リビングに漂う前日の夕飯のにおい、ペットのにおい、洗濯物の生乾き臭…。
こまめに掃除していても、家の中にはにおいの発生源がたくさんあります。
また、芳香剤の活用など、良かれと思って行った香りのケアが、家族間の摩擦を招いていることも…。
今回は家の中のにおいとその対策についてアンケートを実施しました。
調査時期 | 2024年12月6日~12月15日 |
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調査対象 | My House Palette メールマガジン会員 |
有効回答数 | 681件 |
調査方法 | My House Palette メールマガジンでのアンケート |
Q1. 住まいで最もにおいが気になる場所はどこですか?
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においが気になる場所が「特にない」と回答した方が12%いましたが、それ以外の88%の方は何らかのにおいが気になっていることがわかりました。
においが発生しがちな「トイレ(27%)」や、魚焼きグリルやごみ箱など、においの発生源が多い「キッチン(22%)」は、要注意な場所のようです。3番目に多かったのが「ダイニングおよびリビング(11%)」でした。キッチンに隣接するため、においが漂ってきたり、長い時間を過ごすため、においに敏感になったりするのかもしれません。靴などのにおいがこもりやすい「玄関(10%)」は、「家の顔」といえる場所だけに来客者の反応も気になるところです。
他にも、カビが発生しやすい「浴室(6%)」、布製品ににおいが蓄積されやすい「寝室(4%)」の回答もあり、においはさまざまな場所で発生していました。
Q2. Q1で選んだ場所について、
どのようなにおいが気になりますか?(複数回答)
家の中のにおいは、場所によって異なるものです。まずはQ1で「住まいで最もにおいが気になる場所」の上位にランクインした「トイレ」「キッチン」「ダイニングおよびリビング」について詳しく見てみましょう。
トイレの気になるにおい
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予想通り、トイレの気になるにおいの最多は「アンモニア臭(86%)」でした。次いで「下水臭(22%)」となり、この2つのにおいが多数を占めました。
対策としては、「消臭剤などにおいを消すアイテムを使う(52%)」「芳香剤など良い香りが漂うアイテムを使う(51%)」が多く、次に「窓を開けて換気を行う(43%)」「換気扇などの設備を使って換気を行う(29%)」と続きました。
消臭剤や芳香剤は導入が手軽であること、また換気だけでは除去できないにおいに対して補助的に使っている方もいるようです。その他「しっかり換気できるよう、換気扇のフィルターはこまめに掃除している」「寒い季節でも定期的にトイレの窓を開けて換気している」といった声も見られました。
キッチンの気になるにおい
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キッチンの気になるにおいは「調理臭(58%)」をおさえて「生ごみ臭(67%)」が1位となりました。そこに「下水臭(12%)」「香辛料、スパイス臭(12%)」と続きます。
対策としては、「換気扇などの設備を使って換気を行う(57%)」が最多で、次に「窓を開けて換気を行う(41%)」「消臭剤などにおいを消すアイテムを使う(29%)」の順という結果に。前述のトイレのにおい対策では、消臭剤や芳香剤の使用が目立ちましたが、キッチンは食べ物を扱う場所だけに、消臭剤や芳香剤のような化学的な対策に頼らず、換気をして物理的ににおいを外に出している方が多いようです。
また「独立型キッチンなので、においがこもりやすいのが悩み」という声がある一方で、後述のQ7では、もし新たに家を建てるなら「キッチンを独立型にして、においを拡散させないようにしたい」という意見もありました。キッチンは住まいづくりの際に、換気設備や間取りと合わせて総合的に検討する必要がありそうです。
ダイニングおよびリビングの気になるにおい
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「調理臭(53%)」が最多で、次に多かったのが「生ごみ臭(26%)」。キッチンに隣接しているため、においが流れて、油煙が壁や床に付着していることも考えられます。「ペット臭(22%)」の回答も多く、リビングに置かれたペット用トイレやケージがにおいの発生源になっている場合も。他にも、タバコ臭、室内干しの生乾き臭、加齢臭、汗臭、カビ臭など、家族が長い時間を過ごす場所では、さまざまなにおいにお困りの様子が伝わってきます。
対策としては、「換気扇などの設備を使って換気を行う(47%)」と「窓を開けて換気を行う(47%)」が並ぶ一方で、「消臭剤などにおいを消すアイテムを使う(40%)」の回答も多めでした。その他「朝イチでリビングに入ると、前日の調理臭が気になるので窓を開けて換気扇を回している」「24時間換気と窓を開けて空気を入れ替え、カーペットやクッションなどの布製品は消臭スプレーで対策」という声も。また、ペットのにおいは布製品に付着しやすいようで、それが室内に広がることも。「ペットシーツは頻繁に交換。ペット用クッションやブランケットもこまめに洗う」といった対策も見られました。
その他の場所についても以下のような回答がありました。
- 玄関…「カビ臭(30%)」「汗臭(23%)」と、靴からの汗臭よりもカビの方が深刻という結果に。構造上、湿気がたまりやすくなることでカビが発生したり、長時間履いた靴からの汗臭が漂ったりして、においにつながっているようです。「玄関に隣接するシューズクローゼットからの靴のにおいと靴クリームなどの混合臭が気になる。換気口がないので隣接する周囲の部屋のドアを開けて換気している」など、換気でお困りの様子も見られ、芳香剤や消臭剤で対処している方が多いようです。一方で「換気扇付きのシューズクロークがあるので、玄関ににおいが広がらず助かっている」という声も。
- 浴室…気になる主なにおいは「カビ臭(50%)」と「下水臭(48%)」でした。対策では「においの発生源を除去」「窓を開けて換気を行う」がいずれも45%でした。その他、「お風呂場の窓に網戸がなく、虫の侵入が嫌で換気扇を回しっぱなしにしている」「換気扇の掃除を含め、見える場所はすべてキレイにしている」といった意見が寄せられました。
Q3. においの観点から行っている、住まいの間取りや設備の工夫を教えてください。(複数回答)
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※「エコカラット」は(株)LIXILの登録商標です。
設計の段階では半数以上の方が、におい対策について「特に工夫はしていない」と回答しました。何かしらの対策を講じた方は「風通しや空気の流れを良くした(33%)」「トイレやお風呂場にも換気扇をつけた(12%)」「窓を多くしたり、大きくしたりした(9%)」「高性能な換気システムを導入した(7%)」と、換気しやすい間取りや設備を導入したケースが目立ちます。
他の回答を見てみると、換気ができるスリット付きの勝手口ドア、エコカラットなどの防臭効果のある建材、汚れがたまりにくく掃除のしやすいキッチン、防汚加工付きトイレなど、においに配慮した建材や設備を使っているという回答もありました。
住宅設備や建材は日々進化しているので、これから家を建てる方はそうしたものを選択することで効果的なにおい対策ができそうです。
Q4. 住まいの間取りや設備に関して、においの観点から失敗したと思うことを教えてください(複数回答)
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※「エコカラット」は(株)LIXILの登録商標です。
「特に失敗はしていない」が51%でしたが、半数近くの方は何かしら後悔しているという結果に。最も多かった「風通しや空気の流れが悪い間取りだった(15%)」については、キッチンでの調理臭が他の部屋に流れてしまうなど、実際に住んでみてから気づく問題が多いようです。窓の設置はもちろんのこと、効果的な空気の流れを生み出せる位置や大きさを考えた設計が重要です。
また少数ですが、住まいづくりの際のにおい対策について、参考になる以下のようなコメントもありました。
- ペットのトイレや食事場所に換気扇を設置すればよかった
- 介護をするようになり、居室にも換気扇をつければよかったと感じた
- 1階のにおいが2階まで上がってしまうので、仕切り扉をつくるべきだった
- トイレの換気扇は下部に設置、もしくは脱臭機能付きの便座にすればよかった
- リノベーションでワンルームに近い間取りにしたら、調理時のにおいが家全体に広がってしまった
- 玄関ドアに網戸をつけて換気できるようにすればよかった
Q5. 家族の中で「においの感じ方」や「香りの好み」は
一致していますか?
「家のにおい対策」と一言で言っても、嗅覚には個人差があり、好みの香りもそれぞれです。そんな家族間の「においギャップ」についても探ってみましょう。
おおむね一致している
- 家族みんなで柑橘系の香りが好きなので満足している
- 家族全員、強い香りは好まない。ナチュラルな香りが好きという点で一致している
一致していないが許容範囲
- 妻がにおいに敏感なのでにおい対策は妻が担っている
- 夫はにおいに鈍感だが、私はさまざまなにおいが気になっている
- 私は強い香りが好きだが、家族は微香派
一致せずストレスを感じている
- 2世帯同居中。両親はにおいに鈍感でドアを開けっ放しにして調理をするので、キツイにおいが1階から2階に上がってきてつらい思いをしている
- 芳香剤の香りの好みが異なるので、みんなが納得できる香りを探すのが難しい
- 私は芳香剤が苦手で無臭を好むが、妻は香りでマスキングしたがる
- 夫は香りの強いものが好きだが、私は嗅ぐだけで具合が悪くなってしまう
その他
- 人間には気にならない香りでも、ペットにとってはどうなのか気になる
- ペットがいるので芳香剤が使えない
- 一人暮らしのため客観的にジャッジしてくれる人がいない。家がにおっていても気づかない…
主に芳香剤や消臭剤といったにおい対策グッズの好みの違いが目立ちましたが、好みの香りを家族間で擦り合わせておく、一致しないなら無香料タイプを選ぶといった気遣いも必要かもしれません。また、においに敏感な方が家族に知らせたり、掃除や換気を家族間でシェアしたりと、家族で協力してにおいケアができるといいですね。
Q6. 住まいの中で発生した「とても不快だったにおい」の
エピソードがあれば教えてください。
これまでに体験した「とても不快だったにおい」については、間取りや設備が原因のものもあれば、近隣から家の中に入ってくるにおいまでさまざまな回答が寄せられました。
トイレ
- トイレに換気扇がなく、窓はあるが大通りに面していて開けられない。結局、換気扇を導入した
- 寝室の前にトイレがある間取りで、においが気になる
- 夫が立ったまま用をたすので、飛び散りが原因で掃除をしてもなんとなくにおう
キッチン
- まれにキッチンの排水口から下水のようなにおいがする
- ラム肉を焼いたら壁にしみ込んだのかしばらく臭かった
玄関
- 他の家に入った瞬間の独特のにおい。自分の家もそう思われているかもと心配
- 自分の靴の異臭が玄関に充満していた
その他
- 寝室から漂う加齢臭が気になる。枕やシーツを洗濯しても消えないので、部屋の壁紙や建材も消臭タイプにしたいと考えている
- 近隣の家の洗濯物から漂う柔軟剤のにおいに耐えられず苦情を言った
- 近所の住人が吸うタバコのにおいが家の中に入ってくるのが不快
Q7. これから家を建てるとしたら、においの観点から間取りや設備についてどんな工夫をしたいですか?
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※「エコカラット」は(株)LIXILの登録商標です。
においの観点から取り入れたい間取りや設備について聞くと、上記のような結果になりました。各項目を選んだ理由も併せて、住まいづくりのヒントにしてください。
「風通しや空気の流れを良くしたい(49%)」
- 嫌なにおいは発生させないことと、発生したらすぐに排出することが肝心だと思う
- キッチンのにおいを排出できるよう、スリット付きの勝手口ドアを導入したい
「高性能な換気システムを導入したい(36%)」
- 窓を開放して自然な風の流れに任せてもいいが、冷房や暖房を使う季節は換気システムの方が便利だと思う
- 熱交換機能のある換気システムなら室温に影響しないので理想的
- 花粉症のため、窓を開けなくてもいい換気システムに頼りたい
「汚れがたまりにくい、掃除のしやすいキッチンにしたい(27%)」
- キッチンが掃除しやすければ、においを元から断ち切れると思う
- 排水口の中も掃除がしやすければ、においを軽減できそう
「防臭効果がある建材を使用したい(エコカラット、漆喰など)(26%)」
- 防臭や除湿など、特別な効果がある建材の導入には関心がある
- 玄関はデザインの面からもエコカラットを採用したい
「防汚加工されているトイレにしたい(25%)」
- 使うたびに掃除することが難しいので、汚れがつきにくいことは大事
- 凹凸が少ないなど、最新のトイレはにおいや汚れが付着しにくいと聞くので取り入れたい
その他
- 家族にとっては気にならなくても、訪問者を不快にさせたくないのでペット専用部屋が欲しい
- 建築時ににおいについての知識がなかったが、もう一度建てるならキッチンを独立型にしてにおいを拡散させないようにしたい
- サッカー帰りの子どもが、玄関からお風呂場に直行できるような間取りにしたい
- においが気にならない場所に、ごみ箱の設置場所をつくりたい
まとめ
住まいには多種多様なにおいが混在しています。においは年中嗅いでいると慣れてしまうため、自分では気づかない不快なにおいが発生している可能性も…。何十年と住み続ければ、蓄積されたにおいによってその家独特のにおいが形成されてしまいます。
掃除がしやすく、におい対策ができる建材や設備を選ぶ、風通しの良い間取りや高性能な換気システムを導入する、においが出やすい場所には窓を設けるといった対策は、家の設計時にしかできない効果的な方法です。ぜひ検討してみてください。
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