得意・不得意に関わらず、家庭を持つと日々取り組まなければいけないのが「家事」です。
英語でハウスキーピング(housekeeping)というように、
家事とは家(house)を保つ(keep)ために欠かせない作業。
とはいえ、毎日家事に追われていては心の負担は重くなるばかり…。
ここでは家事に対する見方や意識、取り組み方を変えて、
ストレスが溜まりにくい暮らしをする方法をご紹介します。
家事のほとんどは「マイナスをゼロに戻す」こと
家事といえば、料理、洗濯、掃除といった言葉を連想します。共働き家庭が多い昨今、料理と洗濯はママ、お風呂の掃除やごみ出しはパパ、という風に分担しているご家族も多いのではないでしょうか。
ところで、出しっぱなしのハサミを引き出しにしまったり、ソファに脱ぎっぱなしの服をクローゼットに掛けたり、ポストに入っていた不要なチラシを捨てたり、手洗いのタオルを取り替えて洗濯かごに入れたり、使い切ったティッシュの箱を取り替えたり…といった、いわば「名もなき家事」は誰が担っているのでしょう。おそらく「ママ」という答えが多いのではないでしょうか。
家事の80%は、マイナスをゼロに戻す作業だと言われています。汚れたものを元に戻す。使ったものを元の場所に戻す。要らないものを処分する。散らかったものを片付ける。こうした地道な作業は、一つひとつはささいな事でも、毎日のこととなると実に大変な手間がかかるもの。心の負担が重くなるのも当然かもしれません。
時短、便利=解決策とは限らない?!
食器洗い乾燥機やロボット掃除機などの便利な機械を取り入れて、作業時間を短縮しているご家族も多いでしょう。ユニットバスや洗面化粧台などの住宅設備は年々お手入れしやすくなり、昔に比べるとお掃除の時間や手間はぐんと減っているはずです。
ところが、大和ハウス工業社内で働きながら家事・育児をしている女性社員らが話し合ったところ、主に家事を担っているママにとっては、相変わらず家事が大きな心の負担になっていることが分かりました。掃除や洗濯、片付けなどに対する「こうだったらいいのに」という意見が次々と発されると同時に、夫や子どもたちの家事協力を望む声も挙がりました。単純に家事の時間を短縮できれば心の負担が減るのかといえば、どうやらそうではないようです。
コミュニケーションが心の負担を軽くする
また、家事について家族で話し合いをしているかどうかと、家事の状況に満足しているかどうかの関連性を調べると、話し合いの頻度が高いほど満足度が高いことが分かりました。
出典:家事シェア白書(NPO法人tadaima!)
この結果から、家事について家族みんなで意識することが、心の負担の減少につながると考えられます。たとえ家事にかける時間の長さが平等でなくても、自分以外の家族が行っている家事に無関心にならず、「これをやっておいたよ」「ありがとう」「こうすればもっと上手くできるよ」などと会話できる関係でいることが大切なのかもしれません。
また、言われたからするのではなく、自主的に家事に取り組むことによってお互い気分が良くなりますし、やってくれたことに対する感謝の気持ちも沸いてくるでしょう。
家事の一部分を分担して終わるのではなく、「名もなき家事」を含めたすべての作業を家族で共有すること。そして、家族全員で家事を分け合うという姿勢を持つこと。家事に対する心の負担を減らすにはそうした意識改革が必要そうです。
なんとなく面倒で、やらなければいけないから仕方なくやるものというイメージを切り替えて、家事を通して家族への思いやりや感謝の気持ちを育み、家族の楽しいコミュニケーションのきっかけにできればベストですね。
ダイワハウス流「家事ストレス攻略法!~家事シェアのススメ~」