国も普及を後押ししているという、話題の「ZEH(ゼッチ)」。
なんだか強そうな名前だけど、ZEHって何?どうスゴイの?
省エネ住宅に詳しい博士が、ZEHの基礎知識やそのメリットについて解説します。
Part1:そもそもZEHとは?
- 年々、夏の暑さが厳しくなっておるな。ワシは暑さが苦手でのう…
- 私は古い家に住んでいるので、エアコンなしではまさに蒸し風呂です。電気代がかかるけど、熱中症予防のためには仕方がないし…。でも、室外機が排出する熱で、外はますます暑くなるという悪循環がありそうですよね。
- うむ。わが国でも、住宅の省エネルギー化は最重要課題になっておる。そこで推進されているのがZEH(ゼッチ)じゃ。
- ゼッチ?ぜっち?それって何語ですか。
- 英語じゃ。Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)を略してZEH(ゼッチ)と呼んでおる。
- NET(ネット)は正味、という意味だから「正味、エネルギーゼロの家」ということですか。エネルギーを使わない家、という意味じゃないですよね?
- 「正味ゼロ」、つまり、空調や給湯、照明などでエネルギーは使うものの、使った分を自分でつくったエネルギーでまかなえる家という意味じゃな。
- 「差し引きゼロ」になるということですか?
- うむ。もう少し専門的な言い方をすると、快適な室内環境を保ちながら、住宅の高断熱化と高効率設備によりできる限りの省エネルギー化に努め、さらに太陽光発電などでエネルギーをつくることで、1年間に消費する住宅の一次エネルギー※量の収支が正味(ネット)でおおむねゼロ以下になる住宅ということになる。※一次エネルギーとは…化石燃料(石油・石炭・天然ガス)や太陽光など自然界に存在する状態のエネルギー。これらを加工した電気などは二次エネルギーと呼びます
- なるほど。住宅の省エネルギー化を考えるとき、高断熱化と高効率設備は車の両輪で、どちらも欠かせないわけですね。どんなにエネルギー効率が高いエアコンを使っても、冷やした空気がすぐに逃げたり、冷やすそばから外の熱が入り込むような家だと、電気代ばかりかかってちっとも快適じゃないし…まるでわが家みたいに。
- ザルから水がどんどんこぼれるようなもので、エネルギーの無駄遣いになってしまうからのぅ…。
- まずは、エネルギーの無駄をなくすこと。さらに、太陽光発電などの再生可能エネルギーで電力をまかなうことで、本当の意味でエコな住宅が実現できるわけですね。
- おおっ。さすがワシの優秀な助手だけあって、理解が早いのう!
Part2:高断熱は必須条件
- 博士、ZEHの条件を教えてください!
- ほほう、ZEHに建て替えたくなったかの?
まず、ZEHとして認定されるためには、外気の暑さや寒さに影響されにくい、断熱性能の高い家にする必要があるのじゃ。 - 外壁の内側に高性能な断熱材を入れる、とか?
- もちろん、外壁は高断熱仕様であること。さらに、床や天井、窓、玄関ドアなどを高断熱化することも必須じゃ。
- 建物をまるっと、すき間なく断熱することが大事なんですね。
- すき間なく、という意味では、気密性も大事じゃ。たとえば、建材の接合部分を気密ボードでしっかり塞ぐなどしてすき間を減らし密閉性を高めると、熱が逃げにくく入り込みにくくなるのじゃ。
- そんな細かいところまで。ぬかりないですね!
- 「熱を逃さない」という意味で「魔法瓶のような家」と例えられることもあるぞ。
- 夏は外の暑さを室内に極力取り込まず、エアコンで冷やした空気は外に逃がさない。冬は、外の寒さを極力取り込まず、エアコンや床暖房で暖めた空気を外に逃がさない。これなら、真夏も真冬も快適に過ごせそう!
そして、エネルギーの無駄がない分、冷暖房費もぐんと削減できますね。チャリーン♪ - ZEHとして認定されるには、断熱性能の基準値をクリアする必要がある。さらに、省エネ効果の高い設備を導入し、一次エネルギーの消費量を従来より20%以上削減することが求められる。特に、エネルギー消費の大きい「空調」「照明」「給湯」「換気」の4つは、ZEH基準を満たした機器を使用する必要があるのじゃ。
- 創エネに太陽光発電システムは必須ですし、蓄エネができる蓄電池もあるとよいですね!
- だいぶわかってきたようじゃの。頼もしいのぅ。
外張り断熱通気外壁で、ハイレベルな断熱性能を実現する、ダイワハウスの『xevoΣ』
適切な間取りや設備の採用で、ZEHを実現できます
Part3:ラクに省エネするコツ
- 博士、ZEHはとてもハイスペックな住まいですよね。今までの家と違い過ぎて、住みこなせるのかな?という不安もあります…。
- 大丈夫じゃよ。普通に暮らしていても、自然に省エネできるのがZEHのよいところ。もちろん、誰もいない部屋の電気は消す、エアコンの設定温度を適切にするなどの配慮は、今まで通り行えばよい。
- そうなんですね。安心しました(笑)。
ところで、つくるエネルギーと使うエネルギーのバランスがどうなっているのか、確認する方法はあるんですか? -
うむ。そこでHEMS(ヘムス)の登場じゃ。Home Energy Management System(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)の略で、電気設備や家電とつなぎ、電気やガスなどの使用量をモニター画面などで「見える化」したり、家電機器を制御できるシステムのことをいうんじゃ。
たとえば、ダイワハウスの「D-HEMS」は、発電や売電、使った電気の量など、家じゅうのエネルギー状況がモニターのトップ画面やスマートフォンから手軽に確認できるのじゃ。 - ハイテクですね!
- さらにハイテクな家にもできるぞ。
照明やエアコン、シャッターなどIoT対応した設備機器と連携すれば、「おはよう」や「ただいま」のシーンをワンタッチで設定・操作でき、タイマーでのコントロールも可能じゃ。朝起きたら自動でシャッターが開く、夜帰宅する前に自宅の電気をつけておく、などの設定も可能なのじゃよ。ちなみに、ダイワハウスが提案している Google アシスタント を搭載した Google Home によるコネクテッドホーム「Daiwa Connect」なら、声で家電や照明をオン・オフしたり、カーテンを開閉するなど、一層便利な暮らしができる。…ワシが子どもの頃に憧れた未来が、現実のものになるとはのぅ。※Google、Google Home は、Google LLC の商標です
Google Home で家電や建材を操作するにはIFTTTと Google Home の初期設定が必要となります - 家とコミュニケーションしているみたいで、なんだかワクワクしますね。わが家は共働きで、家を留守にすることが多いから、外出先からスマホで設備を操作できるのは助かります。あとは、熱帯夜にエアコンで冷やし過ぎないように、寝ている間は節電温度にしてくれたりしたら嬉しいな。
- ZEHの目指す「ゼロ・エネルギー」化は、「つくるエネルギー」だけでなく「使うエネルギー」にも配慮する必要がある。つまりは「省エネ」をいかに効率よく行うかがポイントになる。HEMSを導入することで、エネルギーを「見える化」し、さらに時間指定の計画運転が可能なエアコンなどの機器を自動制御することで、より効率的にラクに省エネできるようになるんじゃよ。
- でも、普段便利な暮らしをしていると、いざ停電したときに大変そうですね。
- ダイワハウスでは、災害で停電したときの備えもできる。「全天候型3電池連携システム」を導入すれば、ZEHに必須の太陽光発電システムとガスで電気とお湯をつくる家庭用燃料電池『エネファーム』、蓄電池を連携して運用することで、雨天でも約10日間※の電力供給および暖房・給湯を確保でき、普段に近い生活ができるのじゃ。
※水道・ガスが使える場合。一部対応できない地域があります。
- それなら安心できますね!
ところで博士!ZEHに不可欠な太陽光発電システムを、おトクに設置できるという耳より情報もありますよ。
- おおっ。さすがワシの優秀な助手…目ざといのう!
まとめ
- 省エネルギー住宅であるZEHは、光熱費を削減できるなど家計にやさしいだけでなく、室内の温度差が少ないのでヒートショックなどの心配も少ない。エコで快適で健康的に暮らせる家なのじゃ。ワシも住みたいのぅ…。
- 体にもお財布にも、そして地球にもやさしい家なんですね。
これから家を建てるなら、やっぱりZEHかな。博士、さっそく住宅展示場に実物を見に行きましょうよ!
※掲載の情報は2019年8月現在のものです。