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家づくりを知る

【住宅のさまざまなリスクを見直してみよう】予測不能の未来…
持ち家のリスクと向き合う、
残価設定型住宅ローンの仕組みとは

「自然災害によって家が壊れたら…」「経済状況が悪化してローンの支払いが苦しくなるかも…」
「築年数の経過とともに建物の資産価値は落ちるのでは…?」。
将来、マイホームの購入を検討している
30代のマイハウスパレット読者夫妻が持ち家のリスクや不安について、
大和ハウス工業の大阪府吹田市にあるウェルビーみのおPREMIUM展示場の
店長・矢野にさまざまな疑問を投げかけました。

Profile

大和ハウス工業株式会社 本店 住宅営業部

矢野 貴之

宅地建物取引士・ハウジングプランナー、
プレハブ住宅コーディネーター・住宅ローンアドバイザー・損害保険募集人・相続診断士、
医療機器販売管理者

地震による損傷・台風時の浸水・停電…。
自然災害は持ち家にとってリスク?

橋本様ご夫妻:いずれは家を持ちたいと思っていますが、大型台風や豪雨、近い将来起こると言われる大地震を考えると心配です。被災してもすぐに住み替えられる賃貸の方がいいのかも…と考えることもあります。

矢野:そうした不安はごもっともだと思います。もし、自然災害で持ち家が損傷したら、住宅ローンに加えてリフォームローンも組まなくてはならず、ダブルローンを抱えることになります。そうした不安を解消すべく、ダイワハウスは自然災害に強い家を追求してきました。

地震に対する備えとしては、繰り返し発生する巨大地震でも初期性能を維持するエネルギー吸収型耐力壁をxevoΣに標準採用。観測史上最大の地震波(阪神・淡路大震災の169kine)を上回る、175kine(震度7相当)の地震波を4回連続繰り返しあたえても柱・梁の損傷がなく、高い耐震性能が維持できることが実証されています。

※建物に損傷をあたえる地震波の速度を表す単位。物体が1秒間で何cm移動するかを示す。

住宅性能表示で定められている最高レベルの耐震性能「耐震等級3」は75kineに耐えられるものなので、ダイワハウスの高い耐震性がお分かりいただけるかと思います。

橋本様ご夫妻:耐震性が高いことはわかりました。でも、豪雨や台風についてはどうでしょうか?近年、温暖化との関係が指摘される大型台風や豪雨被害が増えています。ハザードマップを確認してリスクの低い土地を選ぶことも大切ですが、建物自体の耐久性も気になるところです。

矢野:雨水が建物に浸入すると構造体の劣化が進み、住まいの寿命を縮めてしまいます。ダイワハウスのxevoΣは「二重防水構造」を採用し、雨水の浸入リスクを大幅に軽減している他、業界屈指の防水30年保証(雨水の侵入を防止する部分)を実現しています。さらには、自然災害時に起こりやすい停電への備えとして、雨天時でも約10日分(水道・ガスが使える場合)の電力と暖房・給湯を確保する「全天候型3電池連携システム」をご用意しています。

災害に備える家

家は建てた後にもお金がかかる。
光熱費とメンテナンス費も考慮して

橋本様ご夫妻:自然災害に対する不安はかなり軽減されました。でも、ダイワハウスのような高性能の家だと建築費用も膨らんでしまいそうです。土地代を含まずに、一般的な広さの3LDKで3000万円くらいの予算を考えているのですが……。

矢野:それくらいのご予算を想定される方はとても多いです。ダイワハウスで建てる場合、ローコスト住宅などよりは割高になりますが、家づくりの費用というのは、建築費だけでなく居住後にかかるランニングコストも含めて考えていただきたいです。建築費を抑えられても、居住後に余計なコストがかさんでトータルで考えると結局高くつく…ということもあります。

橋本様ご夫妻:ランニングコストとは、修繕費用でしょうか?

矢野:はい、大きく分けて「光熱費」と修繕などの「メンテナンス費」です。光熱費を抑えるには、高い断熱性能で外気温の影響を最小限にして省エネを実現するのがまずひとつ。ダイワハウスxevoΣでは「外張り断熱通気外壁」をはじめ、天井、床、窓をすべて高断熱化することで、冷暖房費を大幅に削減します。さらに太陽光発電システム、蓄電池、燃料電池(エネファーム)を導入すれば、従来の省エネ基準相当の住宅と比べて、年間光熱費を72.5%ほど削減することができます。

災害に備える家

【比較条件】数値は当社独自シミュレーションによる試算結果をもとに算出。ただし、算出した数値は目安であり、それを保証するものではありません。
【試算条件】xevoΣスタンダードV断熱標準プランにおける試算値で、1992年省エネ基準相当の住宅との比較。
【全天候型3電池連携システム導入の試算条件】【建設地】東京都・6地域【延床面積】140.43m2【ご家族】4人【太陽光発電】南面に4kW(屋根置き型)【蓄電池】5.4kWh ecoモード【D-HEMS】“見える化”による電力削減効果10%

  • ※電力削減効果は(一財)省エネルギーセンター試算値【給湯】エネファーム PEFCタイプ【調理】ガスレンジ【空調】電気エアコン+床暖房【料金単価】東京ガス、東京電力の2022年4月時点の料金体系【太陽光発電買取単価】17円/kWh
  • ※電気料金の再生可能エネルギー発電促進賦課金は3.45円/kWhで計算

【1992年省エネ基準相当の住宅の試算条件】【太陽光発電】搭載無し【蓄電池】搭載無し【給湯】ガス給湯器【D-HEMS】採用無し 料金体系・その他条件は同じ。

※2022年4月時点での試算

橋本様ご夫妻:最近は電気代が高騰しているので、光熱費を抑えつつ快適に過ごせるのは嬉しいですね。30年間住み続ければ、初期建築費の1000万円の差も埋まりそうです。

矢野:おっしゃる通りです。次にメンテナンス費ですが、弊社は業界トップクラスの初期保証30年をご用意し、この間はお客様にメンテナンス費用をご負担いただくことはありません※1。30年の初期保証が切れた後も、有料メンテナンス工事を実施することで最長60年まで保証期間を延長。60年以降も診断・保証して建物の安心をサポートします。メンテナンスの内容は構造(構造耐力上主要な部分)と防水(雨水の浸入を防止する部分)が30年保証です。

※12023年4月1日新規提案分以降が対象

通常、防水(外壁含む)メンテナンスは10年に1度、数百万円かかるのが一般的なので、30年保証がついていない家の場合、築30年を迎える頃には相当のメンテナンス費用が発生している計算です。さらに、弊社は住宅設備※2にも10年の保証制度をつけています。

※2 システムキッチン、システムバス、洗面化粧台、便器・便座、インターホン エアコン(壁掛けタイプ・天井埋込タイプ)。給湯器(ガス、電気、ガス電気ハイブリッド、石油)

橋本様ご夫妻:外壁の寿命は10年くらいと聞くので、30年の初期保証は心強いです。丈夫で長持ちする家を作っているからこそ、30年の長期保証が実現できるんですね。でも、家は築年数の経過によって価値が落ちるイメージがあるのですが、実際どうなんでしょうか?

矢野:日本の住宅は他の国と比較すると断熱性能が低く、構造に結露が生じるため30年が寿命と言われてきました。そのため、築30年以上の建物は資産価値が著しく低下するケースが多いです。弊社の場合は最大184mmの厚みの断熱材によって結露が生じにくく、75〜90年相当は持つ構造です。ダイワハウスのxevoΣは標準仕様で「長期優良住宅」の基準を満たしています。長持ちするいい家を造ってメンテナンスを重ね、そのメンテナンスの記録も残しながら高い資産価値を維持し、子世代・孫世代まで住み続けられる家をご提供しています。

ライフスタイルの変化に備える
「残価設定型住宅ローン」とは?

橋本様ご夫妻:最近は物価高で景気の先行きが不透明ですし、今から35年ローンを組むと定年後のローン返済が負担になりそうです。また、今は遠方に住む両親は健在ですが、介護などで地元に戻ることになったら、せっかく建てた家を手放すことになってしまうかも…。先のことを考えると、持ち家購入をためらってしまいます。

矢野:そのような方におすすめしたいのが、将来の生活スタイルの変化や返済にまつわる金銭リスクに備えられる新しい住宅ローン「残価設定型住宅ローン」です。簡単に言えば、通常の35年住宅ローンに「ローン返済額の軽減」と「住宅の買取保証」という2つのオプションが付いた住宅ローンです。

物件ごとに事前に「残価設定月」というものが決まるのですが、残価設定月は土地から購入される場合ローン開始からだいたい20〜25年目くらいにやってきます。これ以降はいつでも「返済額軽減オプション」と「残価買取オプション」という2つのオプションが使えるようになります。

1. 返済額軽減オプション

※資産条件 当初住宅ローン:借入金額/4,000万円、金利/1.24%、期間/35年 新型リバースモーゲージ:借入金額/1,938万円、金利/1.50%、期間/35年 新型リバースモーゲージ(80歳以降):借入金額/1,000万円、金利/1.50%、期間/お申込人がお亡くなりになるまで

事前に設定した月(残価設定月)以降は、毎月の返済額を2段階で大幅減少します。
軽減額は最終的に、当初支払額の10分の1程度に。

「返済額軽減オプション」は、設定された残価設定月以降であれば、いつでも毎月の返済額を大幅に軽減できる住宅ローンに変更できるサービスです。例えば、30歳で借り入れて50歳のときに残価設定月が到来した人が「返済額軽減オプション」を使ったイメージが上記の図です。当初は月々11.8万円だった返済額が残価設定月以降は4.5万円に大幅に軽減され、さらに当初の借り入れから50年後からは利息のみの支払いになり、さらに返済額が圧縮されます。契約者様が亡くなられた後に、住宅の売却代金で元金を返済する仕組みです。

2. 残価買取オプション

住宅ローン返済中でも、家を手放すことでその後のお支払いが不要になります
「家を売って、住宅ローンだけが残ったら…」という悩みを解消。

※利用できるのは残価設定月以降のみ

残価設定月以降に「残価買取オプション」を選択することもできます。これは残価設定月以降であれば、いつでもその時点のローン残債と同額で買い取ってもらえるという仕組みです。「家を手放したいけれど、家が売れない…」 いう不安を解消します。

橋本様ご夫妻:いいことづくめの仕組みに感じるのですが、残価設定月というのはどのように決まるのでしょうか?

矢野:借り入れた住宅ローンの金額、その土地の価格、周辺の賃貸市場などを鑑みて残価設定月が決められます。このローンはあくまでオプションなので使うかどうかは自由です。オプションを使わず普通に月々の住宅ローンを支払って完済することも当然できますし、収入が減ってローン返済が厳しくなったときには、返済額を大幅に軽減することができるので、ゆとりある老後を送ることができるのが最大のメリットです。また、将来住み替えることになっても、その時点のローン残債と同じ額で買い取ってもらえるので、ローンが足かせにならず、柔軟にライフスタイルを選ぶことができます。

橋本様ご夫妻:私たちはいずれ実家に戻る可能性もなくはないので、住み替えとなったときにこのようなローンの仕組みがあると安心です。逆にこのローンが向かない人はどんな人ですか?

矢野:MCJの変動住宅ローンを利用する場合このオプションをつけると住宅ローンの金利が+0.1%となります。また、ローン利用時に55000円、オプションを使うときの手数料110000円と、登記費用等が発生します。ですので、建てた家を子どもに相続させることが前提の方なら、このオプションをつけずに普通に住宅ローンを完済した方が支払い総額は安く済みます。独身の方やお子様がいらっしゃらないご夫妻の方には特におすすめしたいローンの仕組みです。

「収入減リスク」「ローンに縛られるリスク」を解消して
空き家問題解決にもつながる仕組み

橋本様ご夫妻:「残価設定型住宅ローン」はどのような背景で生まれたのですか?

矢野:一つは住宅ローンの返済期間が延びていることが挙げられます。昔は住宅ローンの返済期間は30年まででしたが、今は35年ローンが一般的で、金融機関によっては40・50年の商品もあります。返済期間が延びれば月々の返済額は少なくなります。35歳で4000万円を借り入れする場合、30年返済だと月々12.2万円、40年返済だと月々9.4万円です(金利0.6%で試算)。

橋本様ご夫妻:働いている間なら月々9.4万円は負担なく払えそうですが、75歳まで払い続けるとなると…年金生活では厳しいかもしれません。

矢野:実は定年退職前の55歳くらいから役職定年といって収入が減り始める傾向があります。定年・怪我・病気など将来の収入減少リスクに備えられるのが「返済額軽減オプション」です。2つ目の背景としては、人生100年時代を迎えて、同じ場所に住み続けるとは限らないということ。橋本様のようにご実家を相続する可能性がある場合や、お子さんが独立した後に駅近のコンパクトなマンションに住み替えるといったケースも出てくるでしょう。いざ家を売却しようとしたときに、ローン残債額の方が多く残っていて売却できない…というケースに備えるのが「残価買取オプション」です。

橋本様ご夫妻:その仕組みはありがたいですね。思うような価格で家を売却できないと、結局そこに住み続けてローンを払い続けるしかなくなり、せっかく相続した実家を空き家にしてしまうケースもありそうです。

矢野:まさにそれが3つ目の背景なんです。2018年10月時点での、全国の空き家率は約13%と深刻な社会問題です。昔は、家は資産として子どもに相続させる考えの方が多かったですが、平均寿命が延びている今は、親の家を相続するときの子どもの年齢は50〜60歳くらいでしょう。すでに家を所有して生活基盤ができていることが多く、相続した家を空き家にしてしまうケースが多いのです。「定年退職後に返済できないリスク」「家のローンに縛られるリスク」を解消しながら、空き家対策になるローンの仕組みが「残価設定型住宅ローン」です。

残価設定月以降の選択肢

  1. (1)オプションを使わず、そのまま住宅ローンを返済しながら住み続ける
  2. (2)「返済額軽減オプション」を使い、月々の返済額を抑えて住み続ける
  3. (3)「残価買取オプション」を使い、その時点のローン残高と同額で買い取ってもらう
  4. (4)自分で家を売却する(ローン残債より高く家を売却できれば利益になる)
  5. (5)「返済額軽減オプション」を使って返済額を少なくしたうえで、「マイホーム借上げ制度」で購入した我が家を賃貸活用する。

長持ちする家を循環させて次世代が住み継ぐ。
地球にも優しい住環境の循環

橋本様ご夫妻:家を建てたら一生かけてローンをコツコツ完済し、そこに住み続けるものだと思っていました。無理にローンを払いきるのではなく、生きている間は無理のない返済をしながらゆとりのある生活を送れて、さらにはライフスタイルの変化にも柔軟に対応できるのが残価設定型住宅ローンなんですね。

矢野:その通りです。このローンが利用できるのは「長期優良住宅」のみです。ひと昔前のように短寿命の家を建てては壊すのではなく、長持ちする丈夫な家を普及させて次の世代が住み継いでいけば、住まいの循環が生まれて地球環境にも優しいはずです。老後の人生が長くなる人生100年時代に合った、ますます必要とされる住宅ローンと言えるでしょう。

まとめ

定年・怪我・病気といった将来の収入減少リスクに備えることができ、ローンに縛られずにいつでも住み替えができる「残価設定型住宅ローン」。新たな選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。

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