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生活を考える

【くつろぐためのインテリアの法則】くつろぐための
ウインドウトリートメント

「新しい家はどんなインテリアにしようかな?」と想像するのは、
家づくりにおいてもっともワクワクする瞬間のひとつ。
一方で、「失敗したらどうしよう…」と大いに迷う部分でもあります。

でも大丈夫。
インテリアには、これさえ守れば居心地のいい空間ができる、一定の法則があるのです。
この連載では、ダイワハウスのインテリアコーディネーターが
「長く住み続けられて、心からくつろげる家」にするためのインテリアの法則を、
照明・収納・家具・色彩計画などテーマ別にご紹介していきます。

3回目のテーマはウインドウトリートメントです。
ダイワハウスエクセレントインテリアコーディネーター(社内認定)野元祐美子が
「くつろぐためのウインドウトリートメント」をレクチャーします。

Profile

大和ハウス工業 埼玉西支社 住宅事業部 設計課 主任
インテリアコーディネーター、二級建築士
エクセレントインテリアコーディネーター(社内認定)

野元 祐美子

住まいづくりはお客さまそれぞれの思いを形にすることだと考えます。言葉にできない思いをくみ取り、より良いご提案ができるよう心掛けています。
細かな部分に気を配ることでインテリアの仕上がりは大きく変わり、美しいものになります。シンプルで機能的な空間を目指し、プロだからこそ気付くことをお客さまと共有しながら、居心地の良い住まいづくりのお手伝いをさせていただきます。

はじめに設計の段階からウインドウトリートメントを考える理由

ウインドウトリートメントとは、窓の周りを装飾的に演出すること。平たく言えばカーテン選びなどを指しますが、近年はロールスクリーンやブラインドなどさまざまな選択肢があるため、窓の大きさや開き方などに合わせて最適なアイテムを選ぶ必要があります。

ウインドウトリートメントはインテリアとしてのデザイン性だけでなく、外からの視線を遮り、光をコントロールするといった機能性も担うため、家のくつろぎと直結する重要な部分です。

よく「カーテンは家ができあがってから自分の好きなアイテムを選べばいいや」と、後回しにされがちですが、実はウインドウトリートメントは設計や内装とも深く関わってきます。例えばカーテンを窓の高さから吊るすか、天井から吊るすかによってカーテンレールの下地を入れる場所が変わります。カーテンボックスの有無や装飾レールにするかなど、あらかじめ決めておけば内装と合わせることも可能です。

家づくりにおいて、間取り決めやキッチン選び等に比べれば小さな点のようにも思えますが、後からとってつけたようなたたずまいは、毎日暮らしていると妙に気になってくるもの。設計と同時進行で丁寧に考えておくことが、住んでからの居心地の良さにつながりますよ。

ウインドウトリートメントのアイテムいろいろ

カーテン

もっとも一般的なウインドウトリートメント。左右に開くヒダ状の布で、厚手のドレープ生地と透過性の高いレース生地がある。レースカーテンの中には日中の視線を遮るミラーレースをはじめ、遮光、遮熱、花粉キャッチなど機能性の高いものも充実。

シェード

布地を吊り上げて開けるので、上げきった時、窓の上部にヒダ状の布だまりができるのが特徴のシェード。カーテン生地で製作するのが一般的なため、同じ生地で揃えることが可能。写真のようなダブルシェードならレースと厚地生地で二重になっており、外からの視線や光を調整するのにも適している。

ロールスクリーン

フラットな布地を上部のパイプで巻き上げて上下に開閉させるスクリーン。かさばらず窓まわりをスッキリ見せることができる。

調光ロールスクリーン

ボーダー柄のスクリーンを操作してわずかに上下にずらすことで、スクリーンを降ろしたままでも光のコントロールができる。機能的には横型ブラインドと同じだが、凹凸がなくスッキリしているのが特徴。

ブラインド

上下に昇降する横型ブラインドと、左右に開閉する縦型ブラインドがある(=バーチカルブラインド)。オフィスのイメージが強いアルミブラインドだが、木目調やカラーバリエーションも豊富なのが特徴。最近では木製のウッドブラインドの色合いが増えて、インテリアのアクセントとしても人気。

バーチカルブラインド

カーテンのように左右に開閉できる縦型のブラインド。天井から設置することで高さが強調され、スタイリッシュな空間を演出。大開口サッシとの相性が良い。

プリーツスクリーン

ジャバラ状の生地を折りたたむように上下に開閉させるもの。シースルー生地と厚手生地の分量を調整できるため、床座になる和室では低い位置の目隠しが可能。

法則その①日差しや視線など外部からの影響を考慮してアイテムを選ぶ

最適なウインドウトリートメントを選ぶために、まずは窓の外からもたらされる影響について考えてみましょう。

日差し

光を多く取り込む大きな窓や、西の方向に窓を設置する場合は、夏場の強い西日を遮るウインドウトリートメントが必要です。

外からの視線

隣地との距離が近い、窓のすぐ外を人が通るといった場合には、外からの視線がストレスにならないよう、上手にコントロールできるアイテムを。外からの目線の高さに対応した上下開閉式のウインドウトリートメントの他、ブラインド(横型・縦型ともに)の羽根の向きをコントロールするだけで目隠しできる場合もあります。日中の視線を遮るミラーレースカーテンなども有効です。

また、外からの視線を遮ることは、家の内部や在宅の様子が分かりづらくなり防犯にも寄与するので、小さな窓でも抜かりなく考えておきたいところ。採光用のFIX窓など、目隠しはしたいけれどカーテンなどをつけるか迷うような窓には、光を通しつつも視線を遮る型板ガラスを選ぶ方法もあります。

窓を開けて換気をするときに、ブラインドやロールスクリーンが風に揺れて窓枠などに当たる音が気になるという声はよく聞かれます。風の強い窓はカーテンを選ぶか、縦型のバーチカルブラインドを選び、閉まっている窓の方に寄せておくと解決できます。

法則その②室内から見たときの景色を想像してアイテムを選ぶ

次に、室内から窓周りを見たときの景色を立体的にイメージしながらアイテムを検討しましょう。例えば南側の大きな窓と東西側の小さな窓、それぞれをどのようなウインドウトリートメントにするか?また、インテリアテイストとの相性などはどうか?インテリアコーディネーターとの打ち合わせでは、3Dパースや、部屋の中を歩いているように確認できるCG動画を使い、平面図だけでは伝わらない空間を確認することができます。

中庭に面した窓の場合

家の中にいながらにして中庭の眺めを楽しみたいなら、クリアな視界を確保できる透明ガラスの窓と、上部にスッキリと収まって視界を邪魔しないロールスクリーンの組み合わせを選ぶのもいいでしょう。

幅の狭い窓の場合

カーテンは開けたとき両脇に布だまりができるため、幅の狭い窓につけると窓にかかって視界を邪魔してしまうことがありますが、ブラインドやロールスクリーンならスッキリ収まります。

大開口の場合

リビングの大開口なら、天井からカーテンを吊るすことで、天井をさらに高く、開放的な空間に見せることもできます。

法則その③その窓を暮らしの中で
どう使うのかを考慮してアイテムを選ぶ

暮らしの中で、その窓をどう使っていくのか?を具体的にイメージしておくのも重要です。例えば洗濯物を干したり取り込んだりと、人の出入りの多い掃き出し窓は、カーテンのような左右開閉式の方が使い勝手がいいでしょう。ロールスクリーンなどの上下開閉式だと出入りのたびに背丈まで上げ下げする必要があります。ただし、窓の外の視線が気にならなければ上げたままにできるので、立地や窓の外の状況なども総合的に考慮して決めましょう。

また、採光や換気でよく開け閉めする窓およびカーテンやブラインドの周辺では、家具などの邪魔なものがないかもチェック。家具とブラインドなどの操作紐は干渉しないか?など、日々の小さなストレスをなくすことで快適な暮らしを確保しておきたいものです。たまり代の部分には家具を置かないようにするか、片側開きのカーテンにして家具のない側にカーテンを寄せるなどの対策を立てましょう。

法則その④寝室は睡眠スタイルに合わせて
ウインドウトリートメントを選ぶ

寝室のウインドウトリートメントは、自分の睡眠スタイルに合致するかどうかが重要です。起きるまで完全に暗くしておきたい、夜勤で昼間に寝るので完全に遮光したいという場合は、遮光性の高いものを選びます。朝になったら少しずつ部屋が明るくなる方がいいという場合は遮光性の低いものを選びましょう。

遮光カーテンの等級

  • 1級 遮光率99.99%以上
  • 2級 遮光率99.80%以上99.99未満
  • 3級 遮光率99.40%以上99.80未満
省エネ・遮光 カバートップⅡ OPTION

どれだけ遮光性の高いカーテンを取り付けたとしても、カーテンレールの隙間から光が漏れてしまうのが不満なら、この光漏れを抑えるカバーを取り付けることもできます。完全に光が入るのを防ぐには、シャッター雨戸をご提案することもあります。

カーテンは防音性や断熱性があるので、寝室でのくつろぎ感を高めるアイテムとして適しています。窓の下にベッドを置くときは、ベッドのヘッドボードとカーテンが重ならないようにすることも配慮しましょう。

コーディネーターからのアドバイス 長く使うものだからこそ実際に手にとって選びましょう

「カーテンは量販店や通販で手軽に選ぶ」という方も多いですが、通販だと生地の厚みや光沢などの質感、縫製の良しあしなどがわかりにくいです。ウインドウトリートメントのアイテムは「後で変えられるから」と安易に選びがちですが、実際にはあまり変えないのが実情。10〜15年ほど使うと考えると、飽きのこない上質なものを選んだ方が、居心地や使い勝手が高まります。

ダイワハウスのオーダーカーテンには独自の縫製基準があります。カーテンのヒダの部分に芯地があることでヒダの立ち上がりがしっかりとしているのが特徴です。ぜひサンプルを手にとって、ご確認いただきたいです。詳しくは、弊社のインテリアコーディネーターにお尋ねください。

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