長期優良住宅認定を受けた建物は、長く快適に住めるだけでなく
税制面などでの優遇措置がありますので大変魅力的です。
今回は、長期優良住宅のお得な優遇制度をまとめてみました。
2009年施行の「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」により、一定以上の住宅性能を確保し、維持保全に対する計画が作成されている良質な住宅は「長期優良住宅」として認定されるようになりました。認定を受けると、税制面などでの優遇措置があります。
つまり、「良質であり、メンテナンスを行うことで長く使える住宅」として、都道府県の知事等から認定されたのが長期優良住宅なのです。
長期優良住宅は一般住宅の税制優遇より、良い条件が適用されます。
1住宅ローン控除
住宅ローンを利用すると、年末ローン残高の1%が所得税および住民税から戻ってきます。長期優良住宅は年末のローン残高の5,000万円まで(一般住宅は4,000万円)が対象で、10年間で最大500万円控除されます(一般住宅は10年間で最大400万円)。
2投資型減税
長期優良住宅を建築すると、一般住宅より割高になった部分の10%(最高65万円)を、その年の所得税から控除できます。控除しきれない場合は翌年分の所得税から控除できます。但し、住宅ローン控除と併用はできません。
3登録免許税
新しく家を建てると、所有権の保存登記や抵当権の設定登記を行い、登録免許税を納税します。一般住宅が所有権の保存登記0.15%であるのに対し、長期優良住宅は0.1%と優遇されています(抵当権の設定登記はどちらも0.1%)。
4固定資産税
新築戸建てを建てると、一般住宅なら当初3年間、固定資産税が1/2になります。長期優良住宅の場合は適用期間が5年間に延長されます。
5不動産取得税
一般住宅の場合、固定資産税評価額から1,200万円を控除した額に3%を掛けたものが不動産取得税です。長期優良住宅の場合は控除額が1,300万円と大きくなります。
長期優良住宅に認定されるためには、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に定められた基準をクリアしなければなりません。そして、所轄行政庁(都道府県)に認定申請をすることで、長期優良住宅として認定されます。
ダイワハウスのxevoは、標準で長期優良住宅認定に対応しています。
※長期優良住宅認定の申請は、着工前に行う必要があります。詳しくはお近くのダイワハウスにご確認ください。
長期優良住宅の認定基準
- ※1 数世代に渡り住宅の構造躯体が使用できること。
・通常想定される維持管理下で、構造躯体の使用継続期間が少なくとも100年程度となる措置。 - ※2 極めて稀に発生する地震に対し、継続利用のための改修の容易化を図る為、損傷のレベルの低減を図ること。
・大規模地震力に対する変形を一定以下に抑制する措置を講ずる。 - ※3 構造躯体に対して耐用年数が短い内装・設備について、維持管理(清掃・点検・補修・更新)を容易に行うために必要な措置が講じられていること。
- ※4 必要な断熱性能等の省エネルギー性能が確保されていること。
長期優良住宅は、性能が高いことで一般住宅よりも建築コストが高くなる傾向にありますが、その分、優遇制度の条件もさらに良くなっています(右表)。また将来のメンテナンス対策も考えられていますので、長期的な視点で見れば、メリットが多いと考えられます(各優遇制度にはそれぞれ適用条件がありますので、必ず確認してください)。
税制における長期優良住宅と一般住宅の比較
省エネルギー性や耐震性などに優れた住宅を建てる場合、【フラット35】よりも一定期間0.3%金利が下がる【フラット35】Sを利用することができます。さらに長期優良住宅等の性能が優れた住宅であれば、適用期間がより長い金利Aプランが適用され、当初10年間金利が引き下げられます(ダイワハウスのxevoは標準仕様で適合)。
【フラット35】Sの金利イメージ
(一社)住まいる総合研究所 井口 克美先生(住宅評論家)
1987年株式会社リクルート入社。SUUMO(旧週刊住宅情報)及びSUUMOカウンターにて、営業及び企画を担当。マンションから注文住宅まで幅広い領域で活躍。2014年「住まいる総合研究所」を設立し、セミナー講師及び執筆活動に取り組んでいる。
2017年6月現在の情報となります。