和の趣のある暮らしに憧れはあっても、敷地面積の制約などから本格的な和室を構えるのは難しいと考えている方もいるのではないでしょうか。そうした場合は、洋室に和のテイストを取り入れて、和洋のミックスを楽しむのはいかがでしょう。今回は、和のキーアイテムである障子の魅力とさまざまな活用術をご紹介します。
障子は比較的気軽に取り入れられるうえ、工夫次第で洋室にもしっくり溶け込みます。障子の組子(格子の部分)には縦子と横子がありますが、右の写真のように横子を強調したデザインは部屋に広がりを感じさせ、モダンな雰囲気を醸し出します。このように一般的な形状の格子だけではなく、オーダーメイドで好みのデザインを作ってもらうと、部屋の雰囲気を一段と高めることができます。
開口部の建具として用いる以外にも、多様な活用方法があります。たとえば吹き抜けに障子を配置すると、屋外からの光がより柔らかく階下に届きます。上階と階下を緩やかにつなぎ、家のどこにいても、家族の気配を感じながら過ごすことができます。
また、障子に映る影を生かした、風流な楽しみ方も。カーテンの代わりに活用して木々の揺らめきを感じれば、部屋に居ながらにして自然と触れ合う時間を楽しむことができます。うつろう時間や季節を感じられるのも障子の利点の一つと言えるでしょう。
便利さとともに、生活に落ち着きをもたらしてくれるという効果が、障子の大きな魅力なのです。
障子の開閉位置は自由自在。好みの位置に調節することで、日射や窓の景色を上手にコントロールできます。
窓のある寝室に障子を入れると、和風旅館に泊まっているような非日常の雰囲気を味わうことができます。
空間の仕切りに障子を用い、室内の照明をつけた状態で障子を閉めると、部屋の外がぼんやりと柔らかく照らされます。部屋そのものが大きなあんどんのようになります。
2015年10月現在の情報となります。