私たち医療法人社団ますお会は、平成17年に第2北総病院の「こども発達支援室」を、わずか数名の患者様を対象に設置しました。その後、ご家族の口コミなどで少しずつ増患していき、現在ではすべての新規患者様の希望にお応えすることが難しい状況になっています。千葉県では、小児専門のリハビリテーションセンターは元々少なく、大規模な病院でも取り組んでいるところは少ないため、どの施設もすぐに定員に達する状況です。
最近の規制緩和を受け、民間事業者でも開設できるようになったため、この地域にも児童発達支援や放課後等デイサービスの事業所は、徐々に増えてきています。しかし、病院が隣にあり直接運営しているというケースはほとんどありません。スタッフ間の連携が密に取りやすく、利用者も施設と病院の使い分けをされています。そして、小児専門のリハビリを行う病院のスタッフがいる施設は“利用する側の安心感”につながるためか、いま「かざぐるま」には、県内・県外16市区町村から利用者が来られ、開設後3ヶ月で登録者は274名に上っています(平成29年7月現在)。
あくまで福祉事業であるため、施設計画は、しっかりとした構造であることは当然、コスト面も重視しました。当初は2階建てをイメージしていたのですが、大和ハウスさんからの提案を見て「平屋でも工夫を重ねれば、要望を満たすものが建てられるのか」と感心しました。施設計画では、初期段階から現場のスタッフも参加して何度も意見交換を重ねました。こちらのさまざまな要望に対し上手くアレンジして応えていただくなど、今思えばともにつくり上げたという感じです。完成した建物は、スタッフ全員のイメージ通りに仕上がりとても満足しています。
- 福祉事業にとって重視されるコスト面はもちろん、使い勝手や安全性、周辺環境にも十分配慮した施設計画を提案してくれた。
- 要望に対して上手くアレンジした提案で応えてくれ、可能な限り実現してくれた。
明るく、開放感あふれるエントランス。送り迎えされるご家族同士の交流スペースとしても活用されています。
集団療育・個別療育(リハビリテーション)が行われる遊戯室。広さはもとより感覚統合の器具も充実。楽しみながら主に理学療法・作業療法が行われます。
それぞれの発達特性に合わせ、グループでの遊びやゲームを通して、情緒や社会性の発達を促進する集団療育ルーム。
主に理学療法・作業療法を行う機能訓練室は、天井から取り付けられたブランコがお子様たちに人気です。荷重に耐えられるよう、構造を強化しています。さらに、この部屋からは屋外へ出られるようにもなっています。
多目的ホール。ご家族に安心いただきながら発達支援を行うための相談室として使用したり、間仕切りを開けて広い空間として、スタッフの会議等にも使用できます。
主に言語聴覚療法を行う機能訓練室。鏡に見える壁面はマジックミラーで、ご家族が隣室で個別療育を受けるお子様の様子を、集中力が途切れずに見学することができます。
CASE1
児童福祉施設・小児リハビリテーション事業所 かざぐるま
- 豊富な実績の医療法人による福祉型リハビリテーションの実践。
- 医療との連携でより多くの“利用する安心”を提供したい。