自慢の車やバイクを、海外の映画に出てくるような
「ガレージハウス」に停めたいという憧れを持つ方も多いのではないでしょうか。
最近はリノベーションやDIYのブームに伴って、注目度が高まっています。
今回は、趣味に関するさまざまな雑誌を発行する枻(えい)出版社の
『Lightning』編集部 副編集長 坂本桂樹さんと『CLUB HARLEY』編集部 藤田佳照さんに
かっこよくて使いやすいガレージについて伺いました。
Advice
枻出版社『Lightning』編集部 副編集長
坂本 桂樹さん
ヴィンテージと名の付くモノなら何でも大好物なライトニング副編集長。愛車は1983年式のAMCイーグルワゴン。旧いクルマだけに常にメンテナンスを行わなければならないため、いつかはガレージを所有するのが夢。
枻出版社『CLUB HARLEY』編集部
藤田 佳照さん
バイク雑誌編集歴15年。愛車はハーレーダビッドソン・XL883とモトグッツィ・カリフォルニアヴィンテージ。バイクの他に、家族で自転車を7台所有するため、生活にガレージは必須。現在、自宅の庭にガレージをセルフビルド中。愛車を眺めながらお酒を飲むのが至福の時。
【Part.01】 ガレージは乗り物好きのおもちゃ箱
英語のgarage(ガレージ)が「車庫」に加えて「修理工場」の意味を持つことからも、「ガレージ」が単なる駐車スペースとは異なることがわかると思います。今回坂本さん、藤田さんのお話で共通していたのは、「ガレージのある暮らしを楽しむ方には、ライフスタイル全般にこだわりを持った人が多い」ということでした。
坂本さん
彼らにとってその場所は、言うなれば好きなものを詰め込んだおもちゃ箱のようなもの。車庫という住まいの一機能ではなく、リビングやダイニングにも匹敵する大切な生活空間としての愛着を込めて、ガレージと呼ぶのでしょう
藤田さん
車やバイクにしか興味がなければ、ガレージという形にはならないと思います。ガレージを楽しむ人は、乗り物に興味を持ち、さらにアウトドアやファッション関係のさまざまな趣味を自分なりにミックスさせる傾向にあるようです
ガレージは、物置や倉庫とも一線を画しています。物置や倉庫をガレージにリフォームして車やバイクのアイテムをディスプレイする例もあるそうで、ガレージは保管と同時に「飾るため」の場所とも言えます。コレクションを陳列しておく「ショーケース」の機能も備えているということですね。
ガレージ単体でつくるのではなく、住まいと一体化させるガレージハウスなら、居室からショーケースとしてのガレージを眺めるような設計も可能。ガレージで趣味の空間を過ごす楽しみと、愛車を眺める楽しみの両方を得られます。
愛車を中心とした空間で、音楽や自転車など自分なりの趣味に浸る時間を過ごすことができる
【Part.02】 愛車を主役にしたインテリアづくり
好きなものを詰め込むガレージに、決まりやルールはありません。自分が納得できる空間になれば、それが正解といえるでしょう。とはいうものの、友人を呼んで団らんできるような洒落た場所にしたいと考える人は多いと思います。一味違う、おしゃれな空間をつくるためにはどうすればいいのでしょうか。
坂本さん
スツール一つでも量販店で買ったものを置くのではなく、アンティークショップなどを回って探すようにするといいでしょう。冬場の冷え込みに備えて暖房設備を整えるなら、薪ストーブなど少しこだわったものを置くとムードのある場所に仕上げることができますね
藤田さん
余裕があれば車やバイクを主役にしたインテリア選びに挑戦してみてください。車やバイクは、生産された国や時代によって雰囲気が異なるもの。車両から生産当時の空気感が漂うこともあるので、インテリアを選ぶ際に同じような生産背景をもつものを合わせれば自ずとガレージ全体に統一感が出てくるはずです。バイクを中心にする場合は、ヘルメットやジャケットなどもディスプレイしたいですし、ハーレーダビッドソンなどメーカーが製造販売するオリジナルの生活用品を取り入れるのもいいでしょう
もしも、「時間もお金もそこまではかけられない…」という方は、国旗やメーカーのロゴ看板を飾ってみましょう。ヴィンテージのネオンサインやオイル缶、道路標識なども、雑貨店やインターネットで探せばお気に入りのものが見つかるかもしれません。共通の趣味をもつコミュニティから、情報収集している方もおられるようです。
愛車と共にテーブルセットを置いた事例。お気に入りのアイテムに囲まれて、趣味の話にも花が咲く
【Part.03】 バイク愛好家にとってのガレージ
バイク愛好家のうち、「保管」の観点からガレージを望んでいる方も多いと言います。
藤田さん
青空駐車やカーポートだと、チェーンロックをかけていても盗難のリスクは伴いますし、風雨にさらされる場所はエンジンなどがむき出しになっているバイクにとって最適な保管環境とは言い難いです
ガレージは、より安全に、快適にバイクライフを楽しむための方法のひとつといえるでしょう。
また、バイクは車に比べると比較的パーソナルな乗り物であることから、自らメンテナンスするためにガレージの機能を充実させる人もいます。洗車はもちろんですが、ブレーキオイルの交換やプラグチェック、パーツの交換など、手順さえマスターすれば身近な工具で始められる作業もあるので、「とにかくいじってみたい」と思う方も多いのでしょう。最近では修理専門店で純正品以外のパーツ交換を取り扱ってもらえないケースがあることも、セルフメンテにチャレンジする人が増えている理由の一つです。
革ブーツなど、周辺アイテムのメンテナンスもガレージで行う
ディスプレイや家具に自分なりのこだわりを加えることで、より一層楽しくなるガレージライフ。
次回は、ガレージに必要な機能や設備について具体的にご紹介します。