近年増えている自然災害は、いつ発生するか予測ができません。
万一の際に慌てないよう、心構えをしておきたいものですね。
今回は準備するべき防災グッズや収納の仕方をご紹介します。
一口に防災グッズといっても、災害を防ぐための備品(家具の固定器具やヘルメットや消火器など)もあれば、被災後の生活を安全かつできるだけ快適に過ごすための備品(水や救急用品など)もあります。防災グッズはひとまとめにするのではなく、次のように分けて準備するのがおすすめです。
① 備蓄品
災害発生からインフラの復旧や救援体制の整備まで3日程度かかるといわれるため、家の中で数日過ごせる量を備蓄します。
② 持ち出し品
避難場所に移動して過ごすためのグッズです。「緊急用持ち出し袋」を用意します。
せっかく準備した防災グッズも必要時にすぐ手に取れなければ意味がありませんので、最適な場所に収納する工夫も大切です。戸建て住宅を建てる際は、備蓄品や防災袋を適所に収納できるパントリーや玄関収納を設けるとよいでしょう。さらに、庭に倉庫があれば便利です。
各自治体では、安全が確保できる場合は自宅での避難生活を推奨しています。住まいの中で十分な備蓄品を準備することに加え、太陽光発電や蓄電池などで電気を確保することもご検討ください。
自宅で救助を待つための備蓄品と
避難時に必要な持ち出し品を用意する
政府広報オンライン「災害時に命を守る一人ひとりの防災対策」の備蓄品と持ち出し品の例をもとに、
防災グッズの中でも本当に必要なものをご紹介します。
※参考:災害時に命を守る一人ひとりの防災対策(2023年6月20日)
- ■ 飲料水一人1日3リットルを目安に、3日分用意します。また、飲料水とは別に、物を洗ったり、トイレを流したりするための水も必要です。水道水を入れたポリタンクなどを備えておきましょう。
- ■ 非常用バッテリー、LEDランタンなどの照明、懐中電灯情報収集やSNSでの情報交換など、スマートフォンは災害時の生活に必須。モバイルバッテリーのほか、小型家電も使える大容量バッテリーがあると安心です。
- ■ 現金停電で電子マネーが使えない、ATMが使えない事態に備え、小銭を中心に2万円ほど手元に置いておきましょう。
- ■ 食料品温めれば食べられるご飯(一人5食分)、備蓄用パン、ビスケット、板チョコなど、一人最低3日分用意します。
- ■ カセットコンロガスが止まっても調理ができます。沸かしたお湯でタオルを濡らして体をふいたり、消毒したりと、さまざまな用途に使えます。
- ■ 救急用品など普段のストックの一部を備蓄品に。持病がある人は必要な薬を1週間分準備しておくとよいでしょう。
備蓄品はパントリーなどに収納
パントリーなど食料品や生活用品をストックする場所があれば、そこで管理します。消費期限が分かるように日付けの付箋などを貼り、ローリングストック(普段の生活で古いものから順に消費し、消費した分を買い足すこと)で備蓄しましょう。
〈 防災袋 〉背負って小走りで移動できる程度の重さが目安です。移動中の安全を確保するツール、避難所での生活に役立つ備品をコンパクトにまとめておきます。
- ■ 飲料水一人500mlのペットボトル2本程度が目安です。
- ■ 食料品簡単に食べられるもの。缶詰やレトルト食品は移動時に重いので避けましょう。
- ■ 救急用品
- ■ タオル、防寒用アルミシート
- ■ 衛生用品
- ■ 安眠用品(耳栓、アイマスクなど)
- ■ ヘルメット、防災ずきん、軍手、ヘッドランプ
- ■ 衣類(下着など)
- ■ 携帯ラジオ、予備電池
- ■ ミルクや紙おむつなど(乳児がいる家庭)
〈 緊急用持ち出し袋 〉貴重品(預金通帳、印鑑、現金)、常備薬、医療関係備品(健康保険証、お薬手帳)、懐中電灯など、防災袋に入れたままにはできないものは、小さめの緊急用持ち出し袋に入れてまとめておきましょう。
防災袋は玄関、
緊急用持ち出し袋は枕元に置く
防災袋は、家の中からの避難経路となる玄関近くの物入れに置きます。緊急用持ち出し袋はスマートフォンなどと一緒に枕元に置くのが原則。避難の際は、枕元の緊急用持ち出し袋とスマートフォンを手に取り、防災袋に入れて持ち出しましょう。
防災グッズも取り出しやすい 家事シェアハウス
家族が自然と家事に参加できるよう、家事動線や収納スペースを工夫した「家事シェアハウス」。多様なアイテムの一つに、玄関に一人ひとりの荷物を管理できる「自分専用カタヅケロッカー」があります。
自分専用カタヅケロッカーには、鍵など外出時に必要なアイテムのほか、防災袋も各自で収納しておけます。毎日自分の防災袋を目にすることで、防災意識も高めやすくなります。