態で仕事に集中することができるため、「自分の周囲は静かでも、子どもが泣いたりぐずったりしたら気づきやすい」といった環境がつくれます。

※数値は、大和ハウス工業で測定した数値(JISA1417:2000 建築物の空気音遮断性能の測定方法に基づく)ですが、性能値として保証するものではなく、使用状況や周辺の環境、間取りなどにより異なる場合があります。

このほかにも、防音性を高めたラインアップがそろいます。室内で演奏する音の大きさによって、一般的な楽器演奏に向いた「奏でる家」、より大きな音や重低音を出すドラムやバンド演奏などに向いた「奏でる家+」があります。

ライフスタイルに合わせて最適な防音・静音のグレードをお選びいただけます。

これからのリブスタイルを考える 快適防音室&静音室「音の自由区」で仕事や趣味を快適にしませんか

騒音や生活音でストレスを感じている人は、まずは手軽に始められる音対策を取り入れてみましょう。戸建住宅の建築を検討されている人は、防音室を取り入れてみてはいかがでしょうか。

防音室と聞くと“狭い・低い・暗い”というイメージを持たれる人もいるかもしれませんが、ダイワハウスが提案する「音の自由区」は、建物と防音室を一体設計することによって、“広い部屋・高い天井・窓からの明るさ”が特長のプランです。例えば、LDK全体を防音室化することも可能で、ホームシアターはもちろん、グランドピアノによる演奏なども、普段の生活スペースで心地よく楽しむことができるでしょう。

実際に防音・静音の効果を体感してみると、暮らしの中で音をコントロールするメリットがより分かりやすくなるかもしれません。ダイワハウスの「音の自由区」がある住宅展示場は、以下のリンクから探せるので訪ねてみてはいかがでしょうか。

お話を伺った方

大塚 有美さん

住宅情報誌の編集職を経て、フリーランスに。 現在「住宅とその周辺」をテーマに雑誌などを中心に活動中。住み手の目線から長く暮らせる家を探求している。

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