大和ハウス工業株式会社

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CASE8

介護施設

特別養護老人ホーム 洗心園

所在地:
広島県廿日市市
構造:
鉄骨造
延床面積:
4,712m2
竣工:
2020年9月
用途:
特別養護老人ホーム(84床)、短期入所療養介護(16名)、通所介護、居宅介護支援事業所

広島県の西部に位置する廿日市市は、瀬戸内海に面した風光明媚な港町。同市内において、特別養護老人ホーム「洗心園」を中核に、ショートステイ、デイサービス、居宅介護支援事業所を展開されているのが、1970年創設の社会福祉法人洗心会様です。
かねてから施設の老朽化が深刻な経営課題となっていた同法人では、現理事長の就任を機に、大規模な改修や建て替え、移転など多方向からリニューアル案を検討。計画は紆余曲折を経た後、入所者様やスタッフの負担を第一に考慮し、近隣への移転新築を実現されました。

計画のポイント

POINT 1周辺環境、規模、立地と理想的な建設地を確保

当初検討されていた大規模な改修工事や敷地内での建て替えでは、敷地内に仮施設を設ける必要があるため、入所者様やスタッフの負担を考慮し断念。近隣エリアへの移転新築のため、まず土地探しに着手されました。適地を見つけ購入に至るまでは、実に2年近くの月日を要したといいます。当該地は、タイミングよく売りに出されていた企業所有地約5,000坪の一部(約1,500坪)を大和ハウス工業がご提案。景色の良い海岸近くで、土砂災害のハザードマップの対象からは外れており、安全安心の理想的な施設運営が期待されます。

旧施設は、幾度となく増築や改修を施してこられましたが、老朽化は年々深刻化し、維持管理に関するコストが経営にも影響を与えていました。

POINT 2効率化に重点を置き、長年の課題を解消する建物計画

高台に立地する平屋造の旧施設は、増築を重ねたことで最終的には3棟構成となっていました。そのため動線が複雑化し、職員の作業効率にも大きな影響を与えていたのです。また、老朽化だけでなく、施設基準の面でも既存不適格であるため、新築して従前の機能を維持するためには、約1.5倍の規模が必要。動線も考慮し、建物は3階建てを計画されました。

新施設には、特別養護老人ホーム、ショートステイ、居宅介護支援事業所に加え、従来は別施設で運営していたデイサービスを集約させることができました。これにより人員配置の効率化も図れ、より質の高いサービス提供が可能となっています。

POINT 3地域に寄り添う姿勢を建物づくりに反映

玄関を入ってすぐに広がるのが「地域交流室」。イベントやレクリエーションなど、多目的な利用が可能な約200名のキャパシティを誇っており、地域に広く開放することを予定されています。長く地域に根差した事業を展開してきた洗心会様ならではの取り組みです。

地域交流室は、全入所所様とそのご家族が一堂に会することができるほどのスペースを確保。ステージも設けられており、さまざまな催しに対応することができます。

お客様の声

暮らしやすく働きやすい環境づくりを。
50周年を機に施設を一新。

社会福祉法人洗心会 理事長 小笠原 健 様

1970年に創設された洗心会は、仏教の教えをもとに創設された社会福祉法人で、その名称は仏典にある“洗除心垢”に由来するものです。最も大切なのは介護する人の心であり、それは慈悲の心です。高齢者が心安らかに日々を過ごされることを何よりも大切に、支えていくことが私どもの仕事と考えています。
運営する洗心園は、広島県でも3番目に古い特別養護老人ホームを中核とした施設。穏やかな瀬戸内海と日本三景の一つである宮島が朝夕眺められる絶景の地に立地しています。広島県廿日市市の人口は、約11万6千人。現在、その3割以上を65歳以上の高齢者が占めています。こうした背景からみても私たちの果たす役割は大きく、法人創設以来の理念である「利用者に心やすらかな日々を送っていただく」ため、時代が変わってもソフト・ハード両面での環境整備に努めてきました。

まず、これまで当法人が絶えず注力してきたのが、入所者のケアを行うスタッフの介護技術の向上です。2000年の介護保険制度スタート時からは、スタッフの資格取得を積極的に支援しており、法人内での研修も徹底。いまでは、ほぼ全員が介護福祉士の国家資格を取得しています。習得した専門性を発揮する場を得ることは、各自のモチベーションを高めることにつながり、待遇面への反映も徹底しているためか、人材定着率は高い水準を維持しているのです。こうした取り組みは、社会的評価にもつながっています。2019年には、広島県福祉・介護人材確保等総合支援協議会の『魅力ある福祉・介護の職場宣言ひろしま制度』において、社会福祉法人初のプラチナ認証法人に選定。現在も継続しています。施設面については、私が理事長に就任した当初から、早急な対応に迫られていました。増改築を重ね、3棟構成となってしまった建物は、一番古いもので40年以上が経過。非常に老朽化が進んでおり、それまでも問題が起こる度に改修を繰り返し、かなりの費用が掛かっていました。シンプルな行程での敷地内建て替えは困難でしたし、大和ハウス工業さんから当該地を紹介いただかなければ、いまも大きな課題となっていたことでしょう。
今回、大和ハウス工業さんは、土地探しだけでなく、建物づくりについても当法人の要望と予算のバランスを常に見極めながら『プロの視点』で提案いただき、施設建設の経験がなかった私たちが分からないことなど、教わることも多かったですね。幾度もやり取りを行いましたが、一度もストレスを感じたことがなく、出来栄えにもとても満足しています。建物中央の吹き抜けにより、2階・3階の居室フロアを回廊式にすることで、スムーズな動線を確保。作業効率は大幅に向上しましたし、居室の大きな窓や屋上から日常的に楽しめる絶景は、入所者からも好評です。
新施設が完成して約2年が経ちましたが、コロナ禍の影響で未だ地域交流室の活用ができていない状況です。長くこの地域でやってきた当法人だからこそ、「地域ぐるみで高齢者を支えたい」という思いがあります。ボランティア等、さまざまな団体を招きレクリエーションを行っていたあの頃のように、多くの方の笑顔にあふれる施設に少しでも早くなれば良いなと思っています。

※利用者を大切にし,職員も働きやすい職場づくりに取り組んでいる優良法人の認証制度。プラチナ認証法人は,広島県の福祉・介護業界のトップランナーとして、離職率が低く,職員が安心して長く働き続けられるための取り組みが認められています。

海岸近く(新施設)と山の高台(旧施設)とでロケーションは異なるものの、ともに建物から望む景色は素晴らしく、洗心園様の大きな特徴と魅力の一つになっています。

玄関を入ってすぐに設けられたのが「地域交流室」。広々とした空間が拡がります。入居者様が過ごされる居室(2・3階)とフロアを分けることで、感染症対策にも役立っています。

玄関を入ってすぐに設けられたのが「地域交流室」。広々とした空間が拡がります。入居者様が過ごされる居室(2・3階)とフロアを分けることで、感染症対策にも役立っています。

玄関を入ってすぐに設けられたのが「地域交流室」。広々とした空間が拡がります。入居者様が過ごされる居室(2・3階)とフロアを分けることで、感染症対策にも役立っています。

1階に設けられた多目的室・ボランティア室・会議室。可動式のパーテーションを外せば、地域交流室と一体化します。

新施設への移転に伴い、特別養護老人ホームと同施設内となったデイサービス。利用者様の利便性はもちろん、スタッフの人員効率も向上しました。

新施設への移転に伴い、特別養護老人ホームと同施設内となったデイサービス。利用者様の利便性はもちろん、スタッフの人員効率も向上しました。

新施設への移転に伴い、特別養護老人ホームと同施設内となったデイサービス。利用者様の利便性はもちろん、スタッフの人員効率も向上しました。

新施設への移転に伴い、特別養護老人ホームと同施設内となったデイサービス。利用者様の利便性はもちろん、スタッフの人員効率も向上しました。

建物の中央部に設けられた光庭。1~3階に及ぶ吹き抜けで、内部全体が外光によって明るさを確保しています。これにより2・3階の居室部分は、スムーズな動線を実現した回廊式の設えとなっています。

建物の中央部に設けられた光庭。1~3階に及ぶ吹き抜けで、内部全体が外光によって明るさを確保しています。これにより2・3階の居室部分は、スムーズな動線を実現した回廊式の設えとなっています。

建物の中央部に設けられた光庭。1~3階に及ぶ吹き抜けで、内部全体が外光によって明るさを確保しています。これにより2・3階の居室部分は、スムーズな動線を実現した回廊式の設えとなっています。

居室(84床)は、旧施設の頃から大勢を占めていた入所者様のニーズに対応するため、すべて4床室で構成。間仕切りの家具を設置することで、適度なプライバシーを確保しています。

居室の窓は、床面から天井近くまで広く設けられています。明るい室内はもちろん、「寝ながらでも外の景色が楽しめる」と入居者様から好評です。

光庭(吹き抜け)に面して明るく過ごせる2・3階の食堂エリア。

光庭(吹き抜け)に面して明るく過ごせる2・3階の食堂エリア。

小笠原理事長が歯科医師であることより、常日頃から入所者様の口腔ケアに気を配られている洗心園様。食堂エリアの一画には、多く方が一度に利用できるアイランド型の洗面台が設けられています。

2階に設けられた医務室。常勤の看護師が待機されています。

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