いつ起きるか分からない自然災害。
災害発生後、必要なものが手に入らない…
そんな事態を避けるために普段からできる備蓄計画について、
危機管理アドバイザーの国崎 信江さんに伺いました。
災害発生時、屋外へ逃げ出る際に急いで手に取れるものは限られています。必要なものをまとめておくことが大切です。物を詰め込みすぎたり、取り出しにくい場所に置いたりすると意味がありません。コンパクトにまとめて、避難動線を考えた取りやすい場所に設置しましょう。
私のお勧めは着用可能な防災ベスト。家族一人ひとりに用意して、各自のポケットに災害時に必要なものを詰め込んでいます。ベスト型のため両手が自由に使えて、荷物になりません。ポケットに入れておくと良いものは、携帯型セーフティライト、サバイバルホイッスル、携帯トイレ、ウェットティッシュ、マスク、止血パッドなど。大人用にはポケットラジオ、防災用ブランケットも入っています。子ども用には心を癒やす非常用ドロップスやぬいぐるみなどのおもちゃもあります。
また、携帯用トイレやマスクなど小さな物は、普段のバッグに常備しておくと屋外での被災時にも重宝します。
被災後も自宅で過ごせる場合は、日常生活のストックが活躍します。特別な非常食ではなくても、普段から食べているものが非常食・保存食として役立ちます。電気やガスの供給が止まっても、水と鍋とカセットコンロがあればレトルト食品や乾麺などの調理が可能です。調理不要の缶詰なども多めにストックしておきましょう。日常の食材を災害時にも無駄なく利用するために、レシピを考えておくと良いでしょう。
わが家の場合は1か月間、家族全員が食べられる量を目安に備えています。レトルト食品や缶詰だけでなく、冷凍保存した食材も役立ちます。ゆで野菜は自然解凍すればそのまま食べられますし、肉類はカットし加熱だけで食べられる状態で保存しています。被災時もおいしい食事で心も体も元気に過ごしましょう。
食品に加えて、生活用品・衛生用品も必要です。薬やサプリメント、塗り薬など自分の体に合ったものが入手できないリスクを想定し、日ごろから十分にストックしておきましょう。
BOUSAI
水と鍋とカセットコンロで調理ができるレトルト食品やインスタント食品も非常時の食料となります。煮干しや野菜チップス、ナッツなどの栄養価の高いおやつもお勧め。また、野菜ジュースや飲むヨーグルト、ゼリー飲料も水分と栄養を同時に摂ることができます。
生活用品や衛生用品は1か月分を目安にストックしておきましょう。ラップ、ポリ袋はさまざまな使い道があり、被災生活で重宝します。トイレットペーパー、ティッシュ、ウェットティッシュは必需品です。生理用品やおむつなどすべての消耗品を常に買い置きしましょう。
水や熱源の確保が自宅で過ごせるかどうかを左右します。わが家ではエコキュートの給湯タンクと持ち運び可能タンクの両方に貯水しています。電気とガスの供給が止まったら発電機とカセットコンロを使用。また、家庭用蓄電池とソーラーパネルもあると重宝します。
普段の持ち物に加えて、モバイルバッテリーや身分証明書、マスク、ばんそうこう、目薬、ウェットティッシュ、生理用品、大判のハンカチ、ゼリー飲料、携帯トイレなどがあると、外出時に被災した際に役立ちます。ポーチにまとめて、いつもバッグに入れておきましょう。
アドバイス
国崎 信江先生
危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。全国で防災・防犯対策の講演を行うほか、各種メディアで広く情報を提供している。
2019年3月現在の情報となります。