家づくりでもっとも妥協したくないスペースといえば、キッチン。
最近は使いやすさや機能性に加え、
キッチン空間の「見た目」にもこだわる人が増えています。
都会的なモダンキッチンから木の温もりが感じられるキッチンまで、
7つの実例と共にそれぞれのデザインポイントをご紹介します。
美しいキッチンは「LDK(リビング・ダイニング・キッチン)」の統一感がつくる
おしゃれキッチンに欠かせないキーワード、それが「統一感」です。ひと昔前のキッチンはひとつの空間として区切られていましたが、ここ20年ほどは対面キッチンが主流に。特に近年はダイニングやリビングにいる人ともコミュニケーションがとれるよう、LDK全体のシームレス化が進んでいます。そのため、キッチンだけでデザインを決めるのではなく、まわりの空間との相性や雰囲気を考慮しつつ、家全体に統一感を持たせることが「美しいキッチン」への第一歩なのです。
実例1:シンプル・イズ・ベスト!食材の色を引き立てる「白いキッチン」
キッチン扉の「白」、壁クロスの「白」、床材タイルの「白」。この3つの「白」を同じ系統の白にあわせることで、統一感のある洗練された「白いキッチン」をつくることができます。白いキッチンは明るくクリーンな印象を与えるだけでなく、食材の色を美しく引き立てるため、料理が楽しくなるというメリットもあります。
気をつけるべきポイントは、白は汚れが目立ちやすいので、なるべく掃除や手入れのしやすい素材を選ぶこと。白の冷たさが気になるという方は、乳白色やアイボリー等の温かみのある白を選ぶことで、空間に優しいニュアンスを与えることができます。
実例2:ハイセンスな「黒いキッチン」は、落ち着いた大人の雰囲気
一方、黒やグレーを基調にしたキッチンは、都会的で高級感のある雰囲気をつくりだしてくれます。キッチン家電や調理器具の質感・デザインにこだわることで、よりハイセンスな空間を演出することが可能です。
黒が持つ大人のイメージを最大限に引き出すため、キッチンに置くものはなるべく厳選し、食器や小物はクローズド収納に隠してしまうのがポイント。また、黒ベースの空間は照度にムラが出やすいため、作業スペースが暗くなり過ぎないように、設計士やインテリアコーディネーターとも相談して、しっかりとした照明計画を立てておきましょう。
実例3:くつろぎの癒し空間。隠れ家カフェのような「ブラウン系キッチン」の魅力
隠れ家カフェのような居心地のいいキッチンにしたいときは、空間を「ブラウン系」に統一させてみてはいかがですか。大地や自然を連想させるブラウンは、温もりや安心感を与えるだけでなく、観葉植物のグリーンとの相性も良好です。
ポイントは対面カウンターの高さ。手元が隠れる程度にすることで閉鎖感をなくし、ダイニングとの距離を近づけてくれます。カフェ空間をより演出するため、キッチン背面には「見せる収納棚」を設置。インテリア素材にレンガタイルや古材、味のあるアイアン素材を組み合わせています。
実例4:素材選びがポイント。理想の「カントリースタイル」のつくり方
素朴でナチュラルなカントリー調がお好きな方は、キッチンからダイニングにかけて、全体の色調をアイボリー系に統一させるのがポイント。壁は「塗り壁」にするか、もしくは「塗り壁風クロス」がおすすめです。
キッチン扉はナチュラルな色味の「框(かまち)デザイン」が人気で、把手にはアイアン素材・ゴールド・真鍮などを組み合わせるのが定番。飾り棚の小物やランプには、アンティークガラスやホーロー、テラコッタなどの素材を取り入れることで、より田舎の素朴さや優しさを演出することができます。
実例5:空間をスッキリ見せる「自然光と照明」にこだわったキッチン
美しいキッチンには「美しい光」が欠かせません。こちらの家は南北に長い敷地をいかし、キッチンとダイニングの間に吹き抜けをつくり、上部に設けた窓から自然光を取り入れています。
美術館のようなスタイリッシュでモダンな空間をつくるため、吹き抜けには上向きのブラケット照明を3つ、造作棚の上に間接照明、そしてダイニングテーブルにはゴールドの球形ペンダントを3連で配置。天井の高い構造なら、キッチンからリビングまで、統一感のある空間の中でさまざまな光を楽しむことができます。
実例6:収納力とデザイン性を両立させた「壁面収納」のあるキッチン
おしゃれなキッチンにしたいけど、スペースが限られておりモノも多い……。そんな時は大容量の「壁面収納」があるキッチンが最適です。日常的に使用する物、季節使用の物と分けていき、それぞれ見せる収納にするか見せない収納にするかを決めていきましょう。
見せる収納が多い場合は、色やサイズを合わせて収納するのが広くすっきり見せるポイント。不透明・半透明の扉をうまく組み合わせることで、使いやすさと見た目を両立させることができます。
実例7:空間と家具が調和した「トータルコーディネート」なキッチン
これまで見てきたように、美しいキッチンをつくるポイントは、ダイニングやリビングを意識しながら床・壁・照明など、すべてをトータルでデザインすること。そこまで実現できたなら、最後は空間にマッチする「家具」を選んで完成です。
家具を選ぶときもこれまでと同じく「周りとの統一感」を忘れずに。「照明はコレ、テーブルはコレ」と好みの家具を1つずつ選ぶのではなく、空間や素材との相性を念頭に置きながら「空間全体のトータルコーディネート」を意識するようにしましょう。
まとめ
おしゃれなキッチンは身を置くだけでモチベーションがアップして、料理をするのも食べるのも楽しくなりそうですよね。ここで紹介した7つの実例は、形やテイストはすべて異なりますが、どのキッチンも機能性と見た目をうまく融合させています。キッチンデザインは家族構成や生活スタイル、家事動線によって大きく変わります。お好みのテイストが決まったら、経験豊かなダイワハウスの設計士とじっくり話し合って、ぜひ理想のキッチンを実現させてみてください。
記事公開日:2017年8月22日