身近な人が亡くなり、お葬式が終わったらすぐに、
悲しみの中でもやるべきことは多くあります。
いざという時のために、手続きの流れをつかんでおきましょう。
また、残された人が困らないように、
今からできることを準備しておくとさらに安心です。
まずは健康保険と
年金の手続きを
健康保険は保険証の返却とともに死亡の届け出を提出しましょう。葬祭費(※1)が支給されるので、請求忘れのないように注意。他にも払い過ぎの保険料や未支給の高額療養費などがあれば清算手続きも忘れずに。年金受給中だった場合は、こちらも死亡の届けと同時に未支給の年金がないかを確認しておきましょう。また、遺族年金などが受給できるかを窓口で相談し、受給可能な場合は、申請をします。
保険の申請、
クレジットカードの解約等
民間の保険に加入していた場合は、保険金の請求手続きも早めに。銀行などの利用していた金融機関をピックアップし、残高なども調べておきましょう。クレジットカードなどは解約の手続きを。生前、確定申告をしていた場合は、亡くなるまでの収入に対して確定申告をする必要があります。準確定申告といわれるこの手続きは死後4か月以内が期限なので注意を。
相続手続きは複雑。
早めの対応を
手続きの中で一番大変なのが相続。まずは遺言があるかを調べます。ない場合は遺族間で、どのように遺産を分けるかを話し合い、遺産分割協議書を作成します。この協議書がないと、預貯金の払い出しはもちろん、不動産登記の移転などができません。そして、相続税の支払い期限は10か月以内。納税義務の有無の確認、税額の計算は難しいので、一般的には税理士に依頼するのがいいでしょう。
◎遺言書や財産リストをつくっておきましょう
遺族は短期間の間に多くの手続きをしないといけません。家族で情報を共有しておくと安心です。銀行や証券会社の口座情報、保険などの契約や、クレジットカードの情報などをリストアップしておきましょう。
種類 | 期限 | 手続先 | 手続内容 | |
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健康保険 | 14日以内 ※2 |
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年金 | すみやかに |
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生命保険 | 2年以内 | 保険会社 | 死亡保険金の請求 | |
預金・証券 | 相続確定後 なるべく早く |
口座のある銀行、証券会社等 | 名義変更 | |
利用サービス | 早めに | クレジットカード、携帯電話、 インターネットサービス会社等 |
解約手続き | |
税 金 |
所得税 | 4か月以内 | 亡くなった人の住まいを 管轄する税務署 |
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相続税 | 10か月以内 | 相続税の申告 |
- ※1 葬儀費用の一部を、国民健康保険、後期高齢者医療保険からは葬祭費として1~7万円(自治体によって異なる)、健康保険(会社等で加入している)からは埋葬費として5万円が支給される。
- ※2 葬祭費・埋葬費、高額療養費の請求は、2年以内の申請が可能ですが、忘れないためにも資格喪失の届けと一緒に手続きを行っておくとよい。
◎インターネット上のデジタル遺産も忘れずに
インターネット上のサービスは気づかれないまま放置されてしまうケースが多いため、デジタル遺産と呼ばれます。サービスのIDとパスワードを忘れずにリストアップ。ただし、保存場所などは見つかりにくい工夫を。
種類 | 内容 | 遺族に知らせたいこと |
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情報端末機器 | パソコン、スマートフォン、携帯電話など | ログインのID、パスワード |
データ | 情報端末機器に保存されている写真、動画、データ、メール履歴など | 家族に伝えたい情報の場所 |
利用サービス | インターネット上で行うSNS、ブログ、ネットショッピング、ネット銀行、ネット証券など | 利用URL、アカウントやID、パスワード、データの削除依頼、解約手続きなど |
ファイナンシャルプランナー 福一 由紀
2019年6月現在の情報となります。