住まいにおいて、部屋の印象が大きく左右されるカラーコーディネート。
しかし色のコーディネートが必要な要素には、壁や床、天井、建具の色、家具や小物、
ファブリック類など多岐にわたることから、配色のバランスを取るのが難しく、
苦手意識を持たれる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回はカラーコーディネートを得意・苦手だと回答した方それぞれに、
色選びにおいて重要だと感じるポイント・悩むポイントについてアンケートを実施。
カラーコーディネートにおける困りごとや、解決策を探りました。
調査時期 | 2024年6月6日~6月16日 |
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調査対象 | My House Palette メールマガジン会員 |
有効回答数 | 585件 |
調査方法 | My House Palette メールマガジンでのアンケート |
Q1. 現在の住まいのカラーコーディネートに満足していますか?
まず住まいのカラーコーディネートに対する満足度について伺いました。結果は「満足している」(40%)と「満足していない」(44%)が二分され、「関心がない」が16%に。現状に満足している方がいる一方で、一定数なにかしらの不満を抱えている方もいるようです。
なお男女別に見るとその割合は少し変わってきます。「満足している」と回答したのは男性の47%、女性の31%、「満足していない」と回答したのは男性の34%、女性の58%、「関心がない」と回答したのは男性の19%、女性の11%でした※1。つまり男性に比べ、女性はカラーコーディネートに関心があるものの、満足度は低いのです。ある研究では、女性の方が色彩識別に優れているというデータ※2もあるように、生物学的に女性の方が小さな色の差異に敏感なようですので、このような結果がみられたのかもしれません。
- ※1性別「回答しない」の選択肢を設けているため合計値は100%になりません。
- ※2参考:I.Abramov, J.Gordon, O.Feldman et al. Sex and vision II: color appearance of monochromatic lights. Biology Sex Differences 3, Article number:21 (2012).
では、ご自宅のカラーコーディネートに「満足していない」理由とはどのようなものなのでしょうか?「満足していない」とお答えした方に理由を伺いました。
Q2. 満足していない理由として当てはまるものを教えてください。(複数回答)
カラーコーディネートに満足していない理由として上位にあがったのは、「生活感が出てしまっている」(53%)、「センスの良い色の組み合わせがわからない」(41%)、「統一感がない」(35%)などでした。
具体的には「ダイニングキッチン周りの調理家電・調理器具等が、雑然として統一感がない」「(住まいのインテリアを考慮せず)家族がいろいろ買ってくる」など物の多さにより配色バランスが取れず不満があるパターンや、「色味が増えると統一感がないし、かといってどう変えて良いのかもわからない」といったカラーコーディネートへの苦手意識を理由にあげる方も多くいました。
他には、「全体が白を基調にしているため長年住んでいると面白くなくなってきた」など内装への飽きや、賃貸による自由度の低さも不満につながっているようです。
このようにカラーコーディネートへの不満や違和感の理由は多岐にわたるものの、上位回答の「センスの良い色の組み合わせがわからない」には、コーディネートを行う方自身の意識や自信とも関連があるのではないか、と考察し次のような質問を行いました。
Q3. 住まいのカラーコーディネートは得意ですか?
カラーコーディネートへの得意・苦手意識をQ1の回答別に見てみます。
「満足している」と答えた方は、「得意」(9%)、「どちらかというと得意」(53%)を合わせた約6割の方がカラーコーディネートを得意と感じていました。自負があることによって普段から意識も高く保ちやすく、挑戦や失敗の過程を含めコーディネートを楽しむ姿勢が、自然と満足度を引き上げているようにも思えます。
一方、「満足していない」と回答している方を見ると「どちらかというと苦手」(54%)、「苦手」(25%)を合わせた約8割に及ぶ方がカラーコーディネートに苦手意識を持っていました。
苦手と感じる理由についても尋ねてみたところ、「カラーコーディネートの知識がない」(50%)、「上手な色の組み合わせ方がわからない」(49%)、「色のセンスに自信がない」(42%)となり、苦手と感じる背景には知識がない、わからない、自信がないという知識不足・自信のなさがあるようです。カラーコーディネートへの苦手意識が、客観的なコーディネートのうまい下手にかかわらず、満足度も下げてしまっているのかもしれません。
Q4. 住まいのカラーコーディネートが「どちらかというと苦手」「苦手」 と答えた方に聞きます。特にどの要素の色選びに悩みますか?最大3つまで選んでください。(複数回答)
それでは具体的に、カラーコーディネートに苦手意識を抱える方は、どのような要素の色選びに苦戦されているのでしょうか。
半数近くの回答が集まったのは「壁の色」(46%)でした。最近は白系に限らず、さまざまな色の壁紙で部屋の雰囲気を演出する方が増えています。しかし、カーテンのように気軽には変えられないため悩むのも納得です。次に多かったのが「カーテンの色」(38%)、「家具の色」(35%)と続きました。
詳細な回答理由も見てみましょう。
- 壁や天井、床の色はそれぞれ好みの色があるが、組み合わせとして正解なのかはわからない
- 少しずつ買いそろえた家具や生活用品の色調がバラバラで、明るい色調の壁と調和が取れていない
- 白一色の壁と、間に合わせで買ったカーテン、安さで選んだ照明器具のわが家。色選びが難しいと感じる
- 壁紙は全て白にしたが、これで良かったのかわからない
- センスに自信がないので、カーテンやアクセント小物は無難な色を選びがち
- 内装の色で狭く感じたり、広く感じたりするので選ぶのが難しそう
- 実際にカーテンを掛けてみないと、想像だけで決めるのは難しい
- 壁や天井、床の色は一度決めてしまうと変えられないものなので悩む
- ラグ、カーペット、家具など、柄や色を組み合わせるとごちゃごちゃしてしまう。かといってシンプルにすると味気がない。どうしたらおしゃれな色を組み合わせて調和させられるのかわからない
漠然と「自分の好みとセオリーとしての配色」がうまく融合できていない感覚があったり、センスに自信がないために好きなコーディネートに踏み切れなかったりと、みなさん打ち手に困っている様子がうかがえます。
Q5. 「得意」「どちらかというと得意」と答えた方に聞きます。特に、どの要素の色選びがカラーコーディネートにおいて重要だと考えますか?最大3つまで選んでください。(複数回答)
ここで「得意」「どちらかというと得意」という方には、住まいのどの要素がカラーコーディネートに大きく影響すると考えているのかを伺ってみました。
最も多かったのが「壁の色」(63%)、次に「床の色」(42%)、「カーテンの色」(39%)と続き、カラーコーディネートが得意な方は面積が広い要素を重視しているのがわかります。2番目に多かった「床の色」に関しては、カラーコーディネートが苦手な方はそれほど悩む要素としてあがらなかった(≒重視していなかった)要素です。色選びは空間全体のバランスが重要なため、面積が広い要素から決めていくのは1つのポイントといえるでしょう。
みなさんからいただいた詳細な回答も見てみましょう。
※( )内は重要だと考える要素
まずは面積が広い要素の色を整えることから
- 面積が大きい部分がおしゃれなら、それなりに良く見える気がする(壁、カーテン、照明の色)
- 壁、床は部屋の大半を占めるので重要。とはいえ、時代によって流行があるので、最新のものはチェックしておきたいところ。ラグも床の多くを占める要素なので大切だと思う(壁、床、ラグ・カーペットの色)
仕上げにアクセントカラーで遊び心を
- 面積が大きく、まず目に入る部分に統一感を出すことが大事。その他の細かいインテリアは色合いを気にせず、逆にアクセントとして多色を用いてもきれいだと思う(壁、カーテン、ラグ・カーペット、照明の色)
- 壁と床でモダンやカントリー、ナチュラル、ホテルライクなど全体の雰囲気づくりをして、それに合うアクセントカラーを入れると素敵になると思う(壁、床、クッションや置物など部屋のアクセントとなる色)
- カーテンは面積が広いので重要。アクセントとなる置物類は癖があるデザインや目立つ配色のものを配置して、メリハリを演出している(カーテン、家具、クッションや置物など部屋のアクセントとなる色)
カラーコーディネートを成功に導く、いくつものヒントがみられました。特に「面積が大きいところを重視する」は、多くの方が実践されているようです。「家具の色」や「クッションや置物など部屋のアクセントになる色」は手軽に変えられる部分として目が行きがちですが、もし現状のコーディネートにお悩みの方は、まずは全体の雰囲気を決める広い面積へのアプローチから始めてみても良いかもしれませんね。
続いて、カラーコーディネートが得意な方へ、カラーコーディネート全般に対して「工夫していること、意識していること」についても伺ってみました。
Q6. 住まいのカラーコーディネートが「得意」「どちらかというと得意」と答えた方に聞きます。カラーコーディネートで工夫・意識していることはありますか?(複数回答)
最も多かったのは「インテリアの色をなるべく統一する(色を多用しない)」(64%)でした。空間の中に何色もの色が混在すると、ごちゃごちゃとした印象になりやすいものです。次に多かった「派手な家具や小物は置かない」(45%)も、色の統一という点で納得の回答です。「インテリアの素材をなるべく統一する」(30%)も上位にランクイン。色がバラバラでも、素材をそろえれば統一感が生まれます。「統一感」はカラーコーディネートにおいて大切なキーワードのようです。
カラーコーディネートの工夫について、詳細を聞いてみました。
色を統一する
- インテリアに使う色は基本的に3色までと決め、そのうち1色は白を選びベースカラーとしている
- 服のコーディネートと同じように、同系の色使いでシンプルにまとめると良いコーディネートになると思う。シンプルイズベストだと思う
- ホテルライクな部屋にしたいので、モノトーン系で暗くならないようなカラーをチョイスしている
購入時は内装や建具の色・素材との相性を考える
- 家具を新たに購入するときは、既にある家具と色とテイストがマッチするものを選んでいる
- 壁紙と建具が白で床がウォルナットなので、どちらかの色の家具を選ぶようにしている
- 大きな家具は木材ベース、その他小物類については陶器(白や青のもの中心)やガラスの異素材にすると決め、そのルールに沿って異素材を組み合わせたコーディネートを楽しんでいる
内装や建具の色を好みの色に変える
- リビングの壁の一面をアクセントクロスにするなど、小さな部分から変えてみると失敗が少ないと思う。白の壁の一面にグレーやブルーグレーの壁紙を取り入れると一気に雰囲気が変わる
- カラー見本や実物を見て、部屋ごとに好みの雰囲気になるよう全面リフォームを行った。その後に、家具やカーテン、什器等をコーディネートしたので満足する出来となった
カラーコーディネートにおける失敗事例をご紹介します。共感を生むさまざまなエピソードが寄せられました。
「統一感がない」
- あまり考えずに好きなアイテムを選んだら、色が散乱して統一感のない部屋になってしまった。特に、カーテンやベッドなど、買い直しがきかないアイテムの色選びをミスってしまい、取り返しがつかなくなった
- 冬の寒さを少しでも和らげようと、普段あまり選ばない暖色のカーペットを選んだ結果、部屋の雰囲気から明らかに浮いてしまった
- 見せるタイプの収納家具を買ったら、たくさんの色が見えてごちゃごちゃと物が多く見える
- 北欧インテリアが好きだった頃、テキスタイル系のアイテムを増やし過ぎて部屋がごちゃついてしまった
- 家具を購入するときに、一目ぼれで購入することが多く、他の家具と合わせるとちぐはぐな印象に…。それを繰り返して部屋のテイストまでバラバラになるという失敗をした
「地味」「無難すぎる」
- センスがないと自覚しているので、冒険できずに無難な白や淡色を買ってしまう。ポイントにビビットな色の雑貨を買ったが、コーディネートとしては微妙だった
- 「飽きない色」と「落ち着く色」のさじ加減が難しいと思う
- ソファの色が床の色と同じで、同化してしまった
「イメージと違った」
- 実際に住んでみないとわからないことがある。壁紙はサンプルを取り寄せたのでイメージに近いものには仕上がった
- 壁紙を暗い色にしたら部屋が暗い印象に。派手な柄は飽きてしまったり、部屋が狭く感じたりした
- 家具に使われる木材の知識がないため、他の家具と色をそろえたいのにわからないまま購入してしまい、置いてみたら違う色だった
その他
- 内装を白で統一したので、汚れが目立って掃除が大変
- シックな雰囲気に憧れて床を濃い色にしたが、ほこりが目立ちこまめな掃除が必要
- 何度も打ち合わせを重ねるうちに、どれがいいのかわからなくなり、最後は妻の意見で決めた
- 予算を気にして、好きな色のキッチンを選べなかった
- 明るい色ばかりで落ち着かず、疲れが取れない時期があった
Q8. もし新築住宅を建てる場合、理想を実現するために大事だと思うことを教えてください。(複数回答)
これまでの質問は現在の住まいについて伺ったものでしたが、「今後、新築住宅を建てるなら?」というテーマで、カラーコーディネートにおいて大事だと思うことを伺ってみました。
結果、半数の方が「部屋(設備)ごとにイメージを決めておく」(50%)と回答しました。次に多かったのが「内装に使う好みの色彩や素材などを調べておく」(44%)、「好みの壁紙や床材などを調べておく」(43%)でした。現状の反省や経験を踏まえてか、設計の検討段階では、壁紙や床材、家具といった詳細な部分よりも、部屋全体のイメージを明確にしておくことを重要視する方が多い印象でした。
前問の回答でも「統一感」は大切なキーワードとなっていましたが、理想の部屋のイメージがしっかり固まっていれば、目指したいインテリアや家具の雰囲気に合った建具や必要な壁紙、床の色といった変更しづらい内装部分も選びやすくなるものです。ぜひこれから住宅を購入される方は、これからの具体的なアクションプランとして以下の詳細回答も参考にしてみてください。
部屋(設備)ごとにイメージを決めておく
- イメージが明確になっていれば、プロに相談する際に的確なアドバイスをもらえると思う
- 実現したいコンセプトをはっきりさせないと、迷走してしまう
- 自分でどこまでイメージを固められるかが重要だと思う。そのためにどんな色や素材があるのかを学び、どんな家に住みたいかをインテリアコーディネーターに繰り返し伝えることが大切だと思う
好みの壁紙や床材などを調べておく
- 施工面積にかかわらず、直感よりも少し高い「明度」「彩度」のカラーを選ぶ方が、イメージに近づくと思う
- 家具は買い替えがきくが、壁・床・天井・内装仕上げは、簡単にやり直せないからリサーチは重要
- 同じ色合いでも素材が変わると雰囲気が変わる。自分でも壁紙や床材について調べるといいと思う
部屋に置く家具の目星をつけておく
- 置きたいソファがあるので、それをメインに間取りを考えたい
- 家具も内装の一部だと思う。置きたい家具のイメージを明確にしておかないと後々でもめる
- 壁、カーテン、家具の色の調和が大切。家具も考慮した部屋全体のコーディネートが必要と感じる
内装に使う好みの色彩や素材などを調べておく
- 好みの色彩パレットや素材を一覧にすると、自分の好きなイメージやテイストが可視化され、統一感のある空間をデザインできる
- 手持ちの家具をそのまま使いたいので、相性のいい色の内装を選びたい
- いざ家を建てる段階になると決めることが山積みだと思うので、目指したい部屋のイメージや内装の色合いは事前にリサーチしておきたい
その他
- 自分だけの力だけでパッと見て素敵な部屋にするのは難しい。インテリアコーディネーターに頼るのも大事だと思う
- 動画などで事前にシミュレーションできるといいと思う
Q9. 家を建てる前のプランニングで、色を選びながらシミュレーションできるとしたら、やってみたいですか?
前問の詳細回答でも意見のあった、カラーコーディネートの「シミュレーション」について伺ったところ、「とても興味がある」「少し興味がある」 を合わせると、8割超の方が興味があると回答しました。
インテリアの色選びの難しさは、空間全体のバランスを俯瞰的に眺められないことも一因ではないでしょうか。壁紙の色や家具の色など一つひとつの要素を「好みの色だから」と選んでしまうと、全体を合わせたときにまとまりがなかったり、「思ったイメージと違う」ということになったりしがちです。
ダイワハウスでは住まいの「こんなはずじゃなかった」を解消するために、住宅の完成イメージをリアルに体感できる「VRプレゼンシステム」を提供しています。事前に用意された外装・内装・住宅設備のパッケージから好きなものを選択すると、即座に高精細な3Dデータが作成。ゲームコントローラーを操作して3Dデータの中を自由に歩き回ることができます。
例えば、選んだ床の色が思ったよりも暗いと感じたら、床の色を選び直して数十秒ほど待てばすぐにVRのデータが変換されるので、修正したものをその場で確認できます。どんな家になるのかがイメージしやすく、納得のいくまで空間シミュレーションが可能です。
▼ダイワハウスのVRシミュレーションについて詳しく知りたい方はこちらもチェック。
バーチャル映像で建てる前に体感できる!
-VR空間で未来の家づくり- 動画はこちら
まとめ
住まいの購入を検討されている方にとって、壁紙や床の色、家具など多岐にわたるカラーコーディネートを想像だけで決めていくのは難しいものです。そうしたお悩みを解消するツールとして、ダイワハウスでは「VRプレゼンシステム」をご用意しております。カラーコーディネートに苦手意識のある方でも選びやすく、理想の住まいのイメージをより明確する上できっとお役に立てるはずですので、ご興味のある方はぜひお試しください。
※「VRプレゼンシステム」は全国のダイワハウスのリビングサロンでのみご覧いただけます。
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